2025年下半期個人的ベストソングランキング

早いもので、2025年も終わりを迎えようとしている。そこで、上半期に引き続き下半期も、個人的にぐっときた楽曲をランキング形式で紹介していきたい。

ちなみに、2025年の上半期のベストソングの上位10曲は、こちらだった。

1位:サカナクション 「怪獣」
2位:星野源 「Eureka」
3位:三浦大知 「Polytope」
4位:Hakubi 「もう一つの世界 (Alt. ver.)」
5位:君島大空 「WEYK」
6位:藤井風 「Hachikō」
7位:でかくてまるい。 「ラブソング」
8位:明くる夜の羊 「涙の隣」
9位:THE ORAL CIGARETTES 「DIKIDANDAN」
10位:Aぇ! group 「咆哮」
11位:ORCALAND 「チャーハン・ナイト」
12位:米津玄師 「Plazma」
13位:NOMELON NOLEMON 「ミッドナイト・リフレクション」
14位:前髪ぱっつん少年 「でっす・ぽっぷ!」
15位:名誉伝説 「共犯者」
16位:パスピエ 「電影想像少女」
17位:muque 「The 1」
18位:chef’s 「ブランニュース」
19位:First Love is Never Returned 「僕らの行進曲」
20位:HALVES 「センカ」

関連記事:2025年上半期個人的ベストソングランキング

なお、ランキングと言いながらも色んなジャンルを横断して語りたい性分上、複数の軸を入れ込みながらランキングを作っている。

そのため、あの曲が入ってるのにあの曲が入っていないなんて…という事例もあると思うが、あくまでも個人的な趣向の結果と楽しんでもらえたらと思う。

では、どうぞ。

2025年下半期 個人的ベストソングランキング:20位〜11位

20位 A.B.C-Z「NO MORE YOU」

グループの新たな魅力を引き出した一曲。これまでとは違う大人のアプローチで、一聴するだけで沼る構造。懐かしさのあるポップテイスト、リバイバルの風味を感じるサウンドテイク。メロディの美しさがとにかく心に響く。

19位 セブンス・ベガ「東京ラブストーリー (2025 ver.)」

良い意味で歌謡曲的な装いがある。シティーポップにも接続できるような全体の色合いと洒脱なギターのカッティング、感情豊かなボーカルの温度感の組み合わせが絶妙。懐かしさと新しさが絶妙にブレンドされており、新たな東京を舞台にした名曲が誕生した予感。

18位 Trooper Salute「野菜生活」

聴いた瞬間にハマるやつはどこまでもハマるやつだよ!と感じてしまう瑞々しさ。熟達したこだわりにユーモアをまぶせて、新境地を提示させてみせる。ボーカルの存在感も大きな魅力だが、楽器隊のリズムアプローチがアイデアに溢れているのも魅力のひとつ。圧倒的な次世代感。

17位 Quw「qinnan」

透き通っている歌とサウンドで構成された独自の音世界。淡々としているように見せながら、楽曲の展開は豊富で、どんどん歌の世界に引きずり込まれる心地がたまらない。子守の歌のように優しいのに、アトラクションのようなワクワクさもあるという二重構造。

16位 ExWHYZ「リグレット」

このモードのExWHYZ、とても好きだぞ、と感じたスタイリッシュな展開の歌。冒頭のイントロを聴くだけでもワクワクする、そんな高揚感。イントロのサウンドが中盤でもう一回登場する流れなのが、特に好き。あと、グループとしてのボーカルの強さと、それぞれの歌声がスポットが当たるサビの歌割りも良い。

15位 バウンダリー「沼。」

タイトル通り、一度聴いたらハマる中毒性。リズムトラックの計算された組み立て方が良い。ハンドクラップ入れるタイミングも、サビで裏打ちを効果的に使う感じも含めて。メロとサビの間の使い方も絶妙。バウンダリーの新境地感がある一方で、バウンダリーだからこそのある種の人懐っこさがある感じなのも好き。

14位 ざらばんし「SELF」

冒頭のイントロのギターの音色が好きすぎる。粛々としているんだけど、壮大に歌の世界が広がっていく感じというか。あと、こういう低音寄りのボーカルがストレートにギターロックをやるというのがそもそも個人的なツボだし、歌のメロディーすべてが耳に残るキャッチーさをもっているのも良い。

13位 藤井風「Prema」

端的に言って、歌が上手すぎる。心地よすぎる。耳から聴ける快楽とはこのことだ!と言わんばかりの気持ちよさ。ポップスを超越した感じ。あと、藤井風ってナチュラルかつ自然体でメロディーを紡ぐんだけど、全方位バキバキでレベルが高い点が素晴らしい。ボーカルってここまで自由でいられるんだと感じる歌でもある。

12位 yonige「strattera」

エッジのある鋭いアンサンブルがとにかくかっこいい。かきーんって音が聴こえてきそうなほどの張り詰めたロックサウンドで、怒涛のごとくにせめたてる。「自分たちはこういう音がかっこいいと思っている」がきちんと見えるサウンドメイクである気がするし、このかっこいいが映える構成とボーカルだよな、とも思う。

