前説
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活動休止をバンドはたくさんいる。
そして、活動休止する理由はバンドごとに違う。
肯定的な理由もあれば、ネガティブな理由のことだってある。
活動休止したまま、バンドの活動にピリオドをうってしまうパターンもある。
でも、その一方で活動休止後に活動を再開するバンドもいる。
なんなら、活動を休止したあとの方が「ええやん」な感じのバンドもいる。
この記事では、そういうバンドをいくつか紹介したい。
本編
SPYAIR
正直、活動休止した理由はポジティブなものではなかった。
休止の発表前には、ボーカルのIKEが「SPYAIRを辞めます」と宣言し、暗雲がたちこめたときもあった。
この「辞めます」の発言は、ポリープの手術で活動休止をしなくてはいけないボーカルの責任から発せられたものではあったのだろうが、バンドの進退が追い込まれるギリギリに至っていたことは間違いない。
しかし、ここからメンバー同士が話し合いを重ねることで、改めて「解散しない」ことを表明し、再び活動を再開させるに至っている。
再開後は、よりバンドのスケールが大きくなった歌を連発しており、やりたいことが明確になったSPYAIRの音楽が鳴っているように感じる。
どんなバンドだって色んな苦難があるし、それが爆発するときだってある。
そういう部分ときっちり向き合い、改めて動き出したSPYAIRはかっこいいと思うのである。
関連記事:ロック好きじゃなくてもハマるそんなバンド、SPYAIRについて
EGG BRAIN
EGG BRAINは丁寧に追っているバンドではないので、活動休止の内実と再開時のテンションをあまりちゃんと記憶していない。
ただ、いわゆるメロコア界の中で強い存在感を放っていたEGG BRAINが活動を再開してくれたことは嬉しかった。
英語で歌うメロコアってたくさんいるけれど、英語の発音が雑すぎて「それなら日本語でいいのでは・・・」と思うバンドが多い中で、EGG BRAINはかっこよく英語を歌いこなす。
このかっこよさって発音だけの話ではなくて、リズム感とか言葉のメロディーの乗せ方とか、そういうところに宿っているように思うのだ。
つまり、EGG BRAINは英語の言葉が似合う、研ぎ澄まされたリズムを奏でるバンドであるということ。
再開後も、ブランクを感じさせない音を高らかに響かせている。
サカナクション
バンド活動休止ではなく、ライブのみ活動休止をしていたので、少し他のバンドとは違うんだけど、せっかくなのでご紹介を。
サカナクションが凄いなーと思ったのは、休止後の産声のあげかたである。
やっぱりサカナクションって大型フェスで存在感を示すバンドだから、一年間のライブ活動でも不在感が色濃く出てしまうバンドである。
実際、人気という観点でいうと、この休止期間だけで大きなダメージを受けたらしい。
でも、その後、サカナクションは再び、ファンのみならず、多数の人に再び強い存在感を示すことになる。
活動休止明けにリリースした歌が「新宝島」という、サカナクション史的にも新たなアンセムになる歌だったことがすごく大きいように思う。
ここぞのタイミングで、大衆の心を掴むキャッチーな歌をしっかりリリースできるというところがサカナクションの凄さなんだなーとそのとき改めて思ったものだった。
やはり、サカナクションは凄いバンドである。
関連記事:サカナクションのアルバムで好きな曲を一曲ずつ選ぶなら?選手権
いきものがかり
「放牧」という名の活動休止を行っていた、いきものがかり。
今後も活動していくうえでの充電期間のような位置づけだった活動休止。
どうしても今はネット社会であるため、ライトなファンから忘れ去られないようにハイペースに活動していくバンドやアーティストが多い中で、きっちりこういう決断ができるいきものがかりは凄い。
復活後も、いきものがかりにしかできないポップスど真ん中な楽曲を変わらずに放っている。
ど真ん中でありながら、ど真ん中である故に不動の存在となっているいきものがかり。
これからも、このメンバーにしかできない音楽を鳴らすに違いない。
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MUCC
三ヶ月という期間の活動休止を行った唯一のバンド。
休止前から「三ヶ月」休むことを宣言する、過去にも例がない有限の活動休止を行ったバンドなのである。
なんというか、こういう活動休止もあるんだなーと改めて思わされた。
結果、もっとも休止前と休止後でブレがない活動ができているバンドになったのではないかと思っている。
Mr.Children
二度の活動休止を経験した数少ないバンドである。
二回の活動休止の理由はまったく違うので、そこにはあまり触れないでおくが、ミスチルもまた休止を大きなバネにして、より跳躍したバンドであるように思う。
一回目の活動再開のタイミングでリリースされたのが「終わりなき旅」だった。
歴史的なセールスを飛ばすバンドの活動休止で、ファンたちには大きなザワザワを与えたはずだが、そのタイミングでこういうメッセージ性の強い歌を持ってこれることがミスチルのカリスマ性だなーと改めて思うのである。
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THE YELLOW MONKEY
休止後よりも今の方がライブ動員数的に勢いがあるし、発表する楽曲の質も高い。
そんな稀有なバンドがTHE YELLOW MONKEYである。
今年は初のドームツアーも行った(コロナで一部中止になってしまった)わけだけど、このタイミングでファン数を伸ばしているのがこのバンドの凄さである。
こういう奇跡を作るに至っている要因は、活動再開後にリリースする曲がとても良いからなのだと思う。
普通、10年以上休止してからの復活する大物バンドの活動って、どうしてもピークだったあの時の方が良かったという目で見られがちである。
THE YELLOW MONKEYだってそういうリスクが相当にあったはずだ。
でも、THE YELLOW MONKEYはそういう眼差しを跳ね飛ばすような、質の高い楽曲をリリースし続けた。
あの頃の貯金を食いつぶすような活動再開ではなく、シンプルに円熟した魅力に包まれた、今だからこそのバンドの進化を見せつけることとなった。
こういうバンドもいるんだなあーと、そんなことを思ったわけである。
思い出の対象になるだけじゃなくて、その思い出を更新していくような感じ。
そんなふうに輝くこともできる。
今のTHE YELLOW MONKEYをみていると、そのことを強く感じるのである。
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まとめ
というわけで、活動休止が明けてからの活動がかっこいいバンドたちを紹介してみたのでした。
まあ、活動休止はバンドごとに違うので、同じくくりにしてまとめるのは無理がある部分もあるんだけど、必ずしも「活動休止」ってネガティブなものじゃないんだよ、ということが提示できたらいいなーと思った次第である。
今、活動休止しているバンドだって、復活した暁には、ここで紹介したバンド以上の輝きをきっと魅せてくれるはずだから。
そんなことを思うのである。
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