INIの「How are you」が解き放つ可能性について
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音楽に沼る入り口というのは、多種多様である。
テレビで観たパフォーマンスから音楽にハマることもある。
サブスクで音楽をディグっているときにふいにハマることもある。
Tik TokのようなSNSが入り口になることもあれば、ライブを観てハマるということもあるだろう。
あるいは、音楽性に惹かれてそのアーティストの音楽にハマるということもあれば、まったく別の部分が入り口になるケースもある。
そう。
音楽にハマる道程は、色んなものがあるのだ。
それが、音楽の面白さのひとつだと自分なんかは思っている。
ただ、いわゆる<音楽好き>ほど、音楽以外の部分を愛でるスタンスを<下>にみる人が多い気がする。
作家性を際立たせているアーティストほど<偉い>と思っていたり、自分自身で作詞作曲をしていることが<素晴らしいこと>と考えている価値観がどこかしらにはびこっている。
そういうスタンスの人が、少なからず、いるような気がしなくもない。
もちろん。
どんな音楽を良いと思うのか、その人の趣向に大きく依存することだと思う。
好きじゃない音楽だってあるだろうし、別に好きじゃない音楽を無理に聴く必要もないとは思う。
でも、ちゃんと聴いたわけでなもいないのに、なんとなくの雰囲気でそのアーティストの価値を見定めることは、よくないよなーなんて思うこともあって。
例えば、アイドルの音楽って、作家性のある際立っているアーティストのそれより劣っているんでしょ・・・?みたいな考えはその典型のように思う。
自分が作詞作曲をしていることを知った途端に、その人の評価が変わる・・・なんてのもその典型のように思う。
もちろん、アイドルと一口にいっても色んなタイプがいることは確かだ。
だが、アイドルという切り口だけで音楽を語ってみせる時代は、とっくに終わっているように思う。
<アイドル>は音楽のジャンルじゃないからだ。
どんなジャンルも横断できる<唯一無二の立ち位置>であると、自分なんかは思うからだ。
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INIの話
前置きが長くなってしまった。
この記事で書きたかったのは、INIの新譜がいいよ、という話である。
実は、「How are you」という歌にハマっている。
一聴したら感じてしまう、途方もないスタイリッシュ感。
<メロディー>を軸にした音楽が多い中で、それ以外の要素を研ぎ澄ませているのが伝わる質感。
ミニマムなんだけど決めるところでしっかりキメているアレンジ。
そのアレンジに、ここぞ!という形で声を使って表現していくINIのメンバーたち。
穏やかなリズムの中、淡々としたボーカルが言葉を紡ぐ辺りに、そういう美学を感じさせられる。
そう。
ほんと、魅せ方が見事だよなーと思ってしまうのだ。
「How are you」は、ラップと歌もののボーカルのバランスが見事である。
特にラップのあり方がいいよなーと思っていて。
なんというか、楽曲の緩急をつけるためだけにラップが存在していないのだ。
ちゃんと然るべき表現としてラップがそこにあるというか。
要は、フロウに妥協がないのである。
楽曲として意味のある中でラップが構築されていき、穏やかながらもスリリングに楽曲を展開させているところにぐっときてしまう自分がいるのだ。
デビュー曲となった「Rocketeer」では、アグレッシブな印象が強かったINI。
だが、「How are you」では、まったく異なるアーティスト性を提示する。
カラー違いの楽曲を通じて、INIのアーティストとしての潤沢さをみせつける。
この守備範囲の広さにもぐっときてしまうのである。
12月末、これまた凄い曲に出会ってしまったなー感が、ふつふつと沸き起こっている。
まとめ
様々な音楽が毎日放たれる日本の音楽シーンにおいても、圧倒的な存在感を解き放つINIの楽曲。
まだ世に発表された楽曲は必ずしも多くないが、それでも楽曲ごとに途方もないワクワクを与えてくれる。
そして、曲を聴くたびに思う。
2022年、より大きなステージを羽ばたくことを予感させられるよなー、と。
今は、それが楽しみで仕方がない。
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