11位 秋山黄色「ブランコ」

赤裸々な言葉で紡った渾身のミディアムナンバー。消え入りそうなくらいに繊細なシーンと、ぶち壊すくらいに激しいシーンが共存しているからこそ、どこまでも楽曲がドラマチックに響く。っていうのと、こういうメロディーに秋山黄色の伸びやかな声がとにかく合う。聴けば聴くほどに歌の良さに気づく。

ここまでの所感

いやねーこの時点で良い歌しかない。まあ、自分が好きな歌しか選んでいないんだから当然なんだけど。とはいえ、どうせなら去年選んでいないアーティストから優先的に選びたいという自分の欲があって、ニューカマを並べている感はちょいあるけれど。

それでも、自分のベストソングの常連である藤井風や秋山黄色は外せなかった。藤井風はボーカルの卓越具合がやっぱり群を抜いていると思う。秋山黄色の「ブランコ」は渾身という言葉が似合う強さのあるミディアムナンバーで、ライブで観た思い入れも含め、絶対にベストソングに入れたいとなって、この位置に入れたのだった。

2025年下半期 個人的ベストソングランキング:10位〜4位

10位 IO「Spotlight (feat. Kohjiya & Tete) [Remix]」

KohjiyaとTeteのフロウが加わり、より華やかでダンサブルに進化した作品。それぞれの相性は抜群で、チルった空気感の中で紡がれる心地よいグルーヴと静かな高揚感がたまらない。ラップって色んなテイストの楽曲が存在しているけれど、今の自分のモードだとこういう空気感で紡がれるタイプが、よりツボだったという話。

9位 ELLEGARDEN「カーマイン」

熟達したバンドだからこそたどり着くどっしり感がサウンドから漂いしつつ、BPM以上にアッパーさを感じさせる、独特の疾走感がたまらない歌。かつ、どこか哀愁感もあって、ただアッパーなだけじゃなくて、歌としての美しさもじんわりと感じられるのが、特に好き。

8位 Number_i「ピンクストロベリーチョコレートフライデー」

平野紫耀プロデュースのソロ楽曲なんだけど、このタイプのラップが好きすぎる自分はNumber_iの色んな楽曲を差し置いて、こちらをランクインさせることに。甘いタイトルとは裏腹に展開される、洗練されたビートと都会的なグルーヴが絶品。クールなボーカルながらも、フレーズごとの変化を随所に感じられた表現力の深さが光っているのも特徴。

7位 NEE「熱暴走」

バンド全員が総力を上げて、圧倒的な爆発力を作り上げる、今のNEEの音楽が好きすぎる。どこを切り取っても中毒的なリフやビートのオンパレード。ボーカルも入れ替わりも巧みで、歌が持つ温度がどんどん上昇する流れなのが良い。Aメロ→Bメロ→サビという歌の流れの面白さ的とサウンドの爆発力として、2025年に一番惹かれたのはこの歌かもしれない。

6位 米津玄師 & 宇多田ヒカル「JANE DOE」

劇場版『チェンソーマン レゼ篇』EDテーマ。米津玄師の描く退廃的な美しさと、宇多田ヒカルの包容力ある歌声が奇跡の融合を果たしている。映画は観れていないんだけど、マジで映画とのシンクロ具合、エグいんだろうなあとなんとなく想像できる構成力。音、歌ともに、上質な美学で研ぎ澄まされた隙のない一作。

5位 雪国「シオン」

透明感のあるサウンドと吐息のように優しく響くボーカルが印象的。サウンドだけで、これほどまでに「絵」が書けるのかと驚いた作品でもある。本当に丁寧に時間を使って、音を積み上げていくような構成なので、じんわりと確実に歌の世界に誘われる感動があるのだ。

4位 NIKO NIKO TAN TAN「ミラクル」

NIKO NIKO TAN TANの歌はどれも毎回好きなんだけど、それでも一歩超えたレベルでこの歌のメロディーだったり、音が作る世界観が好きだった次第。ミックスされたアンサンブルが自分のツボだったり、繊細な歌メロでもあるのに、スタイリッシュな音像でもあるという組み合わせが絶妙だったのかなーという振り返り。

ここまでの所感

いや、もうね。この辺りに入ってくる楽曲はどれを1位にしてもいいんだけど、っていう思い入れが強い。だけど、記事のコンセプト上、今回はそのうえでも自分なりの軸をもってランキングをつけたのだった。

そのうえで、思うのは今年も米津玄師は圧巻すぎるし、雪国との出会いは神だったし、インディーズ・メジャー関係なく、どこまでも定期的に面白い音楽が誕生したなーという感触が残っている。

