前説

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SixTONESのアルバム「1ST」がリリースされた。

各方面で評判が高い一枚だけど、それが納得の作品である。

自分も僭越ながらアルバム・レビューのようなものを記事にしたためた。

関連記事:SixTONESの「1ST」における個人的な感想

ただ、この記事、ひとつだけ問題がある。

というのも、自分はアルバムとしてのロマンみたいなものを優先的に書くあまり、一部の楽曲についてはまったく触れないままに上梓してしまったのだ。

まったく触れないにしてはあまりにも勿体ない楽曲たちが多い。

なので、この記事では初回盤Bとなる音色盤で収録された各ユニット曲を中心、に記事をしたためたいと思う。

本編

「EXTRA VIP」について

ジェシーと田中樹がタッグを組んだ一曲。

アグレッシブかつ攻撃的な印象の「EXTRA VIP」。

低音がゴリゴリに効いていて、かっこいいナンバーだ。

こういうスタイルの楽曲って「似合っていない人」がやってしまうと、ボーカルとサウンドに乖離が生まれて浮いてしまうんだけど、そういう違和感を生まないのがこの二人の凄いところ。

屈指の歌の上手さを誇るジェシーと、屈指のラップの上手さを誇る田中だからこそ、こういうテンポ感、こういう魅せ方をする歌がどこまでも映える。

低音と高音を華麗に使い分けるジェシーのボーカルがあまりにも素晴らしいし、ラップすることそのものが楽曲のリズムに鋭さを加えていく田中の歌いまわしは流石の一言。

こういうテイストの歌で、ここまで惹きつけられるのは、この二人だからだよなーと思わずにいられない。

あと、キャッチーなサビでぐっと惹きつけるのではなく、少しずつ身体にこの楽曲のリズムを染み込ませて、じわじわと惹き込んでいくような楽曲構成が良いよなーと思う。

「My Hometown」について

髙地優吾と森本慎太郎がタッグを組んだ一曲。

「EXTRA VIP」と大きく色が違い、冒頭の口笛から爽やかさを感じさせるナンバーとなっている。

アコースティックギターや鍵盤の音をベースにシンプルに整えたアレンジ。

「EXTRA VIP」が非日常感の強そうな歌なのだとしたら、「My Hometown」は日常に寄り添ってくれそうな優しいナンバーである。

髙地優吾と森本慎太郎の優しい歌声が「My Hometown」の世界観にマッチしている。

余計な音を排したアレンジのため、二人のボーカルが印象的に際立っている。

でも、「際立つ」と言っても、手を掴んで一気に自分たちの世界に引っ張っていくって感じの際立ち方ではなく、そっとそばに寄り添ってきて、手をとって一緒に歩いてくれる、そんな印象を受けるのだ。

コーラスワークも秀逸な一曲である。

Bメロの裏で流れているハミングもそうだし、サビ終わりの二人の声が重なるコーラスもそうだし。

いずれにしても、二人の持ち味が出ている一曲のように感じる。

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「ってあなた」について

京本大我と松村北斗がタッグを組んだ一曲。

ユニット曲の中で一番テンポを落としていて、音数もぐっと減らしている印象を受ける。

当然ながら、こういう構成にするとボーカルへの比重が大きくなるわけだけど、そこの魅せ方があまりにも流石で。

つまり、美しいボーカルを堪能できる一曲となっている。

二人の声質ってけっこう違う。

だから、それぞれのソロパートでぐっと引き込まれるし、そのコントラストに惹きつけられていく。

でも、圧巻はサビのハモリ部分だと思っている。

声が溶け合うように、美しいハーモニーを奏でるのである。

違う声質の二人だからこそ、ハモリによる驚異的なケミストリーが生まれている。

そんな印象を受ける。

二人ユニットだからこその魅力、みたいなものが存分に出ている一曲だと感じる。

「うやむや」について

6人6色のボーカルがある。

それぞれの歌声に個性があって、得意とする魅せ方がある。

ユニット曲を聴くと、それを強く実感できる。

だからこそ、全員が揃ったときの破壊力がとんでもないことになるのだ。

そのことを強く実感させるのが「うやむや」なのかなーと思っていて。

個性が際立っているボーカルが<うやむや>になるくらいに自分たちの色を変えて、ボカロというジャンルが好きな人にも刺さる魅せ方をしていく。

このジャンル性を超克する感じが「うやむや」の素晴らしいところだと思っていて、良い意味でSixTONESの印象を取っ払っていく。

けれど、もっと楽曲の奥に入り込めば、ボカロというジャンルが好きな人にも刺さるレベルに「うやむや」が昇華されているのは、この六人が細かい歌割りの中で、自分たちの持つ最高のパフォーマンスを行っているからに気付く。

6人が揃い、圧倒的なパフォーマンスで見せつけるからこその境地であると感じさせる。

まとめに替えて

SixTONESのアルバムレビューにおいて、色んな記事が生まれた。

きちんと作品と向かい合っているレビューはどれも素晴らしいし、記事ごとに書き手の個性が出ているのも読んでいて楽しいわけだけど、自分的に言いたいのは、この六人だからこそ、「1ST」というアルバムはどこまでも素晴らしいものになっているということである。

ユニット曲では、その6人の魅力の「それぞれ」の部分が堪能できるし、「うやむや」のような曲はこの6人だからこそSixTONESって素晴らしいんだよということが堪能できる。

ジャニーズだからとか、ジャニーズを超えているとか、そんな「外側の要素」や「カテゴライズ」は取っ払って、SixTONESは、SixTONESにしかない輝きを放ちながら、2021年を駆けていく。

彼らの作品を聴いていると、そのことを実感するのである。

関連記事:SixTONESの「僕が僕じゃないみたいだ」から感じる新たな魅力

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