<検証>大阪にある噂の邦ロックカフェバー「ロクロラ」に行ってきた!

突然ですが、皆さん、大阪に邦ロックカフェバーがあるってご存知ですか?

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あるんですよ、それが。僕もあんまりよく知らなかったんだけど。ちゃんとあるみたいで。

その店のTwitterアカウントが、これ。

略してロクロラ。

はい出ました。略し方ポケモンスタイルの奴〜。

日本人はちょっと名前が長くなると、すぐに四文字化したがる傾向にある。どうせあなたの好きなバンドも四文字に略されてるんでしょ?

どうでもいいけど、生粋の大阪人であるウチの母親はマクドナルドのことは「マクナル」と略すし、マキシマム ザ ホルモンのことは「マキホル」と略すし、BUMP OF CHICKENのことは「バンチキ」と略す。

四文字化スタイルの権化みたいな人なんだけど、その略し方がどこか微妙にズレているのだ。恥ずかしいので、やめてほしい。

まあ、ウチのオカンの話はどうでもよくて。

ここで話したいのは、ロクロラである。

なんでも、この邦ロックカフェバーはラテアートが有名らしく、インスタ映えを狙うライブキッズの皆様の間では話題になっているらしい。

気になったので、インスタで検索してみると、出てくるんですよ、オシャレな感じのラテアートの数々が。

ちょっと行ってみたくなる。

しかし、こういうキラキラ系インスタ投稿写真をみていると、不安になる部分もある。

僕はアラサーの陰キャ系人間なので、某ロック系DJイベントのように、派手髪のウェイ系ライブキッズがウジャウジャいると少しきつくなる。

そうでなくても、たくさんの若い子がキャピキャピしている場所に行けば、僕のような日陰人間には、少しばかりきついものがあるのだ。

逆に、若い子は皆無で、ライブハウスの生き証人のようなおっさんばかりがカウンターを占拠してて、すんげえ難易度の高いロック話ばかりされていたとしても困る。

ニワカの僕が知ったかをして地雷を踏むのは目に見えているし。

どちらに転んでも、待ち構えているのは殲滅の匂いであり、頭の中で膨らむのは恐怖ばかり。

しかし…。

インスタで写真あげている人のコメントをみると、すごく楽しそうではある。

気にならないと言えば、嘘になってしまう。

「迷いなら捨てて後腐れ無し」であるべきだし「行動こそ現実」の世界である。

迷っても仕方がない。

というわけで、インスタをこんなにもキラキラと彩るこのお店の内実がどうなっているのかを検証するべく、立ち上がることにした。

お店に向かう…

ロクロラは日本有数のライブハウスが密集する大阪・心斎橋にある。

心斎橋駅から歩いて10分もあればお店に着くのだが、お店はビルの中に入っているため、油断をしたら素通りする恐れもある。

親切なことに、当該ビル下には看板が設置されている。

なるほど。看板から優しそうな雰囲気を漂わせることで「初見の人も安心して来てください感」を演出している。

しかも、看板にはBarでありながらチャージ代はなしと書いてある。(普通のBarはお店に入るだけでチャージ料をそこそこ取られる)

これならば、Barという場所が初めての人でも安心して足を踏み入れることができる。

が。

僕はまだ全然安心していない。懸念は何一つ払拭されていないからだ。

こういうふうにして、少しでも若い邦ロックリスナーにも足を運びやすくしていることは認めよう。

しかし、派手髪ライブキッズや、ロック沼に浸かったおっさんがお店を占拠しており、陰キャである僕のメンタルをズタボロにするかもしれない、という懸念は未だ強く根付いている。

店内に足を踏み入れた途端、絶望するようなウェイ系のオーラがカフェバー内に充満しており、僕ごときには成すすべがないような絶望の空気が出来上がっている恐れだってあるわけだ。

油断してはならない。

お店はビルの4階にあるらしいので、ビル内にあるエレベーターを使って上まで行く。

そして、ドアの前につく。

なるほど。ドアからも優しそうな雰囲気を漂わせることで「初見の人も安心して来てください感」を演出している。

が、僕はそれでも安心ができない。

ドアを開いた後に広がる世界を想像すると、今にもオシッコがちびりそうになる。

店内には既に完璧なるコミュニティーが出来上がっており、クラス内のカーストが圧倒的最下層だった僕のような干物人間には居場所がない可能性だってあるわけだ。

とはいえ、パリピなノリの若い奴がいきなり絡んでくるパターンもきつい。そうなると、超絶無言モードになるかもしれない。ハイパーツイ廃モードになって現実から逃走するかもしれない。フォロワーのみんな、お前たちだけが俺の勇気だ。助けてくれ。

想像すれば想像するほど、沸き起こる恐怖。

しかし、ロックバンドの歌詞はいつだって「扉を開けたら素敵な未来が待っているよ」と背中を押してくれた。負けてはならない。こんなところで負けてはならない。

扉を開けた。

な、なんだ、ここは…!!

