前説

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仕事が終わって、メシ食って、Twitterを眺めていると、トレンドに「岡野昭仁」の文字を発見する。

ん?

そう思った。

一体、何があって「岡野昭仁」の文字が話題になっているのか。

気になって、岡野昭仁まわりのニュースを調べると、とんでもないものが世の中に投下されたことに気づく。

これだ。

何かわからない人もいるかもしれないので、単刀直入に説明すると、某ヒゲダンの名曲である「Pretender」を岡野昭仁がカバーしたのだ。

いやいやいやいや、がたまらない。

岡野さん、これはイケナイよ、マジで。

だって、こんなの、サッカーで言えば、手を使ってボールを手にして、ゴールに向かうようなものである。

明らかなる、反則技だ。

だって、岡野とヒゲダンの(ある種の)タッグなんて、良くならないわけがないのだから。

ただでさえ魅力的なボーカルである岡野昭仁が、「Pretender」なんていう名曲を歌ってしまったら、えらいことになることなんて、誰の目からも明らかなわけだったのだ。

こんなの、禁じ手と言わずして、何と言えばいいのか。

本編

ポルノグラフィティというバンドの魅力は色々ある。

ただ、ここであえてひとつ選ぶとなれば、やはり岡野昭仁のボーカルを挙げたくなるところ。

伸びやかで、表情豊かで、情熱的なボーカル。

かつ、この20年でその伸びやかさの中に深みも加わっている。

今が「最高」と言っても差し支えがない進化を歌声から感じさせてくれる。

そういうお声を持っているお方が、「Pretender」という歌唱力がものを言う楽曲をカバーするというんだから、ワクワクせずにはいられないという話なのだ。

思えば、岡野のボーカルは、ヒゲダンのボーカルとは性質が違う。

クセがある、という意味では似た者同士な部分もあるが、声が持っている武器は種類が違うように感じる。

だからこそ、どういう世界観を紡ぐのか、ワクワクして仕方がなかったわけだ。

で、この記事を書くちょっと前に、このカバーを聴いたわけだけども・・・・。

は?

いや、マジで世界がとまってしまう感じだった。

冒頭で、岡野の「Pretender」なんて反則技でしょ?と言ってみせたけれど、自分の予想の斜めを行く「反則技」がそこには広がっていたのだ。

名曲のカバーってふたつのパターンがある。

とにかく曲の存在感が強いままのカバーというか、曲の魅力を演者が超えられていないパターンのカバーというのが、そのひとつ。

その歌が名曲であればあるほど、曲の魅力は簡単には超克できないし、端的にいえば原曲の方がいいなあ・・・という感想になってしまう。

が、良いカバーをきちんとそこを超えてくる。

名曲であるがゆえの、その曲ならではの魅力を引き出しつつも、その演者の個性もそのカバーの中に放り込むようなカバーが、この世にはあるのである。

これはこれで、この人の新たな新作になっている。

そういう類のカバーがこの世には、あるのだ。

で、岡野の「Pretender」は、まさしく後者だった

「Pretender」って歌詞のテイストから、どこか草食系男子なイメージがある。

故に、声の線が細いボーカルの方が似合いそうなイメージを持つ人もいるかと思う。

あるいは、ヒゲダンがハイトーンボイスだから、高音を活かすボーカルの方が映えそうなイメージを持つ人もいるかもしれない。

ただ、岡野のカバーはそういう「Pretender」が持つパブリックなイメージを軽やかに超えた地点に、楽曲を着地させている。

そして、岡野昭仁ならではのバラード曲に消化させてしまうのだ。

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なんというか、「Pretender」ってある種冷めてしまった、悟りを開いてしまった人間が主人公の歌だと思うんだけど、岡野がカバーすることで、この主人公に情熱の魂が投入される。

原曲よりもテンポを落とし、母音をはっきりと音にする岡野ならではの歌い方に「Pretender」の譜割りを当てはめていく。

「Pretender」の良さを抑えつつも、きっちり岡野の個性が際立つような、変化をカバーにもたらしているわけである。

圧巻はボーカルを伸ばしていく箇所。

岡野特有の「ヒィ〜」という伸ばし声をこの曲に放り込んだとき、「あ、この歌は岡野の歌になったな」感がすごかった。

そして、それがどこまでもキレイに楽曲の中にハマっていたのだ。

たくさんの人がカバーしたはずの「Pretender」に、新たな魅力を提示していた。

ヤバイと思っていたけれど、想像以上にやばかった。

岡野昭仁め、火曜日からこんな動画を投稿されたら、予定が狂ってしまうぞ、マジで。

まとめ

というわけで、この曲と出会ってしまったせいで、数十分間、聞き惚れてしまい、自宅での予定が大きく乱れることになった。

予定崩しの番狂わせ。

でも、なぜそうなったのかといえば、このカバーが優れていたから、という話なのである。

まだ聴いてない人はぜひ聴いてみてほしい。

期待値に違わぬ、ヤバイカバー曲だから。

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