変わりゆくジャニーズの音楽

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まあ、ジャニーズというのはあくまでも所属事務所を指す言葉ではある。

なので、<ジャニーズ>という言葉を、音楽ジャンルの総称のように使うのは個人的にあまり好きではない。

んだけど、明確にジャニーズ所属のアーティストの多くが、新たな路線を切り開いている印象を受けるのは確かで。

彼らが生み出す音楽が、よりかっこよく、よりアーティスティックなものになっているのは確かだと思うわけだ。

きよりたくさんの人が魅了される、そんな音楽を生み出しているように思うわけだ。

そのため、一部アーティストを除いて、ジャニーズ所属のアーティストはサブスク解禁しないことに業を煮やしている方もいるかと思われる。

サブスクであれば、もっとたくさんの人に見つかって、もっと大きな話題になるはずだと思わずにはいられないから。

自分もそうは思う。

ただサブスクがうんぬんは置いて、新たな路線を切り開いているアーティストの多くが<世界>をより近い距離で見ているようには思う。

世界の人が彼らの音楽によりアクセスしやすくなったとき、よりたくさんの人の心に届く音楽を生み出しているのは確かだと思うわけだ。

人によっては、それを<K-POP的になった>と捉える人もいるのかもしれない。

が、個人的にはそれは違うと思っていて。

あえて言葉にするならば、世界の音楽ファンが彼らの音楽を聴かないでおくための音楽的な理由を取り除いていった、という感触が近いのかなーと思っていて。

世界のトレンドに合わせた音楽を作るというよりも、彼らが持っているポテンシャルの凄まじさを、よりたくさんの人にわかる形で伝えようとしたら、こういうテイストになった、というような印象を受けるのだ。

かっこよさのベクトルは違うかもしれないけれど、どんなテイストの歌だって、間違いなく楽曲の中にかっこよさが投影されていたと思うからだ。

ただし、伝わる形と伝わらない形というのは、どうしてもあるわけだから、もともと持っているポテンシャルが、よりいかんなく伝わる形で落とし込んだ印象は受けるわけだ。

今回記事で取り上げるKing & Princeもまた、そういうアーティストのひとつだと思っている。

King & Princeの「Magic Touch」の話

一新したイメージ

王道アイドルというイメージも強かったKing & Prince。

しかし、そのイメージを一新したうえで、ダンスグループとしての凄まじさを突きつける歌を歌う。

「Magic Touch」は、本当にダンスがかっこいい楽曲である。

振り付けを担当しているのはMelvin Timtimということもあり、「Magic Touch」はクールかつアグレッシブなダンスを立体的に展開している印象を受ける。

ふと、ここ数年、日本で話題になるダンスは、振り付けが印象的なものが多い気がする。

きっと、こういうテイストの方がバズりやすいからだなのかなーと思っていて。

振り付けが印象的ということは、マネして踊ったときも<それ>だとわかりやすいし、真似して踊るときのハードルが比較的低い(もちろん、ある程度ダンスの素養がある人が踊る前提での言葉ではあるが)。

故に、SNSでもバズが生まれやすいという構図が作れる。

まあ、ダンスとしての難易度はともかく、キャッチーな振り付けが楽曲の印象を強くするうえで、重要な立ち位置を締めるわけだ。

そう考えたとき、「Magic Touch」のダンスは単純なキャッチーさではくくられない強度がある。

かつ、ダンがどこまでもエキサイティングなのである。

なんというか、振りそのものではなく、身体から生み出すリズムのキレで魅了しているダンスという印象が強いのだ、とでも言えばいいだろうか。

それが、先ほど述べた立体的なダンス、という言葉とも繋がるのかなーと思っていて。

なんにせよ、「Magic Touch」はクールなのに切れ味鋭い印象を受けるのである。

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切れ味鋭いダンスミュージック

トラップ寄りのクールなビートでありながら、スリリングなダンスアプローチを行うというギャップもまた、クールでアグレッシブな印象を強めているように思う。

そういうかっこいいナンバーをKing & Princeが歌う、というのも良い。

というのも、King & Princeって、王道アイドルなイメージが強かった。

少なくとも、正直自分はそういうイメージを持っていた。

でも、「Magic Touch」はそういうイメージを大きく塗り替えてきた。

それほどまでに、クールなかっこよさが滲んだナンバーになっているのだ。

それ故、そのかっこよさが際立つ。

何より、こういうテイストの歌をどこまでもかっこよく歌い切るサマが素晴らしいのだ。

MVを観てもらったら、言いたいことがきっとわかるはず。

どこまでもダンスの切れ味が鋭いのだ。

King & Princeの「Beating Hearts 」の話

カップリングも良い

どの版にも収録されている「Beating Hearts」もクールでかっこいいナンバーだ。

ダンスナンバーであるというベースはそのままに、「Magic Touch」よりも歌メロのテイストを強くしている。

でも、いわゆるポップスの延長線上のダンスナンバーというわけでもなく、爽快感のあるリズムアプローチを感じさせるナンバーになっている。

洒脱なギターだったり、華やかなホーンセクションだったり、楽曲が紡ぐサウンドも堪能できるような鮮やかなナンバーになっている。

「Magic Touch」とは違った表情を魅せるけれど、あくまでも楽曲が持つかっこよさを大切にしているような印象を受ける楽曲となっている。

複数の方向からKing & Princeが持っているかっこよさのポテンシャルを突きつける。

一切のスキなく、それを行う。

だからこそ、今回の新曲がどこまでもかっこよく響くのだ。

King & Princeだからこその魅せ方が、これらの楽曲に詰め込まれている。

まとめに替えて

平成時代に持っていたジャニーズのイメージはもうとっくに過去のものになっている。

King & Princeの楽曲を聴いて、改めて強くそのことを感じさせる。

BTSをはじめとする韓国のアーティストが世界的な躍進を果たしていることに、影響を受けている部分もあるかとは思う。

でも、単にJ-POPがK-POP化しているかというと、そんなことはなくて。

影響を受けつつも、グループが持っている持ち味だったり、ポテンシャルでそれを解釈しなおし、このグループにしかできないアウトプットを行っているのだ。

だから、どこまでも楽曲がかっこよく、印象的に響くわけだ。

King & Princeの場合、メンバーが卓越したダンスの表現力を持っていたからこそ、ダンスチューンとしてのかっこよさに磨きをかけた。

その結晶のひとつが「Magic Touch」なのだと思う。

間違いなく、今後、King & Princeはダンスグループとしてより凄みのある境地にいくのだと思う。

そう思わずには、いられない、そんな楽曲である。

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