King & Princeの「ツキヨミ」の話
[ad]
紅白以降、King & Princeの音楽、めっちゃ良いやん、となっている自分。
きっとKing & Princeの音楽がずっと好きだった人からすれば、やっと気づいたのか遅いぞ・・・という話だとは思う。
とはいえ、一度気づいてしまったら、この魅力は替え難いものがあるよなーと思っている自分がいる。
そんなわけで、密かにKing & Princeのブームがきている自分。
本日は、King & Princeが昨年発表した「ツキヨミ」という楽曲についての、個人的な感想を簡単に書いてみたい。
「ツキヨミ」という作品としての魅力
「ツキヨミ」の感想をシンプルに言葉にするなら、かっこいい、に尽きる。
それくらいに最初にトータルが聴いたときに感じた感想が、かっこいいだったのである。
この歌はドラマ「クロサギ」主題歌なんだけど、良い意味でまったく媚びていない感じがするのである。
というのも、この歌って、キャッチーさよりもスタイリッシュさが際立つ歌だと思う。
例えば、いわゆるJ-POPって口ずさめるような、キャッチーなメロディーが軸になって楽曲が進行することが多い。
そっちの方がわかりやすいし、聴き馴染みもいいからだ。
たくさんの人に向けて音楽を作るのであれば、ある程度はキャッチーさを大切にするとも思う。
特にドラマ主題歌だったりすると、よりその色合いは顕著だ。
なぜなら、作品の中で象徴的に楽曲が流れることも想定されるから。
しかも、作品の世界観を踏まえたものにしないといけないことを想定すると、なおのこと歌が持つメロディーの力を強くする印象なのである。
でも、King & Princeの「ツキヨミ」は、単純化してそういう方向に展開することは、しない。
もちろん、キャッチーさもあるんだけど、それ以上にダンスチューンとしてのダイナミックが際立っている印象なのである。
スリリングなリズムが楽曲全編に通底している。
そのため、歌もラップもゾクゾクするような刺激に満ちていく。
なんなら、歌がないパートにも独特のスリリングさが宿っており、音の心地良さに酔いしれることもできる。
それくらいに楽曲全体がスタイリッシュえ、妖艶さが際立っている印象なのだ。
楽曲全体がキャッチーよりもスタイリッシュな方向に舵を切っているからこそ、ダンスの部分もかっこよく際立っているんだけど、なぜこういう方向で明確にかっこよくなるのかといえば、King & Princeが歌・ダンスともに高い表現力を持っているからだと思う。
つくづくKing & Princeというグループのポテンシャルの高さを感じることになる。
[ad]
「ツキヨミ」は歌詞もかっこいい
しかも、「ツキヨミ」が良いのは、ここだけに終わらないところである。
例えば、歌詞も魅力的なのだ。
この歌の作詞を手掛けているのは、いしわたり淳治。
元SUPERCARのギタリストであり、名だたるアーティストの作詞やプロデュースを手がけた実績も持つ人だ。
関ジャムなどで出演した際の楽曲解説でも実感した人もいるかもしれないが、いしわたり淳治の歌詞を構成する能力が素晴らしいのである。
そんないしわたり淳治が「ツキヨミ」の歌詞を手掛けているということもあって、「ツキヨミ」は言葉の力も際立つナンバーになっているのだ。
スマートなコーラスのあと、冒頭はこんなフレーズで始まる。
潜んでる街に月が妖しく 傾いて昇る
きっと今夜 何か起こる
別々に持ち寄った寂しさに
愛なんてくだらない名前つけて
誤魔化して何になる?
このフレーズがひとつのドラマやん、と言ってしまいそうなくらいにオシャレかつ深みのあるセリフである。
歌の物語の動かし方も絶妙だし、聞き手の想像力の委ね方も絶妙で、<月>の描写が絶妙だからこそ、ここから何が始まるんだろう・・・のワクワクがすごいことになるのである。
以降、景色を丁寧に描きながら、この歌が描く愛に深みを与えていくことになる。
結果、一言でこの歌はこういうメッセージの歌だ!と言い切ってしまえる歌になるのではなく、歌を聴くことで色んな想像を喚起させて、色んな景色を思い起こすことができる構成になっている。
これが、King & Princeの表現力と絶妙な形で結びついているイメージである。
いしわたり淳治が紡ぐ想像力豊かな言葉があって、その言葉を丁寧かつ大胆にパフォーマンスに落とし込むKing & Princeのメンバーがいるからこそ、「ツキヨミ」という楽曲の魅力が何十倍に膨れ上がっている印象である。
作り手と演者の才能が綺麗な形に融合しているからこそ、「ツキヨミ」はどこまでも妖艶な輝きを解き放っているのだと思う。
まとめに替えて
なにより「ツキヨミ」はリリースからけっこう日が経っている。
が、新鮮さは薄れることなく、どんどんとその輝きを増している印象。
素晴らしい楽曲提供者がいて、素晴らしいパフォーマンスを生み出すKing & Princeがいるからこそ、どこまでも「ツキヨミ」は強度の高い楽曲になっており、末長く様々な人を魅了しているんだろうなあと感じるのである。
きっと2023年も、よりたくさんの人にこの楽曲が刺さるのではないかと、勝手に思っている自分がいるのである。
関連記事:King & Princeの紅白での「ichiban」が際立っていた件
[ad]