ちんこブラザーズのアルバムレビューとインタビュー
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先日、知り合いからとあるアーティストをオススメされた。
「ぜひ、このアーティストを聴いてくれ。このバンド、死ぬほどヤバイから」。
そう言われて、そのまま音源を渡されたのだった。
ドクロマークとおどろおどろしいフォントであしらわれたアーティスト名。
このCDである。
ビジュアルからそこはかとなく漂ってくるゴリゴリのメタル系のロックバンドの匂い。
ジャケットには「ちんこブラザーズ」という名前がある。
僕は不勉だったので、そのバンドのことは全然知らなかった。正直、聞きなれない名前すぎて、最初「ちんブラ知ってる?」と訊かれたとき、思わず「は???」と答えてしまった。
なぜそんなよくわからんバンドのCDを受け取ったかと言えば、その知り合いは音楽的な目利き(耳利きと言うべきか?)なのだ。
僕も特定の分野においては、彼のセンスに全幅の信頼を寄せている。
UVERworldの魅力を僕に教えてくれたのは彼だし、GEZANとかROACHとかINKTとかの素晴らしさを力説してくれたのも彼だった。
彼が推してくる音楽には、間違いがなかった。
そんな方からオススメされた音源なのだから、絶対に間違いがないと思ったのだ。
バンド名はちょっとアレだけど、ヤバイサウンドを聴かせてくれるんだと思っていたのだ。
何より、Twitterでの評判が信じられないくらいによかった。
これだけファンが付いているのならば、音源は間違いないと思った。
想像しただけで、よだれが垂れそうだった。
で。
CDを託されたその日に、うちに帰ってきて速攻でパソコンに曲を取り込んだ。
こんな気持ちになったのは、BUMP OF CHICKENが長い沈黙を破って、ついに「スノースマイル」をリリースしたとき以来ではないだろうか?
ワクワクが止まらなかった。胸が高鳴った。興奮で武者震いが止まらなかった。イヤホンを耳につけた。再生ボタンを押した。
聴いてみた。
♩♩♩〜〜〜
……は?
すぐさま再生ボタンを止めた。
一瞬、確かに「バンドサウンドのようなもの」が聴こえてきたけれど、その音があまりにもゴミすぎて、逆にビビって再生ボタンを止めてしまったのだ。
え????なんすかアレ????
もう一度、勇気を持って、再生ボタンを押して、聴いてみる。
は????????????
なんすか、このクソ曲!!?????え!!!????????これっすか??????これぇぇぇええ??????
餓鬼○ちょに勧められて、Twitterで絶賛の嵐だったちんこブラザーズのアルバムの音源、これっすかぁ!!!!?????
いやいやいやいやいやいやいやいや。
ゴミですやん、ゴミ。しかも「燃やせる」タイプのゴミじゃなくて、「燃やせない」タイプのゴミ。聴けばそれだけで耳クソが溜まってくるタイプのゴミ。聴ける脱糞じゃないっすか、こんなん。
え???嘘やん??ちゃうやろ??いくらなんでも??
