BE:FIRSTに出会った秋
自分は音楽において、一年の中でもいくつも種類違いのブームがくる。
1月の頃はこういう音楽にハマっていたなーと思っていても、10月の今ではまったく別の要素に魅力を感じる、ということもよくある。
まあ、自分のハマる音楽は季節とともに移ろいで行く、という話なのだ。
良くも悪くも。
で。
そんな自分は、最近、、BE:FIRSTにぐっときている。
まあ、ぐっときていると言っても、まだBE:FIRSTの魅力の入り口に立ったくらいの人間ではあるんだけども。
やはり、BE:FIRSTはパフォーマーとしての惹かれるものが多い。
楽曲のスタイリッシュさが一味違うし、歌であれラップであれダンスであれ、ビートの切れ味が半端ないのだ。
「Shining One」に触れることで、そのことに気づいた。
・・・わけなんだけども、10月、そこからさらに更新を果たすことになる。
「Kick Start」と出会ってしまったからだ。
BE:FIRSTの「Kick Start」の話
穏やかなテンポで展開していく「Kick Start」。
全体的な印象としては、しっとりとしたもののように感じる。
アッパーというよりは、マイルドな感じがするというか。
なんだけど、本当の意味で淡々としているのかといえば、そんなこともなくて。
ただの水に見えるけれど、口に含むと猛烈な刺激の炭酸水だった・・・みたいな感じで、良い意味で上辺だけでは測れない刺激に満ちた音楽なのだ。
というよりも、ミディアムな楽曲で淡々とした雰囲気を持ちつつも、曲の展開は目まぐるしくて、スリリングなのである。
まず、冒頭。
ミニマムなサウンドの中で楽曲の世界が構築している。
そんな中でひときわ存在感を際立たせる音を発見することになる。
<声ネタ>のようなものが、イントロの中に組み込まれていることに気づくわけだ。
高音の人の声とも、ある種の楽器とともとれる、独特の音の響きが鳴り響く。
そういう音が入り混じることで、シンプルなサウンドの中にも独特のグルーヴが生み出されていく。
さらには、このイントロでは、実際にメンバーのコーラスも挿入されて展開していくため、より不思議な味わいのパートへと变化していくのだ。
そして、このイントロが終わると、ラップパートに繋がる。
ラップパートに入っても、比較的淡々としたトラックのテイストは変わらない。
だが、対して、ラップは比較的高速に展開されていく。
チルっぽい要素の中に、密やかなアッパーさがあるフロウの入り混じり方が面白い。
パート割のスムーズも絶妙で、聴いている上で心地よさを増大させていく。
以降も、サウンドとして大胆なモードチェンジをすることはないんだけど、楽曲としては目まぐるしい展開をみせるのだ。
この辺りにBE:FIRSTとしての音楽的面白さを感じるし、BE:FIRSTだからこそのアプローチでもあるように思うわけだ。
BE:FIRSTが魅せる音楽的な面白さ
聴けばわかるけれど、BE:FIRSTはパフォーマンス能力は高い。
様々なアプローチで魅了することができる。
歌、ラップ、ダンスというのがその核にあると思うし、そこが多角的な魅力を放つような楽曲構成がなされている。
だからこそ、シンプルにするべきところはシンプルにして、魅せるべきポイントでそれを大いに解き放つ。
そのことを徹しているからこそ、「Kick Start」がどこまでもかっこよく、どこまでも心地よく響くのだと思う。
ラップが早口で展開されるからこそ、サビのメロウな感じの印象も違って聴こえる。
個性違いの7人がそれぞれの持ち味で魅了しているのに、一切<バラバラ>を感じさせないところも、BE:FIRSTの凄さだ。
余分なものが一切なく、良い意味で<ひとつの作品>としての研ぎ澄ませ方が見事なものになっている。
・・・にしても、アッパーというわけではなく、こういうテイストの歌でも容赦なくワクワクさせる音楽を生み出すBE:FIRSTが凄い。
「Kick Start 」って、本当に絶妙な温度感の一曲だと思うわけだ。
なんというか、最終的に淀みない光に向かっていく感じがするというか。
ライブの終わりでも映えそうな、多幸感に満ちた感動に満ちている印象を受けるわけだ。
まとめに替えて
まだ自分は、BE:FIRSTの音楽の入り口の入り口しか聴いていない。
なので、ここから色んな意味で評価を変えることになると思う。
でも、「Shining One」と「Kick Start」で魅せた輝きは、どこまでも唯一無二のものであった。
だからこそ、今度ここからどんな作品を生み出すかが楽しみで仕方がない。
しばらく、自分の中でのBE:FIRSTのブームが、続いてしまいそうである。
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