JO1の「Romance」が優しすぎる件

あなたはどういう類の楽曲が好きだろうか。

アップテンポの楽曲?

それとも、バラード調の楽曲だろうか?

好きなアーティストであれば、両方とも好きと答える人もいるかもしれない。

アップテンポの曲も好きだし、バラード調の曲も好きだが、それは曲によって異なる、と答える人もいるかもしれない。

このあたりは好みに大きく依存する話だとは思う。

でも、アーティストごとに確固たるイメージはあると思う。

このアーティストはアップテンポの楽曲のイメージが強いとか、このアーティストはしっとり系の楽曲が多いよね、とか。

ライトなファンとディープなファンで見え方も変わるかもしれないが、確かに○○のイメージが強いと言われる場合、そういう○○の楽曲をリリースしているということは確かにあると思う。

激しめのロックバンドだったり、パンキッシュなイメージが強いとか。

感涙系のタイアップが多いバンドであれば、バラードのイメージが強いとか。

ダンスのイメージが強いグループであれば、確かにダンサブルな歌を積極的に歌っていることが多いので、グループ全体でみても、ダンサブルなイメージが強く付いていることが多い印象。

でも。

特定のイメージが強くなればなるほど、その逆をいく楽曲に触れると、その味わいが深くなるというケースが多い。

これは好みを超越した、ひとつの法則のように思う。

なので、ダンスグループであれば、たくさんの楽曲をリリースしていく中でだったり、epなりアルバムなりの複数曲を収録している作品をリリースしているなかで、ここぞのタイミングでしっとりとしたミディアムナンバーが登場することがあるわけだ。

ダンスや切れ味鋭いリズム以上に、優しくメロディーを紡ぐボーカルが印象的なナンバーをリリースすることがあるのだ。

そして、そういうボーカルが際立つ渾身のミディアムナンバーの破壊力がえげつない・・・ということがたまにある。

JO1がリリースした「’Romance」もまた、そういう楽曲のひとつのように思う。

「Romance」の話

そこで、この記事では「Romance」の良さを簡単に言葉にしてみたい。

この曲の何がいいのか。

それは最初の聴いたときのイメージに直結する。

自分は、この曲を初聴した最初のイメージが、とにかく優しくて温かい、であった。

どこまでもこの歌は、そういう温度感に包まれているのである。

最初はアコースティックギターのシンプルなアルペジオで始まり、ゆっくりと手を差し伸べるようにボーカルが入ってくる流れ。

この段階で、優しさおよび温かさの濃度がとても高い。

真夏の日本の湿度くらいの高さを誇っている印象である。

そこから楽曲はどんどん展開していくわけだが、どれだけ展開しても、そのテイストが崩れることはない。

過剰に音を重ねることはせずに、ベースは淡々と楽曲が進行していくのだ。

淡々、というと少しニュアンスが異なるかもしれない。

あえて言えば、聴いている人の歩幅(ここではあえて耳幅と言っておこう)に合わせるように、少しずつ音を足していき、丁寧に楽曲の展開を変えていっている、とでも言えばいいだろうか。

この丁寧かつゆったりとしたスピードが、楽曲の持つ優しさや温かさを際立たせる印象を受けるのだ。

どういう発注でこの楽曲が制作されたのかはわからないが、やろうと思えば、もっとドラマチックで劇場映えするようなアレンジにすることもできたはず。

でも、それはしない。

あくあでも耳幅に合わせるように、聴いている人を置いていくことをしないように、あくまでも少しずつ楽曲に変化を加えていくのだ。

だからこそ、「Romance」には、途方も無い温かさと優しさを覚えるのである。

そういう印象を与えるような歌いこなし方をしているのもポイントであろう。

さらには、フォーキーな音色が楽曲の土台になり、ドラムがシンプルなリズムを刻む構成も、そういう印象を与えるうえで、重要な役割を持っているように思う。

あと、楽曲前半はなるべくメロディーの起伏がないような作りになっているが、ラストのサビでは高音かつ伸びやかなボーカルが飛び出すようになっていて、きちんと楽曲の起承転結が美しくなっているのもポイントである。

丁寧だし淡々としているが、作りは細かい。

だからこそ、素朴な聴き感触が残りつつも、しっかりと充実感を覚えるようになっている。

まとめに替えて

・・・という感じで、簡単にだが、JO1の「Romance」の個人的な感想を書いてみた。

この時期だからこそ、より耳幅に合うような展開になっているのも良い。

ぜひ、色んな人に聞いてみてほしい一曲であるように思う。

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