back number 「クリスマスソング」 歌詞の意味は?

back numberの「クリスマスソング」の歌詞について考えてみたい。

作詞:清水依与吏
作曲:清水依与吏

楽曲「クリスマスソング」について

「クリスマスソング」は、back numberが2015年にリリースしたシングルで、フジテレビ系ドラマ『5→9〜私に恋したお坊さん〜』の主題歌として一気に世間に広まった一曲。

冬の定番ソングとして、毎年12月になると今でも繰り返し流れる王道ラブソングである。

清水依与吏ならではの、不器用な男目線の片想いの心情が、必要な情報だけを過不足なく伝える歌詞で描かれている。

ここからは、その歌詞をパートごとに分解しながら、「クリスマスソング」の魅力を紐解いていきたい。

back number「クリスマスソング」の歌詞の意味と解釈

「どこかで鐘が鳴って〜なんで恋なんかしてんだろう」の意味とは?

どこかで鐘が鳴って〜なんで恋なんかしてんだろう

鐘が鳴る場所ということは、教会の近くだろうか。

この表現により「らしくない言葉」というのが、ストレートな告白の言葉であることが理解できるようになる。

しかも、らしくないということは、普段は告白なんてする人間ではないのだろう。

控えめな人物像が浮かぶ。

また、この主人公が誰とも付き合ってはいないことが「あれ、なんで恋なんかしてんだろう」というフレーズでわかる。

以上のように、最初のフレーズだけで、主人公の人となりと現在の状況を、この歌で必要な分はしっかりと説明しているのである。

これはすごい。

必要な情報だけ速やかに伝えるからこそ、感情移入しやすい土台を作ることができているわけだ。

この秀逸さは歌詞を書くものであれば、誰もが見習う必要があるように思う。

「聖夜だなんだと〜街のせいかな」の意味とは?

聖夜だなんだと〜街のせいかな

ここでタイトル回収を行う。

このフレーズでも具体的な気持ちは述べていないのに、色々なことがわかる。

いまのところ聖夜に君と予定があるわけではないこと、でも聖夜に君とデートしたいと思っていることなどなど。

思いを述べる以上に雄弁に思いを語っているわけだ。

サビ「君が好きだ」の素直さの意味とは?

会いたいと思う回数が〜君が好きだ

ここは少し語りすぎている気がするけど、サビはわかりやすくてナンボという気もするので、Aメロから重ねてきた言葉のまとめ、結論がこのサビで提示されているのである。

あと、サビで散々ながながと語っておきながら、短くするよ、と唐突に言い訳じみた言葉を述べるのは、少しもどかしく感じてしまう。

「君が好きだ」はもうわかってるんだから、もう一発ぐっとくるフレーズもってこいよと思ってしまうのは、俺の歪みが原因だろうか。

だって、その気持ちはAメロからもうわかってたやん、という話である。

まあいい。

歌詞の続きをみてみよう。

「はしゃぐ恋人達は〜羨ましくなんてないけど」の意味とは?

はしゃぐ恋人達は〜羨ましくなんてないけど

びっくりするくらい素直に羨ましいと述べている。

人前でトナカイのツノを生やしているカップルがいるって、この人、今どこにいるんだろうかって思ってしまうが、要は楽しそうにしているカップルばっかりが目に付いちゃうね、という話である。

「君が喜ぶプレゼントって〜ものってなんだろう」の意味とは?

君が喜ぶプレゼントって〜ものってなんだろう

プレゼントのことを考える前に、まずは好きという気持ちを伝えたらどうだろう、と思ってしまうのは気が早いだろうか。

まあ、クリスマスにデートするならプレゼントあげたいなあ、って話だとは思うが。

「大好きだと言った返事が〜見上げてるんだ」の意味とは?

大好きだと言った返事が〜見上げてるんだ

気持ちを伝えたけど、振られたということだろうか。

で、思ってたのと違った返事が返ってきたということだろうか(要は振られたということだろうか)。

であれば、いったん距離を置いたほうがいいのかもしれない。

気持ちを押しつけ続ければ、相手の負担にもなりうる。

まして、相手に恋人なり好きな人がいるならなおさらだ、と言いたくなるあたり、僕はバクナンの歌詞があまり向いていないなーと思ってしまう。

けれど、メロディーの高揚とともに思いがピークに達するフレーズを突きつけ、聴き手の感情を揺さぶる手法は流石というほかない。

よく計算されているなあと思う。

「あの時君に〜自分が次から次に」の意味とは?

あの時君に〜自分が次から次に

自分も知らなかった自分と言えちゃうくらい、恋をすれば人が変わる。

君のことをどれほど想ってるのかよくわかるとともに、バクナンの歌詞は、こういうフレーズにエモさを感じる人に強く届くように思える。

この徹底さが潔い。

僕みたいに文句を垂れがちな聴き手は、最初から相手にしていないような潔さがあるわけだ。

ここまで徹底しているからこそ、若いリスナーにも強く支持されるのだろう。

大事なことは、誰に伝えるかを明確にすること。

自己表現だけでなく、ある層のリスナーにきっちり届く言葉選びを大事にしているように見える。

この辺りは西野カナにも通底した、ある意味職人カタギな考えで歌詞を書いているように思う。

ラスト「会いたいと毎日思ってて〜君が好きだ」の意味とは?

会いたいと毎日思ってて〜君が好きだ

でも、「聞こえるまで何度でも好き」という感情の強さは、相手の気持ち次第では重たく響くこともある。

その危うさまで含めて、この曲の切実さなのだろう。

back number「クリスマスソング」が描いているものは?

つまり「クリスマスソング」は、自分の気持ちをうまく言葉にできない、不器用な主人公の片想いを、これでもかというほど誠実に綴った楽曲だ。

こちらがツッコミを入れたくなるほどに、まっすぐで、ややくどい。

でも、そのくどさこそが、片想いをしているリアルな心情の解像度を引き上げてくれるからこそ、リスナーの感情がぐっと揺さぶられるのだろう。

back numberが冬の定番アーティストとして君臨しているのは、こうした感情の細やかな描写の積み重ねがあってこそだなと、改めて感じさせられる一曲である。

関連記事