そんなこんなで、最後にTOP3の楽曲をみてみよう、どうぞ。

2025年下半期 個人的ベストソングランキング:3位〜1位

3位 星野源「いきどまり」

星野源らしい視点で日常あるいは感情を切り取った楽曲。ネガティブさの中にありながらも、そういう極地だからこそ見えることができるポジティブさも歌詞の中に内包されている塩梅が好き。あと、シンプルな鍵盤のサウンドの中で、溢れ出た感情をボーカルに乗せているように聴こえる星野源のボーカルが素晴らしい。色んなポップスが2025年に誕生したけれど、素朴なのにどこまでも深くて、諦念も見えるのに希望も見出すことができるような不思議な手触りのこの歌は、自分にとって、ひとつ特別な歌と感じることになったのだった。

2位 muque「Dancing in my bad life (feat. CLAN QUEEN)」

muqueが盟友CLAN QUEENを迎えて、作り上げた重厚かつ壮大なロックナンバー。とにかくサウンドのスケールの大きさがたまらなく、muqueの全アプローチがバチバチなのに、それに応えるCLAN QUEENもどこまでもバチバチなのが良い。1番と2番のコントラスト。そして、2番の「チェンジ」したパートが終わった後で、サビに変わった瞬間に、あの「やってきた」感。マジでクライマックスが至るところであって、最初から最後まで興奮しっぱなしなのが素晴らしい。「僕ら作る時代を今」という歌詞が、これほどまでに説得力がある歌、そうはないと感じる、そんな傑作。

1位 Enfants「星の下」

俺が好きなギターロックは、こういうものだった。そんなことを改めて感じさせてくれたのが、Enfantsの「星の下」。松本大の力強いロングトーンと轟音ギターと丁寧なビートメイクで包み込む。爆発的な力があるのに、繊細な美しさも持ち合わせたバンドアンサンブルがたまらないし、それ以上に軸となるボーカルと歌詞が素晴らしい。この熱の入ったボーカルで、この歌詞を歌うからこその感動があると思うし、必要な音だけで歌の世界を構築しているからこそ、熱の通った激しくて優しいボーカルがすっと胸に届くのだ。ちなみに、自分は「どこまでも続く 絶望」と歌いながらも、「死にたいと生きていたいが同じ居場所」と言い切ってみせる流れが好きすぎて。「醜い」と「美しい」を共存させる歌のバランスがすごく納得できる歌の構成の中で、「星の下」という色んな解釈ができるタイトルに接続させてみせる言葉選びが好きすぎて。まあ、要はこういうギターロックがあまりにも自分のツボで、なんとなくだけど、歌が持つネガティブとポジティブの波長が、自分の持っている波長とシンクロしている気がして、どこまでも好きになってしまったという、そんな感じ。

まとめに代えて

ということで、2025年下半期の個人的なベストソングとして下記20曲を選んでみた。

1位 Enfants「星の下」
2位 muque「Dancing in my bad life (feat. CLAN QUEEN)」
3位 星野源「いきどまり」
4位 NIKO NIKO TAN TAN「ミラクル」
5位 雪国「シオン」
6位 米津玄師 & 宇多田ヒカル「JANE DOE」
7位 NEE「熱暴走」
8位 Number_i「ピンクストロベリーチョコレートフライデー」
9位 ELLEGARDEN「カーマイン」
10位 IO「Spotlight (feat. Kohjiya & Tete) [Remix]」
11位 秋山黄色「ブランコ」
12位 yonige「strattera」
13位 藤井風「Prema」
14位 ざらばんし「SELF」
15位 バウンダリー「沼。」
16位 ExWHYZ「リグレット」
17位 Quw「qinnan」
18位 Trooper Salute「野菜生活」
19位 セブンス・ベガ「東京ラブストーリー (2025 ver.)」
20位 A.B.C-Z「NO MORE YOU」

マジで色んな軸がせめぎ合って、ランキングとして好きな楽曲を組み直すことに四苦八苦した。でも、色々考えた結果、自分の中でランキングにするならこの並びが腑に落ちたので、こちらでもって提出したい。

2025年の下半期のベストソング第一位は、Enfants「星の下」。

「言葉」という部分で個人的に一番ぐっときたからというのがあるのと、自分のバンドの音楽の好きの原点がこの歌に詰まっている気がしたから。

気がついたら色んな音楽が好きになったけれど、中学生だった自分が一番好きなバンドの音楽に通ずる「暗さ」「明るさ」があったのだった。

だから色んな軸で好きな音楽を選ぶ中で、自分はこの歌をベストにすることが一番しっくりきたという話。

なーんて言いながらも、本当に2025年下半期も素晴らしい楽曲たちに出会えた。この記事では紹介できていないけど、好きな楽曲はまだまだたくさんあって。でも、好きな曲100選とかにするのは微妙だと思っている自分は、脳内選定の果てに、このようなランキングを発表させてもらった次第。

音楽シーンはどんどん多様化していて、新しい才能が次々と現れてくる。来年はどんな音楽に出会えるのか、今から楽しみでしょうがない。

もしよかったら、この記事を読んでくれているあなたも、2025年の音楽の振り返りの一つとして、当ブログのプレイリストもまたみてみてほしい。

では、今回はこの辺で!