実はディスクを入れ替えていたとかいうオチじゃないっすか?と思って、ディスクをマジマジと眺めてみるけれど、イカツイアー写と、血が垂れたようなフォントで書かれている「ちんこブラザーズ」。
まぎれもない、本物である。
ぐわああぁぁぁぁぁぁああああああああああ。
アルバムの感想
総論。クソ曲でした。
いやね、僕がハードルを上げすぎていた感は確かありますよ。めちゃくちゃに楽しみにしていて、盲目的になっていたフシはあります。よくよく聴けば、5曲目の「How-key」は、確かに悪くはなかったですよ?股間がもぞもぞする心地でしたし。
でも。
あとの曲は控えめに言って、マジでゴミ。
圧倒的にクソ曲です。
基本的に自分のブログの方針として「悪いところにはなるべく目を向けず、その楽曲が持つ良いところに目を向けよう」っていうのを信条としています。
でも、これはダメ。
マジで、ジャケット以外、褒めるところがない。
これなら、まだ黒板に爪で引っ掻く音を聞いている方がまだストレスにならんレベルです。マジうんこ。排泄行為から産み落とされるうんこよりもうんこです。
それが、僕のちんブラに対する、6月までのまぎれもない本音でした。
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本人インタビューの決行
そしたらですよ、餓鬼○ちょから突然TwitterでDMがきて、今度、ロクロラにちんブラ来るんで、インタビューしてくださいよ、との連絡。
それを聞いて、内心、ブチギレモードですよ、僕は。あんなクソ曲聴かされて、次はインタビュー????は?????っていうテンションです。
とはいえ、根暗系腹黒戦士であり、言いたいことの1/3も言えない陰キャラダメンズウォーカーの僕は、少し間を置いて、ただの一言。
「ま、いいですよ」
言い訳をすれば、確かに興味はあったのだ。こんなクソ曲を生み出すバンドが、どんな哲学を持って曲を作り、ライブをしているのか、と。
インタビューで、奴らが被っている皮をベラベラにめくってやろうと思ったのだ。ちんこなだけに。
インタビュー
※ちんブラのドラムのきよしさんにインタビューをしました。その模様をご覧ください。
■なぜ、こんなコンセプトのCD出したんですか?
きよし:今回のアルバムのコンセプトとしては「後悔」なんだよね。だからメンバーそれぞれの失恋や苦い思い出を曲にしたんだ。ワールドツアーが始まったのと同じタイミングで作り始めた感じかな。
■けっこう過激なタイトルが多いですよね?その理由は何ですか?
きよし:やはり曲を作った時のインスピレーションを大事にした結果かな。メンバーが各々違う「後悔」を持ってて、その後悔をした自分に対しての「怒り」。それがそのままタイトルになってる感じかな。
■実は僕、失礼ながら初めてこのCDを聞いたときはクソだと思ってしまって。それも含めて狙いってことですか?
きよし:そうだね。今回のテーマが「後悔」。それをファンの皆にも共有させたかったんだ。俺達ぐらいになると、どんな曲を出してもファンは褒めてくれる。「3ヶ月かけて作った曲」も「5分ぐらいで作った曲」も同じぐらい褒めてくれるんだ。それってちゃんと聴いてる?って不意に思ったんだよね。だから俺等は「たまには糞みたいな曲も出すんだぜ」って所を見せたかったんだ。それと同時に買った事を「後悔」させたくて。「後悔」っていう経験を得たら、人間として成長出来るでしょ?
■ところで、キヨシさんは体調を崩されて、ちょこロックフェスも辞退されたということなんですが、お身体は大丈夫なんですか?
きよし:まだちょっと風邪っぽいかな。熱はないんだけどね。睡眠時間も毎日8時間しか取れてないし。最近はタピオカしか口にしてないよ。体重5kg増えたかな。
■今後の活動について、何かあればお願いします。
きよし:今後も海外での活動は多めになると思うんだけど、日本でのLIVEもちょくちょく増やしていく予定かな。やはり俺達のルーツは日本だし。日本のことを嫌いになったわけじゃないんだ。世界は僕たちが思っているよりずっと小さいし、ちょっと行ってくる感覚かな。自動販売機にジュース買いに行ったような、そういう感じ。
ロキ中:そうなんですね。今後の活躍に期待しています。
まとめ
確かにちんブラの楽曲はクソだった。しかし、これだけはきちんと言っておきたい。
会ってみると、すんげえ良い奴だったよ、と。
それだけは言いたいし、楽曲について語る彼の目は「本物」だった。
音楽に突き動かされ、音楽とともに殉死しようとしている、音楽好きにしか宿らない「キラキラした眼」をしていた。
彼の、音楽愛は本物だったのだ。それだけはきちんと、伝えておきたいなーと思う。
まあ、楽曲はクソでしたが。
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