King & Princeの「We are young」の話
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誰が聴いても、これって良い歌だ、と思う歌ってあると思う。
誰がカバーしても、その歌の良さが不動のものである、そういう類の歌だ。
ただ、「良い歌」といっても、その「良い」は色んな切り口で語ることができるし、何をもって「良い」と言えるのかはその人の好みによって変わるとは思う。
自分においても、「良い」と思う歌のいくつかの種類がある。
スポーツ飲料水を飲んだときのように、その作品を聴くことですーっと身体に歌が入ってくる心地に感じられるような歌も、自分的に「良い歌」に感じられる。
こういう聴き心地になる歌っていくつかの事項があるように思う。
例えば、たくさんの歌で使われている王道のコード進行だと、わりとすーっと歌が入ってくることが多い気がする。
あるいは、アコースティックギターの弾き語りで作ったような歌だと、メロディーが際立っている”歌”濃度が強めの歌になっていることが多い気がする。
そういう枝葉の要素を集めて、もっと大きな枠で語るとしたら”メロディーが美しい歌” = 最強の良い歌、と言えるのかもしれない。
なぜこんな前置きで記事を書いているのかといえば、今年リリースされた歌の中でも、群を抜いたメロディーが美しい歌を見つけてしまったからである。
それが、King & Princeの「We are young」という歌だ。
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King & Princeの「We are young」を聴いてみて感じたこと
またまたそんな盛ったことを言ってー、と思っている方がいたら、まずは実際に音源を聴いてみてほしい。
歌い出しの先頭に触れただけで、「あ、この歌のメロディーの美しさ、やばいぞ」ということに気づくと思う。
よく自然が溢れた山とかにいくと、「空気がおいしい」なんて言葉を使うと思う。
冷静に考えたら言葉の意味としてよくわからんと思うんだけど、それくらい今自分の触れているものの心地よさを表現した言葉だと思うし、空気のおいしさって何ぞやとは思う一方で、確かにそう言わずにいられない美しさがある感覚も、わりとわかると思うのである。
King & Princeの「We are young」も、メロディーに”美しい”という言葉を形容するとしたら、こういう歌にこそ与えたくなる、そういう聴き心地があるのである。
一体、誰がこんな超洗練された天然水のような歌を作ったんだろうと思ってクレジットをみると、作詞:いしわたり淳治 作曲:玉置浩二とある。
なるほど、と思う。
King & Princeで言えば、「ツキヨミ」をはじめ、数多くの楽曲に歌詞提供を行い、そのスマートな言葉選びに定評があるいしわたり淳治の作詞と、日本のボーカルの中でも”一番歌が上手い”と形容しても差し支えないのでは・・・というくらい、口から最強の美を奏でることができる玉置浩二の作曲ともあれば、歌がここまで”美”を形成するのも納得がいく。
特に玉置浩二のメロディーラインが素晴らしい。
玉置浩二といえば、「ワインレッドの心」や「田園」のメロディーが印象深い人も多いと思うが、洗練されたメロディーを作らせ、歌わせたら天下一品のアーティストである。
そんな玉置浩二の渾身のミディアムナンバーが「We are young」だったのだろうと思うのだ。
通りでメロディーラインが美しいわけだ、と思う一方で、これを美しく歌いこなすKing & Princeのボーカルの素晴らしさにも注目したくなる。
先ほども書いたように、玉置浩二は生み出すメロディーの美しさもさることながら、ボーカルとしての圧倒的な安定感がキモのアーティストである。
なので、玉置浩二の歌は玉置浩二が歌わないと、その真価を発揮しないケースも多い。
でも、King & Prince「We are young」は、玉置浩二作曲の歌でありながら、完全にKing & Princeの歌になっているのだ。
歌が持つ美しさを解釈し、その歌が持つ美しさを丁寧に引き出しながら、その歌の美しさをボーカルでもって確実に形にしていく。
声の伸び、声の表情、ハモリの際の声のバランス、そのどれもが歌の輝かせるための絶妙な塩梅になっているのである。
もっと言えば、King & Princeにあって玉置浩二にないものとして、多人数のボーカルだからこそのボーカルのフォーメーションがある。
ユニゾンで歌のメロディーにメリハリをつけることもできるし、誰かが主旋律を歌っているときに後ろでバックコーラスを披露するような聴かせ方をすることもできる。
そういう歌の中で様々なボーカルのフォーメーションを魅せることで、より歌が立体的の美しさを持つ印象を覚えたのだった。
なお、優しいバラード調の「We are young」に対して、低音のサウンドがブリブリに響くグルーヴ濃度高めの「Life goes on」と並列して聴くことで、よりKing & Princeのボーカルの素晴らしさを体感できるようになっていて、両A面のシングルであることに納得できる作品となっているのもポイントである。
まとめに替えて
King & Princeの「We are young」の美しさが今年リリースされた色んな歌の中でも際立っていた、という話。
そして、これは玉置浩二の楽曲をKing & Princeが歌っているからこそのものだったのだろうなーというのが、この記事の結論なのである。
関連記事:King & Princeの紅白での「ichiban」が際立っていた件
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