Number_iの「ロミジュリ」と「Frisco」の話
聴く度に思うんだけど、Number_iの音楽はいかつい
音楽に対して色んな表現があるけれど、個人的に今のNumber_iを表現するなら、華麗ないかつさがあるよなー、と思う。
「ロミジュリ」の話
「ロミジュリ」を聴いても、「Frisco」を聴いても、そう思う。
例えば、「ロミジュリ」。
ミディアムなテンポ感で、どちらかというとチルっぽい空気感がある。
横揺れで聴けちゃうような、緩やかさがある。
でも、リズムが緩やかだからこそ、攻めるときの切れ味が鋭くて。
ここぞの場面では高速ラップをフロウして、穏やかな中にも高揚感を生み出す。
そして、リズムに余白があるからこそ、リズムそのものへの乗りこなしがえげつないことに気づく。
見た目は遊覧船のようなゆったり感。
でも、乗ってみると、瞬間的に高揚感マックスのジェットコースターにもなるような感じ。
ディズニー・シーにあるホーンデットマンション側すらもビビってしまうような、ここぞのときのアッパーさが優しい音楽の中に忍ばされている。
こういうギャップをひとつの楽曲で生み出せるのは、高い表現力を持つNumber_iだからだよなーと実感する。
そういうタイプの楽曲でありながら、楽曲のラストでは第三の表情を魅せるのもポイントで。
1と2の中でもとんでもないギャップがあるのに、終盤には1でも2でもない構成と世界観を生み出すのだ。
これは楽曲を実際に聴くことで実感するもの。
もしまだ楽曲を聴いていない方がいるならば、ぜひ体感してみてほしい。
「Frisco」の話
「Frisco」で特筆したいのは一音一音のパンチ力。
重たいサウンドでは、きっちり然るべき重さを生み出す。
それに合わせるように、エッジの効いたラップを展開する。
ヒップホップ畑の人でもドキドキさせるような、スキのなさを魅せるし、ポップミュージックしか堪能しない人でもワクワクさせるような表現力がそこにある。
何より言葉にしたいのが、「ロミジュリ」と「Frisco」でがらっと歌の世界が変わるということ。
しかも単にサウンドが違うとかそういう話じゃない。
歌を構成する表現全てが、まったく違うのだ。
特にラップやボーカルのあり方。
この変化具合はマジで興奮する。
しかも、どちらの軸になっても、かっこいいがベースにある。これが凄い。
なお、「Frisco」でも、楽曲の終盤では第3の表情を魅せる空気感があって、楽曲の最後まで目(耳)が離せない構成になっている。
音楽って、こういう面白さやかっこよさもあるよね。
そういう事実を鮮やかかつ唯一無二の形で魅せるからこそ、Number_iの音楽はいつだってドキドキするのだと思う。
まとめに替えて
ということで、ふたつの楽曲を並べるような形で今回は魅力を言葉にしてみた。
なんにしても、Number_iの音楽は今回もかっこいい。
これだけは間違いないので、ぜひ色んな方に聴いてみてほしいなと感じる。