想像していたものとはまったく違った世界が広がっていた。

良い意味ですごく落ち着きがある。ドアを開けるまでは、もしかしたらテーブルの上でツーステしている勢がいるのでは?と疑っていたが、そんなことはなかった。みんな席に着いて楽しく談笑している。

ポスターがいっぱいある。どれもロックバンドのものばかりだ。こんなものをちゃんと保存してお店に貼り付けているなんて、これはもしかしたら、ちゃんとロックに対してリスペクト精神のある、マジもんのロック好きの店長が開いている、わりと信頼できるお店なのかもしれない。

いや、油断してはダメだ。

これはハッタリの可能性もある。僕はゆっくりポスターから目を逸らして、店内奥に視線を向けた。

なっ…!!!サインがいっぱいある!!壁一面にバンドマンのサインが施されているなんて某CD屋さんでしか見たことないぞ。すごいすごい!!

店内横の壁一面はプロジェクターに見立てており、ここで流行りのロックバンドのMVを上映している。なんか、これだけでワクワクする。

もしかしたら、安心して、このお店に身を委ねてもいいのかもしれない。

そんな気持ちがフツフツと沸き起こる。

いや、でも、しかし。

店内はいい感じにデコレートされているが、店長は過剰なまでにクレイジーという恐れもある。一体どんな奴なのだろうか。恐る恐る覗いてみた。

えっ……。

なんかわりと普通そうな人やん。

全然チャラくなさそうだし、派手髪でもなければ、永遠とウンチクを垂れそうなヤバイ感じの人でもない。何より、僕みたいな陰キャラでもちゃんとコミュニケーションが取れそうな「自宅的安心感」がある。

いや、しかし、ここで心を許してはダメだ。

見た目はあんな感じでも、口を開いたらとんでもウェイ性を曝け出してくるかもしれない。どんなトラップが待ち構えているか、まだわからない。

ひとまず、席に着こう。

席に着くと、僕は机にあるメニューを広げてみた。意外とラテアートの種類が多い。パンケーキとのセット販売もあるようだ。

どのラテアートも超絶見てみたいんですけど〜〜〜。

しかし、仮にも僕は硬派を気取るアラサーブロガーであり、間違ってもこんなところでテンションを上げてはならない。

その辺のJK二人組なら「めっちゃ種類多くない?」「わかる」「○○もあるやん」「それな」「ってか、壁見てや、○○のサインあるやん!ヤバない!!?????もう無理。死んだ」とか言って、はしゃぐんだろうけど、僕はそんなはしゃぎ方、死んでもしない。

目をキラキラしてしまった段階で、切腹ものである。

熟考すること、およそ10分。

僕「このパンケーキとセットのやつください」
店長「かしこまりました〜」

思う。どうせ言うほど大したことのないクオリティのラテアートが出るんだろ?わかってる。そのときはその旨をブログに書いてやるのだから。

店長「待ってる間、暇でしょ?リクエスト言ってくれたら好きな曲かけますよ」

早速、店長からの牽制である。これで僕の音楽の好みを探ろうというハラなのだろう。

どの時期の音楽が好きなのか、どんなジャンルのバンドが好きなのか、メジャー志向なのかインディー志向なのか。色々と探っているのだろう。

いいだろう。その勝負、受けて立とう。

僕は美容室なんかで同様の質問をされると「それ、知らないです」と言われることを過剰にビビってしまうタチなので、お茶の間を賑わすビッグネームを答えることで、相手の知識量を探りながら次の一手を考えるタイプなのだが、ここは「邦ロックカフェバー」であり、相手はその店長である。

ここはひとつ、かましてみてもいいのかもしれない。

僕「じゃあ、アイスクリームネバーグラウンドかけてください」

見たところ、店長は30代半ば。青春パンクロックにはドハマりしていたかもしれないが、インディーズバンドにはそんなに詳しくないとみた。どうだ、食らいやがれ。

店長「お。INGさん、知ってるんですか?そういえば、彼ら、この前お店にきてくれたんですよ。ほら、あそこにサインしてくれて」

店長、知ってました、INGさんのこと。おまけに来店済みです。しかも、INGさんのことを話してみると、普通に僕より詳しいという。ってか、僕、友達のツイートでこのバンドの名前を知っただけのただのニワカでした、すみません。

でも、バンドの名前を出すことで、そのバンドの話に花を咲かせることができるし、それがひとつのきっかけとなって他のオススメバンドが聞けたりするし、他のお客さんを交えて会話が盛り上がることもあるのだ。

