MAN WITH A MISSIONとmiletが生んだ「絆ノ奇跡」の奇跡について
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テレビアニメ『鬼滅の刃』といえば、国民的な人気を誇る作品である。
そして、2023年、ついに『鬼滅の刃』のアニメ新作となる刀鍛冶の里編が放送されることになって、早くも大きな話題を集めている。
原作は知っている人からすると漫画のあのシーンがどうアニメで表現されるのかという点を注目するだろうし、アニメで話を追っている人からすると、炭治郎の物語はどんな行き先を迎えるのかを楽しみにしていることだろう。
ただ、テレビアニメ『鬼滅の刃』って単に作品が人気なだけでなく、主題歌を担当した人がメガヒットする、という流れもある。
なので、誰が主題歌を歌うのか、も大きな注目を集めることになる。
LiSAが国民的なアーティストとして知名度をあげたのは、テレビアニメ『鬼滅の刃』の最初の主題歌「紅蓮華」であることは否めない。
それまでは”知る人ぞ知る”的な立ち位置だったLiSAは、この楽曲によって、老若男女問わずに知名度を誇るアーティストへと飛躍する。
さらに日本映画史に残るヒットを果たした劇場版『鬼滅の刃 無限列車編』でも「炎」という名曲を携えて主題歌を担当したことで、その知名度は不動のものになった。
ただ、鬼滅の刃の主題歌=LiSAというイメージが付きまくったあとは、それはそれで大変なことになる。
というのも、誰が次に主題歌を担当するのかについて期待と不安が交錯しまくることになるからだ。
そんな中で、Aimerが「残響散歌」という楽曲を持って主題歌を担当したことで、その不安は見事に打ち破られることになる。
結果、LiSAもAimerもYouTube上で億単位の再生数を誇るほどに大きな話題を集めることになったし、大きな話題を生むことになった。
ただ・・・・である。
こうなると、次、誰がどんな歌をもって主題歌を担当するのか、というのがリスナー視点で考えても悩ましいところだった。
生半可なことになったら怖いよな・・・という気持ちが拭えなかった。
そういう空気の中で、渾身の楽曲を提げて登場したのが、彼ら彼女だった。
そう、MAN WITH A MISSION × miletである。
これは実に面白いコラボだと思ったし、楽曲を聴くと、見事にそれぞれの良さが出ているように感じた。
miletは以前に「Grab the air」という楽曲をMAN WITH A MISSION(のKamikaze Boy)に楽曲提供された関係性もあるので、MAN WITH A MISSIONの音楽世界の入り込み方が絶妙であるように感じたのだった。
今作は、MAN WITH A MISSIONの中でも屈指のヒットメーカーでるJean-Ken Johnnyが作詞作曲を手がけたということで、ラウド色もありつつ、DJサウンドが華麗に響くミクスチャー性もありつつ、アニメソングとしてのキャッチーさも兼ね備えたナンバーになっていた。
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「絆ノ奇跡」の話
個人的に良いなあと思ったが、歌割りである。
まず、冒頭はJean-Ken Johnnyのボーカルから始まる。
MAN WITH A MISSIONの楽曲の多くはJean-Ken Johnnyのボーカルから始まるが、冒頭をJean-Ken Johnnyがしっかりと盛り上げるからこそ、ここぞのタイミングで挿入されるTokyo Tanakaのボーカルのパンチ力が、えげつないことになるのである。
あと、この冒頭のJean-Ken Johnnyのパートの歌詞が、実に詩的なのも良い。
闇夜と月明かりが一本軸で繋がる絵が浮かぶような、そんなフレーズ。
鬼滅の刃の物語ともシンクロしているし、心情描写にも繋がるフレーズになっているのが良い。
Jean-Ken Johnnyのパートが終わると、miletのパートに入る。
様々なタイアップソングや大舞台での歌唱をこなしてきたmiletということもあって、マンウィズのロック色全開になっているサウンドに一切埋もれることなく、存在感を示した分厚くて少しビターなボーカルを披露することになる。
Bメロでは再びJean-Ken Johnnyのパートに戻るが、その際、ハモリをmiletが担当している。
このメロディーの連なりが心地よくて、コラボソング「だからこそ」のメロディーの広がりを感じることができる。
そして、Jean-Ken Johnnyとmiletによって完全に場が温まったタイミングで、誰よりも渋くて存在感のあるボリュームで、Tokyo Tanakaのボーカルが登場する。
Tokyo Tanakaの歌が入ると、一気に空気が引き締まる。
なんなら、良い意味でコラボ感がなくなっていく。
一瞬、楽曲の世界がMAN WITH A MISSIONの色合いで塗りたくられるのだ。
でも、そのあとに再びmiletのパートが入ることで、良い感じに楽曲世界の表情が切り替わる流れが秀逸で、この辺りの歌割りにうっとりするのである。
さらに、最終miletのパートで1番のサビを締めくくるんだけど、ここで一時的にTokyo Tanakaがハモリのような立ち位置のメロディーを歌うのが良い。
ハモリなのに、死ぬほど存在感が大きなTokyo Tanakaのボーカルも良いし、でもきっちりmiletのボーカルを立てるようなハーモニーを紡いでいる流れも良い。
3人のボーカルって、それぞれ質感が違うので、ハモると個性が際立って良いなーと思うのである。
まとめに替えて
以降、楽曲は聴きどころをたくさん作りながら進行していくことになる。
個人的には、バンドサウンドだけじゃなくて和楽器の音をミックスさせているのも良いし、2番のサビが終わってDメロが終わったあとの間奏で、ふいにDJ Santa MonicaがDJをきゅるるるる、と逆回転させて音を鳴らす部分がめっちゃ気持ちよくて、良い。
いつもと違うテイストの部分もあるけれど、根底にはマンウィズだからこそのミクスチャーサウンドを展開させる構成であることが光る。
おそらく、ここからアニメが盛り上がるにつれて大きな話題を生む作品になるだろうし、LiSA、AImerに次ぐ、代表的主題歌になることを実感している次第。
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