BE:FIRSTの「Boom Boom Back」を聴いてみた件
アーティストのキャリアが長くなってくると、そのアーティストの型ってだんだん見えてくる。
なので、新譜を聴くと、「ああ、なるほどね、今回はこの時の楽曲のこのタイプの型できたのね」という身構え方をしがちだ。
最初は、新しいぞ!!!!このアーティスト!!!!と絶賛していたのに、いつの間にか、同じタイプの音楽しか作らん、みたいなことを嘯くこともある。
失礼な話だなーと思うし、あまり作品を単純な枠に当てはめてしまうのはよくないとは思う。
んだが、どうしても世に出された作品が多くなってくると、過去の作品を参照しながら作品の”色”を見てしまうというのは、あると思うのだ。
だから、少しずつそのアーティストが持つ「尖った部分」が、自分にとっては「いつものパターン」に見えてしまうことも起こってしまう。
どんな事柄でも”慣れる”というのは、確かにある。
良くも悪くも、そういうものだと割り切っている部分もある。
ただ。
勝手ながらに、そういう風に自分が構えようとして新譜を聴いてみたら、綺麗にそんな見立てをぶっ壊してくるアーティストというのも、確かに存在している。
BE:FIRSTもまた、そういうアーティストのひとつだと思う。
「Boom Boom Back」を聴いていると、そんなことを改めてそう思ったのだった。
まったくもって新しい、という言葉で形容する感じではないけれど、今までのどの楽曲とも違う型をもった楽曲であるように感じたのだ。(これは、アーティストが根っこの魅力は通底したものがあるけれど、楽曲としてはまったく新しいものに感じたからこその感想だったのだと思う)
そこで、この記事ではBE:FIRSTの「Boom Boom Back」の話をしたいと思う。
BE:FIRSTの「Boom Boom Back」
聴いて最初に感じたのは「あ、新しいBE:FIRSTに出会ったぞ」というシンプルな感想だった。
もちろん、ダンスグループとしてのクオリティーの高さ、という意味では過去の楽曲とブレるところはひとつもない。
そういう意味ではBE:FIRSTの”いつも通り”とも言える。
ただ、音楽を聴いたときに感じた、かっこよさに基づく衝動が、これまでの楽曲と違っていたのである。
これを言語化するのは、少し難しい。
ただ、少し楽曲に寄せて言葉にするならば、今までとは違う音使いとかリズムの組み立て方とかメロディーラインとかで構築している印象を受けたので、これまでとは違うかっこよさを感じるに至ったのである。
例えば、「Boom Boom Back」って、今までの楽曲とは違う盛り上がり方をする構成になっており、その構成に基づいて、美しく歌を歌い、ダンスを踊りこなしているように感じたのである。
楽曲におけるサビの置き方なんかでも、そのことを感じた。
サビの入り方とサビの終わり方が、すごくナチュラルなのだ。
なんというか、普通のサビってここが歌の一番の聴きどころですよ!!!!ってなりがちだ。
カレーライスでいうところのカレールーだし、すき焼きでいうところの牛肉的なポジションだから、そうなるのが普通である。
でも、「Boom Boom Back」って、そういう感じがないのだ。
最初のAメロだって自信をもって披露してますよ感がある。
どうよ?サビもいいけど、ラップのパートだってかっこいいでしょ?どうよ???感がある。
そんな感じがするのだ。
カレーライスで言えば、脇にあった福神漬けがカレールーをある種超える存在感になっていたし、すき焼きで言えばネギと肉を一緒に食ったときのハーモニーがヤバかった・・・みたいな感じなのだ。
楽曲って押し引きを明確にしている。
その結果、サビをもっとも印象深くしていき、そこありきで丁寧に構成するケースが多い。
でも、「Boom Boom Back」は、そういうテンションではない感じがする。
別に全部かっこよくてよくね???的な、ある種の最強感を自分は感じてしまったのだ。
全編が完全なるハイライト。
一秒でも油断してはいけない魅力に包まれた歌になっている心地がしたのだ。
あと、わりとテンポで言えば、けっこう「Boom Boom Back」てゆったりとしているように思うんだけど、聴き心地としてはすごくアッパーなのである。
きっとライブで聴いたら、うっとり聴くというよりはアガる感じになると思うのだ。
その辺りの絶妙な”突き方”も「Boom Boom Back」に感じる新しさのひとつなのかもしれないなーとふと思う。
まとめに替えて
これって、多人数で構成されて、各々が得意分野を持ち合わせているBE:FIRSTというグループだからこそ、とも言えるのかもしれない。
だから、どこまでもかっこいいし、細部にも宿るかっこよさが際立っているのかなーと
魅せ方と言えるのかもしれない。
・・・・といったことを踏まえた結果が、冒頭の話に繋がってくる。
自分の持つ安易な見立てをぶち壊してくれることになったのである。
BE:FIRSTの凄まじさをひしひしと感じている、そんな1日。
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