Da-iCEの『REVERSi』から感じる白黒を超越した多面性
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先日、ベストアルバムの記事を上梓した。
関連記事:2022年2月、バンド・アーティストの個人的なベストアルバム5選
実は、この記事、<アルバム>と銘打ちながらも、基本的にはフルアルバムをメインに選出するようにしているのだ。
そのため、epに関しては<良いなあ>と思っていも、わりとスルーすることが多い。
・・・んだけど、2月が終わろうとしている中で思うのは、epで良いなあと思う作品が今月、いくつかあったんだよなあということ。
その中のひとつが、Da-iCEの初となるep『REVERSi』であった。
そこで、この記事では『REVERSi』の感想を書いてみたい。
本編
コンセプト・アルバムとしての言葉の強さ
『REVERSi』は、通底されたコンセプトが敷かれたアルバムである。
コンセプトはアルバムのタイトルに込められている。
というのも、REVERSiは、いわゆるオセロの意味する言葉である。
で、このアルバムのコンセプトはアルバムのタイトル同様、<白黒つける>というものなのだ。
このコンセプトどおりに、一曲目の「DOSE」から<白黒つける>に対するワードが随所に散りばめられている。
<それじゃ世界は白も黒も無いまま>というフレーズが何よりも印象的だ。
以降も、そのコンセプトを踏まえたメッセージが浮き彫りになるように、言葉が配置されている。
この流れは以降の楽曲でも引き継がれている。
2曲目の「Clap and Clap」では、グレーというワードやモノクロというワードが使われており、アルバムのコンセプトに沿う形でメッセージを紡いでいることがわかる。
ラストの楽曲になる「Kartell」では、色にまつわるワードは入っていないものの、アルバムのコンセプトである<白黒つける>に沿わせた内容になっている。
そう。
見事なまでに、ep全体を通じて、コンセプト的にメッセージを重ねていることがわかる。
それこそ<白黒つける>アルバムになっているわけだ。
もちろん、これ、一人の作家が作詞作曲をしているなら、こういう作り方もよくあるとは思う。
だが、Da-iCEの『REVERSi』は楽曲ごとに作詞者が異なるのだ。
ここが特徴だと思っていて。
楽曲ごとに作詞作曲が異なる中、ep全体としては一本軸で作品を構成しているわけだ。
これが見事だと思う。
なにより、こういう形で作品をまとめあげることができたのは、Da-iCEの表現力が豊かだからこそのように感じる。
工藤大輝、花村想太それぞれのソングライティングが然るべき形で炸裂しているからこそだし、それぞれの楽曲を魅力的に形で表現していくDa-iCEがいるからこその聴き心地であるように思うわけだ。
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色合いの異なる楽曲たち
Da-iCEの魅力って二人のボーカルの表現力の高さと、ダンスのレベルの高さ、そしてソングライティングの精密さにあると思っている。
ただ、この記事では『REVERSi』を<聴いた>うえでの感想に注力したいので、ダンスの要素はあまり触れていない。
そのことを許してほしい。
でも、それほどまでにDa-iCEの音楽って、聴く楽しみが強いよなーと実感したわけでもあるのだ。
「Clap and Clap」のようなリズミカルな歌が存在感を示すなーと思っていたら、「Promise」のような聴かせるタイプのミディアムナンバーが感動的に響き渡ったりする。
コンセプトの軸がしっかりしている作品である一方、魅力の違う楽曲が丁寧に配置されているから、揺さぶりをかけるように音楽世界を楽しむことができるのだ。
故に、甲乙のつけがたい満足度を得ることになる・・・!
で。
作品全体を聴き終えて言えるのは、Da-iCEの音楽的な魅力って、実に多面的なんだなあ、ということ。
それこそ、ダイスの面のように、楽曲ごとに違った面を提示している。
そういう破壊力がある。
なお個人的には、佐藤千亜妃が作詞作曲を手掛けた「NIGHT OWL」が好きで。
アーバンな空気感があるサウンドの中、色気ある歌声でメロディーを紡ぐボーカルに惹き込まれてしまうのである。
ボーカルとしての表現力が高いDa-iCEだからこその、洒脱な世界観に惹き込まれてしまう自分がいる。
まとめ
思えば、『REVERSi』に収録されている楽曲は、どれもカラーが違う。
アッパーな楽曲でノリノリにさせた方思えば、圧倒的な歌唱力で聴かせてしまう歌もあるわけだ。
どの歌にも違うフックがある。
なにより一曲を部分的に聴いても楽しいし、ep全体の作品性を楽しむことができるのが秀逸だなーと思うわけだ。
なんにしても。
9曲という楽曲の中でも、Da-iCEがいかに多面的な魅力を持っているグループであるかが、よくわかるわけだ。
つまりは、Da-iCEの魅力って、一面的に語ることが難しく、触れれば触れるほどに広がっていく。
『REVERSi』という作品を通じて、そのことを強く感じたのがトータル的な自分の感想だったりする次第。
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