BE:FIRSTの「Mainstream」、ちょっといつものBE:FIRSTと違う件
自分は比較的、BE:FIRSTの新譜は丁寧に追ってきたつもりである。
BE:FIRSTが世の中に新作が投じるとわりと即座にその作品を聴いてきたし、時にはブログ上でその感想を残してきた。
なぜなら、毎回、その新曲にドキドキさせられてきたからだ。
良いなあと思う理由をついつい言葉にしたくなる魅力が、どの楽曲にも宿っていたからだ。
そして、どの楽曲も聴くたびに、最終的にこう思うのだ。
BE:FIRSTは常に進化しているななあ、と。
だからこそ、ここからどんどん地平が広げていく心地がしていた。
・・・と思っている中で次に発表された新曲のタイトルが「Mainstream」だと聞いて、色んな意味でびっくりした。
だって、こんなタイトルにしたら自ずと楽曲を聞く前のハードルも上がってしまうからだ。
でも、BE:FIRSTであれば、その期待に応える予感も確かにあった。
「Mainstream」は一体どれだけバチバチになっているんだろうと思い、楽しみで仕方がなかったのだった。
で、聴いた直後の感想が今になるんだけど・・・。
端的に感想をまとめてみたいと思う。
バチバチ具合が想像を超えていた。
BE:FIRSTの「Mainstream」の話
というのも、一言で言うと、BE:FIRSTのモードがはっきり変わった印象を受けたのだった。
これまで聴いてきたBE:FIRSTの音楽と、手触りが違っていたのだ。
これは、音楽を構成するレベてにおいて言える話だった。
歌詞、メロディー、ボーカル、アレンジの雰囲気・・・。
そのどれもが、これまでのバチバチを超える、非常にバチバチの仕上がりだったのだ。
イントロから、そのことをひしひしと感じさせてくれる。
音数を少なめで構成されるイントロのアレンジ。
声ネタを巧みに使いながら、それをサウンドに変化させていく構成。
そこから小刻みに刻まれるビートの上。
疾走感をもってBE:FIRSTがラップしていくのだ。
鳴っている音だけ捉えると、わりとシンプルな構成なはずなのに、どんなサウンドの楽曲よりも厚みを感じる歌になっているのだ。
その感じが、明確にMainstreamを狙う、そういう躍動にも感じた。
なんというか、今までは届く人にだけ届けばいい感じが音楽のどこかにあった印象もあった。
というか、楽曲の緩やかなポップの匂いがあって、それはつまるところメインの土壌が別にあって、その土壌に目配せをしつつバランスのとった音楽構成をしている・・・そんな印象もあったのだった。
でも、今作は違う。
もっと実直に自分たちの表現をストレートに行っている。
それが、結果としてこういうアレンジで、こういうテイストの楽曲を生み出したのかな、と思うのだ。
バランスを取るのではなく、「俺たちがやっていることがMainstreamだぜ」という温度感で、そのフィールドに招き込むような、そういう迫力を覚えるのだ。
もしかすると、今作はSKY-HIが一人で作品を作るときの「気合いが入った時のビートメイク」感があるから、そう感じる部分もあるのかもしれない。
でも、本当に言葉が真っ直ぐに届くのだ。
どんどんその音楽に感化される心地を覚えるのだ。
こういうアレンジ、こういうビートメイクをMainstreamというタイトルでもって、歌うからこそなのかな、と思う。
また、とにかく歌詞がストレートで、SKY-HIの想いを全てぶち込んだような歌詞であるところも強い。
・・・というのもあるし、この歌詞をBE:FIRSTが歌うからこそ、よりそういう迫力を感じるのかもしれない。
というのも、オラオラ感がある歌詞ではあるのだが、この歌詞が楽曲からまったく浮いていないのがポイントなのだ。
BE:FIRSTの表現力が、この歌詞を”地に足ついたもの”にしている心地を覚える。
BE:FIRSTが”上手い”だけではなく、どんどんボーカルの表現力を鮮やかにしてきたからこそ、たどり着いた境地であるように思う。
歌のパートもラップのパートも、常に言葉が響くようにメロディーが飛んでくるのだ。
だからこそ、各所のキラーフレーズが耳に鋭くとんでくるし、タイトルのMainstreamが象徴的に浮かび上がってくるのだ。
まとめに替えて
まとめると、タイトルに書いてある通り、ちょっとこれまでのBE:FIRSTと違うモードを感じさせてくれる、というそういう話。
まだ「Mainstream」を聴いていない人は、ぜひこのタイミングで聞いてみて欲しいなあと切に願う。
関連記事:BE:FIRSTの「Shining One」に度肝を抜かれている話