前説

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Sexy Zone「RUN」がとても良かった。

もともと、今年リリースされたアルバムの「POP × STEP!?」が良かったので、勝手にハードルを上げていたんだけど、その期待を一切裏切らない作品だった。

なぜ「RUN」が良いと思ったのか。

そのことをこの記事で書いていきたい。

本篇

楽曲の構成が心地よい

この歌は、17秒ほどのイントロが始まってから歌が始まる。

昨今はイントロはカットして、いきなり歌入りから始まる歌も多い中で、「RUN」はまず<音楽>として勝負をしかけてくるわけだ。

イントロって、漫才で言えば掴みだし、ドラマで言えば導入にあたる部分。

ここで失敗をすれば、そのあとがそれなりに良くても「微妙」の烙印を抑えれかねない、そんな場所である。

んだけど、Sexy Zoneの「RUN」はまず、このイントロがすごく良いのだ。

アコースティックギターの丁寧なカッティング、その後ろでアレンジに盛り上がりの色をつけるエレキギターの音。

シンセサイザーの響かせ方もストリングスの差し込み方もドラムのリズムパターンも、そのどれもがとても良いのである。

ここからワクワクする何かが始まるに違いない。

そんな気分になるのだ。

「RUN」というタイトルがここまでピッタリなイントロもそうはないのではないだろうか。

で、イントロが始まるとAメロ→Bメロ→サビという王道の構成で一気に駆け抜けていくんだけど、その盛り上げ方が絶妙なのだ。

Aメロは一旦、音数を減らして、静かな闘志みたいなものを見せつけてくる。

Bメロになると音が増えて、楽曲に展開を生み出していく。

で、どんどんどんどんどんどん楽曲のボルテージを上げていったところで、どかーんとサビに向かっていく。

このサビもAメロで作ったフリをきっちり活かすような、求心力があってキャッチー内容になっていて、楽曲の世界に沼っていく心地を覚えるのだ。

メロディーが良いから沼っていくという話に集約されがちだけど、でも、それだけではないのも重要なところで。

これって色の付け方が巧みな優れたアレンジと、Sexy Zoneの凛とした強い歌声があるからこそ為せる技だと思うから。

そう。

聴けば聴くほど、主役はやっぱりSexy Zoneの歌だなーと思えるのである。

素早くパートを切り替え、それぞれが主役になっている歌の流れ。

スキを生むことなく、最後まで楽曲が素晴らしいのは、Sexy Zoneが繋ぐ歌のリレーが美しいからである。

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変化するBメロ

もうひとつぐっときたポイントがあって。

それは2番のBメロである。

聴いてもらったらわかるんだけど、1番と2番のBメロでアレンジが変わっているのだ。

2番のBメロは一番のBメロと違って、洒脱なエレキギターのカッティングが主体になるパートがあるんだけど、その切り替わり方が絶妙なのだ。

アレンジの音数がここぞのポイントで変化することで、Sexy Zoneのボーカルがよりより生き生きとしてくるのだ。

1番と2番の変化におっとなるし、1番とは違うボーカルの魅力が出てくることで、より楽曲に引き込まれていくのである。

Sexy Zoneというグループだからこその魅せ方だなーと改めて思う。

なんせ、Sexy Zoneってメンバーごとに素敵な個性がある歌声だから。

そして、「RUN」においては、それぞれのメンバーの声が映えるような構成になっているのだ。

Bメロのアレンジの変化もそのひとつと言えるのである。

というのも、メンバーごとに力が発揮できる形って当然違うはずで。

スピード感のあるパートでこそ良さが発揮できるボーカルもいれば、音数が減ったところで官能的な息遣いで魅了するボーカルもいる。

「RUN」の場合、その「それぞれ」がもっとも良い形で放たれているように思うのである。

だからこそ、楽曲のアクセントとしてのアレンジの変化を気持ちよく堪能できるし、Sexy Zoneのボーカルの華麗さにうっとりすることにもなるわけだ。

まとめ

特筆したいのは、多大になっているはずの新作への期待をスマートに飛び越えていったSexy Zoneの凄さである。

この記事では、アレンジの素晴らしさやメロディーの素晴らしさを重点的に言葉にした感があるけれど、ベースにあるSexy Zoneのボーカルの素晴らしさがあるからこそ、この歌は輝いたことは改めて言葉にしておきたい。

というよりも、Sexy Zoneが優れたアーティストだからこそ、より彼らが輝く歌を引き寄せることができた、と言ってもいいかもしれない。

少なくとも、「RUN」という歌は、Sexy Zoneが歌うからこそより輝いたと言えることは間違いない。

聴いていて思ったけれど、普段は邦ロックとかしか聴かない人でも「RUN」はめちゃくちゃ刺さると思う。

ジャニーズはちょっと苦手という人ほど、ぜひ一度聴いてみてほしい楽曲である。

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