Number_iの「HIRAKEGOMA」について。歌詞とメロディーとボーカルとラップの話

Number_iの楽曲ってタイトルを聴いただけでは、まったくどんな楽曲か想像できない。そして、実際に聴くと、予想していたイメージを大きく更新する面白さがある。

「HIRAKEGOMA」もそうだった。

HIRAKEGOMAという単語使っている楽曲史上、一番渋くてかっこいいのではないか?そういう切れ味が楽曲全体に内在していた。

ある種のダンスチューンであり、華麗なラップが展開される楽曲という意味では、これまでのNumber_iと同じ魅力を持っているんだけど、これまで発表された楽曲とちょっと魅力が異なっている。

低音を響かせており、リズムを刻む音のインパクトが強いという意味では、これまでのNumber_iの楽曲と通底した魅力を持っているとも言える。でも、これまで発表された楽曲とちょっと魅力が異なっているのだ。

その違いとは何か?

平易な言葉で言えば、「HIRAKEGOMA」はおしゃれな空気感を強めている。

そんな風に感じたのだった。

Number_iの「HIRAKEGOMA」の魅力を語る

イントロはからっとしたギターのサウンドで始まり、そのままリズムもボーカルも低音をフックアップするような形で楽曲が進行していく。

アウトローなニオイを漂わせながら、Number_iが今歌いたいと感じる言葉をクールかつスリリングにフロウしていく。

ただし、<夢の叶え方>のフレーズを歌うタイミングでがらっと歌の表情が変わる。オートチューンを少しまぶしたボーカルで、クリーンにメロディーを響かせる。ぎゅっとトーンを変えてみせて、洒脱な空気感を強めるのだ。

その後、メロディーはループして再び、低音をゴリゴリに効かせる流れに変わるのだが、そのスマートさもまたいかしている。

そして、2番からラップのパートのバリエーションも増やしていき、どんどん楽曲が持つ高揚感に誘ってみせる。

しかも、その高揚感は、Number_iだからこそ招かれる境地。

J-POPでも、K-POPでも、近代の洋楽でも、なかなかお目にかかれない世界へ進む。

だから、2分40秒しかない楽曲ながら、濃密で圧倒的な音楽体験を得ることになるのだった。

Number_i、この1年でどんどん進化してきた

振り返ってみると、この1年だけでもNumber_iのアーティストとしての進化が凄まじい。

これまでのキャリアがキャリアだからこそ、デビュー曲の「GOAT」がある程度注目されるのは想定されていただろう。

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でも、注目のピークとしてはデビュー曲がてっぺんになってしまい、そこからは平坦な活躍になってしまうケースだって大いにある。

そういう可能性だってある中で、Number_iはリリースごとに話題を集め、ワールドワイドな活躍をみせることになった。

しかも、楽曲軸でも、パフォーマンス軸でも、スキがないからこその評価。

アーティストとして、この1年でもパフォーマンスにより磨きがかかった印象を受ける。

「HIRAKEGOMA」を聴いて、改めてそんなことを思ったのだ。

表現の幅がどんどん広がる。

しかも、表現に一切のスキがないし、無駄もない(だからこそ、3分未満の楽曲での充実感が半端ないことになる)

アルバム単位で作品に触れるとそのことをより実感するが、単曲でもその魅力を十全に感じる。

しかも、歌詞を丁寧に聞いてみると、その想いの鋭さを実感する。

今それをNumber_iが歌う意味を、いろんな角度から感じさせられる。

だから、楽曲としてはクールな印象を持ちながら、全体としての味わいはホットなことも多い。

この辺りも、Number_iの凄さだなあと感じる。

まとめに替えて

年始の時間があるタイミングだったので、改めて、Number_iの作品を振りかって思った。

やっぱり、このアーティスト凄いぞ、と。

おそらく、2025年も新たな境地に突き進むと思う。今からそれが楽しみで仕方がない。

 

 

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