前説

この夏を代表するぐっとくるバラードが発表された。

back numberの「水平線」である。

この記事では、そのback numberの「水平線」について書いていきたい。

本編

感涙のメロディーライン

back numberの持ち味は、きれいなメロディーラインにあると思う。

歌詞は赤裸々、でもメロディーラインは綺麗。

そういうギャップがあるというか、メロディーが美しいからこそ歌詞がぐっと入るというか。

今作の「水平線」もメロディーラインが美しい。

この美しいというのがどういうものかと言葉にするのは、わりと難しい。

ただ、あえて言葉にするとしたらストリングスがうっとしくない美しさとでも言えばいいだろうか。

ストリングスって、バラードをドラマチックなものにしたいときに入れがちな音である。

そのため、中途半端なバラードにストリングスが入ると、ちょっとうるさいというか、胃もたれを引き起こすような可能性すらある。

でも、back numberの「水平線」はそういうことがまったくない。

楽曲のあるべき場所にストリングスが綺麗に収まっているような印象を持つのである。

要は、ストリングスがばっちりハマっているということ。

これってメロディーの強度が高いからこそ成立することだと思うし、清水 依与吏の歌声が力強いからこそだと思う。

歌詞の意味をしつこく追わなくても、メロディーの美しさに涙を誘われる。

そういう強さがこの歌にはある。

おだやかな歌詞

back numberの持ち味って赤裸々な歌詞である。

みっともなくても奥底に眠る感情を吐露しまくる。

そういう潔さがback numberの歌にはある。

だからこそ、そのフレーズに刺さるのだろうし、そこで歌われる言葉が心情と重なりやすいのだと思う。

「水平線」も、清水 依与吏ならではの心の機微が鮮明に描かれている。

しかし、今作は一人称を「私」としているだけあって、どこか歌詞に穏やかさを感じる。

あなたに対する眼差しもどこか女神的なものを感じる。

自分の気持ちだけ押し通すようなわがままさはナリを潜めて、もっと尊い何かを語っているように聴こえるのである。

そういういつもの歌との違いに「おだやかさ」を感じる次第なのである。

まあ、そう思うのも当然かもしれない。

なぜなら、この歌は恋愛ソングではないから。

とある人達に向けた応援ソングだから。

実は、この歌は新型コロナウイルスの影響で史上初めて中止となったインターハイの運営を担当する高校生たちからの手紙がきっかけで制作された歌なのである。

また、インターハイの実行委員でもある群馬県教育委員会は、それを受けて「水平線」を今年のインターハイの応援ソングとして全国に届けたいという旨が発表したというのだ。

つまり、いつもと歌とは違う想いがこの歌に込められているというわけである。

だからこそ、歌の中にいつもと違う優しさが込められているのである。

その優しさにふれるたびに、ぐっときてしまうというわけである。

どんな歌も名曲にする人たち

back numberは恋愛ソングの人たちと思っている人も多いかも知れない。

女々しいラブソングばかりを歌うバンドと思っている人も多いかも知れない。

もちろん、そういう側面があることは事実だ。

でも、それはback numberの部分であって、全体ではない。

そのことを改めて実感させてくれるのが「水平線」という歌である。

back numberはきっとどんなテイストの歌も名曲に仕立て上げるセンスと技術があるのである。

「水平線」には、そういうセンスと技術が散りばめられている。

美しいメロディーと、心の通った歌声、そして心に響くフレーズの数々。

back numberの魅力がたぶんに詰め込まれた歌なのである。

まとめ

とにかく圧巻のバラードである。

back numberって、つくづく映画とかドラマに似合うようなバラードを作るのが本当に上手い。

「水平線」も末永く歌われる歌になるのではないかと思う。

やっぱりすごいバンドである。

back numberは。

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