前説

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音楽の魅力を語る言葉って色々あると思う。

ロック色が強いとか、ポップみたいな言葉もそのひとつだろうし、<リズムがキレキレ>とか<メロディーが良い>とかもそういう要素のひとつだと思う。

ただ、言葉が直接的に音楽を語るものでなくても、その言葉が音楽の魅力を語る場合もある。

実は<メンヘラ>という言葉もそうなのではないだろうか。

<メンヘラ>という言葉が直接的に音楽の要素を指す言葉ではない。

けれど、確かにそこに何らかの音楽の種類を思い浮かべる人も多いはずなのだ。

というわけで、この記事は<メンヘラ>という言葉を切り口にしながら、その言葉で思い出される良いなーと思うバンド・アーティストをいくつか紹介したいと思う。

本編

クリープハイプ

メンヘラバンド、といえば、クリープハイプを思い出す人も多いのではないだろうか。

なぜなら、クリープハイプの歌の多くが人間関係と、その関係で生まれる隙間やズレを歌ったものが多いから。

歌が描く人間関係の機微に気づいて、クリープハイプの歌にある種のメンヘラ性を感じるのではないかと思う。

歌ごとに人間関係の描き方や結末は大きく変わるけれど、クリープハイプの歌がどこか切なく響くのは、他のアーティストなら見過ごしそうな繊細を描いているからなのではないだろうか。

そんなことをふと思うのである。

関連記事:クリープハイプの歌から感じる独特の歪みについて

My Hair is Bad

ブラジャーのホックを外す時だけ
心の中までわかった気がした

上記フレーズをはじめ、人の心をぐさりと撃ち抜く名フレーズが多いMy Hair is Bad。

My Hair is Badの歌が多くの人に突き刺さるのは、心の汚い部分もさらけ出して、容赦なく表現に落とし込んでいくから。

メンヘラバンド、という形容をされることも多いマイヘアだけど、単純にナイーブなだけではなく、その青臭い熱さやストレート性にぐっとくるファンも多い。

バンドのキャリアを重ねるごとに他者に対する眼差しや視座が変わっているところも個人的には良いなあとずっと思っている。

関連記事:僕がMy Hair is Badとその周りについて思うこと

マカロニえんぴつ

マカロニえんぴつもまた、人間関係に対して独特の眼差しで描くことが多いバンドである。

その独特さが、人に対して執着を持ってしまうタイプの聴き手の心をがしりと掴むことも多い気がする。

この辺りは、はっとりの言葉の使い方が巧みなんだよなーと、どの歌を聴いても思ってしまう。

その中でも「ブルーベリー・ナイツ」は、ひとつの完成形だとずっと思っている。

心理描写の描き方とそこの揺らぎの描き方が本当に絶妙な歌なのだ。

関連記事:メジャーデビューをしてもポップと変化球の間なマカロニえんぴつの話

This is LAST

喩えとか比喩とかそういうものを向きにして、ストレートに恋愛に向かっている感じが強いThis is LAST。

だからこそ、より鮮やかにその恋の物語の光景が浮かび上がるし、そこで乱れてしまう心を容易に想像できるし、より歌が印象的に残るのだと思う。

あと、歌詞とボーカルの温度感とサウンドの混じり方のバランスも個人的に絶妙だと思っている。

なんにせよ、恋愛に何かしら思うところがある人は間違いなく突き刺さる歌を鮮やかに歌うバンドだよなーと思う。

関連記事:This is LASTというバンドを自分が好きな理由

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みるきーうぇい

こういうテーマなら紹介しないわけにはいかないアーティストである。

メンヘラという要素に対する対峙の姿勢がもっともかっこいいと思うアーティスト。

要素としてのメンヘラではなく、メンヘラという要素をそのまま生き様にしているような勢いを感じるのである。

だからこそ、「カセットテープとカッターナイフ」みたいな表現の歌がソリッドかつ深みをもって際立つのだと思う。

関連記事:みるきーうぇいという一人バンドプロジェクトの話

西野カナ

メンヘラという要素が一般的になる前から、メンヘラの人が陥りそうな恋愛を歌いまくってきた西野カナ。

歌の主人公が<メンヘラ>を自覚せずに、恋愛に対してメンヘラ化している感じに妙なリアル感を覚える。

そういう意味でも、こういうテーマの歌姫は自分的に西野カナ・・・なんだけど、今の10代とか西野カナを知っているのかふと不安になる。

「トリセツ」は今聴いても名曲だよなーと思う。

aiko

aikoの場合、相手の心模様を射抜く時の眼差しが鮮烈すぎて、メンヘラとかそうじゃないとかの次元を超えた凄まじさを感じる。

んだけど、これだけ鮮やかに相手の変化を見向くような眼差しを向けられるのは、歌の主人公がメンヘラだから、という等式が成り立つのかなーなんてぼんやりと思う。

aikoの恋愛ソングが、他のアーティストとちょっと違った響きを持つのは、相手に対する眼差しが他のアーティストのそれとは違うから。

それを変えることなく20年以上ずっと繰り広げているからだよなーとぼんやりと思う。

色んな意味でaikoはレジェンドだよなーと思う。

関連記事:aikoって凄いと思うっていう話

まとめ

というわけで、王道メンヘラソングのバンド・アーティスト特集、なのでした。

間違いない歌ばかり紹介したので、よかったら聴いてみてほしいなあと思うばかり。

では、今回はこの辺で。

ではではでは。

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