僕もご多分に漏れず、店長と音楽話で盛り上がってしまった。話してみると、店長の音楽的守備範囲は全盛期のイチローばりに広い。

そして、気づく。

あれ、なんか、普通に楽しいぞ、と。

ザ・内向型人間であり、キングオブネット弁慶であり、超絶コミュ障なこの僕が普通に楽しく人とコミュニーケションしている。

いや、ほんとマジでそういう魔力あるんですよ、このお店。

これは店長の人柄がなせる技なのか。はたまた、ロクロラというお店がなせる技なのか。<ロック>という音楽そのものが持つ力のおかげなのか。

そして、待つことおよそ10分。

出てきました、例のモノが。

そして、これ。

はい。まじ、無理、死んだ、の3コンボ。余裕でスマホで激写ですよ、こんなん。食べても普通においしいです。いや、おいしいは言い過ぎた。ぶっちゃけ、味は普通です。圧倒的、普通。

でも、居心地が良いことは確かでした。

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ちなみに……

甘いものが苦手という方も安心してほしい。

このお店はカフェバーであって、お酒も楽しく飲めるのだ。(なんならこっちがメインだったりするので、その辺のBarに負けないくらい、豊富な種類のお酒が置いてある)

友達と一緒にカフェとして利用するも良し、何にも予定のない休みの日に一人でふらっと遊びに寄るも良し、ライブ終わりに寄ってお酒を飲みながら仲間や店長と音楽話に花を咲かせるのも良しなのである。(お店は16時から深夜1時まで営業<休日は14時から開店>)

仕事終わりにそのまま自宅に直帰するのが微妙なときとか、お酒を一杯引っ掛けるのに最適かもしれない。

ところで、せっかくの機会なので、なんでこういうお店を開こうと思ったのか、店長に訊いてみた。(ブログに書く旨も伝えたうえで、お話を聞いています)

インタビュー

僕「なんで『邦ロック』のカフェバーを開こうと思ったんですか?」

店長「昔からインディーズバンドやライブハウスが好きで、フェスブームだけどライブハウスは下火な状態の今、何か今までにない形でライブハウスシーンの応援がしたかったんですよ。それで、お店を開くことにしました」

僕「でも、なんでカフェバーっていう形にしたんですか?他にもやり方は色々あったと思うんですが」

店長「SNSで趣味が合う人と繋がれるけれど、ネット上じゃなくて、実際に会って酒を飲みながら話せる場があったら絶対にいいよなーっていうのがあったんです。それならカフェバーがいいなーって。それなら色んな人が来れるし、交流できる。例えば、仕事結婚などでライブハウスから離れてしまった大人には、昔話で盛り上がってもらいつつ、今のシーンにも興味を持ってもらうことで、ライブハウスに帰ってくるきっかけになったらなーっていうのがありました。また、フェスにしか行ったことがない子であれば、好きなバンドの話で盛り上がりつつ、お店でその子が好きそうなマイナーバンドなんかを薦めてみたりして、それがきっかけでライブハウスに行ってみたい!ってなってくれたら嬉しいなーって。直接話せるから、その人の趣味に合ったバンドも薦めやすいし、未知のライブハウスへの不安解消もできる。そんな風にして、ライブハウスとの交流の場にできれば、という思いでお店を開きました」

僕「なるほど」

店長「また、僕自身が阪神大震災の被災者だったこともあって、昔からボランティア活動をしていたんですね。だから、COMINGKOBEや東北ライブハウス大作戦なんかの支援活動もしていきたいなーって思っています。お店で東北の商品を扱って一部募金したりチャリティーリストバンドを販売したりもしていて。そういう形でも関わりが持てるようにできたら、とは考えています」

僕「もう少し長期的な目でみたときの、今後の目標って何かありますか?」

店長「これからもっと認知を広げて、たくさんのライブ好きの交流ができる場所にしていきたいです。そして、お店に余裕も出てきたらイベントへの協賛や被災地支援にも力を入れていきたいですね」

僕「なるほど…。では最後に、このブログを読んでいる人に向けて、何か言いたいことがありましたらお言葉をください」

店長「僕自身元々陰キャラなので、パリピや常連の身内盛り上がりや、知識が浅いと(好きなバンドの話をするのは)ダメかなーみたいな不安とか、Barって怖くないかなーみたいな、そういう場所の入りにくさなんかもよく分かっているので、初めての人・大人しい人が落ち着いて楽しめる場所を目指して、気軽に来れるようにできるだけハードルを下げれるよう意識しています。ラテ画像が拡散されて若い人が多いイメージがついてますが、店長は今年35歳で、もっと上の方にもたくさん来てもらえたら嬉しいです。ぜひ、遊びにきてください!!」

まとめ

インタビューにもある通り、ロックが好き(詳しくなくても全然大丈夫)なら誰でも大歓迎。

ぼっちであれお友達と一緒であれ、誰でもウェムカムな優しい雰囲気。

良い意味で、お客さんや店長との距離も近く、ライブハウスやDJイベントとまた違う距離感で、ロックやロック好きな人と出会い、交流ができる、そんなお店なのでした。

PS:なお、マジで初来店のときはビビリまくりでしたが、今ではインタビューができるくらいには仲良くなりました!

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