前説
04 Limited Sazabysの記事を久しぶりに書きたい。
なぜ、フォーリミこと04 Limited Sazabysが好きなのか、ということについて。
本編
開拓したジャンルについて
正直言って、ロックのジャンルってもう出尽くしたところがある。
The BeatlesもSex PistolsもGuns N’ RosesもNirvanaも、過去のものとなった今、ロックは組み合わせ妙で魅了することはあっても、抜本的な新ジャンルは生み出せなくっている。
Post Maloneみたいに、こういうものも「ロック」と呼んでいいんだ、という意味で新しいロックが生まれることはあるけれど、バンドから生み出されるロックジャンルにおいての更新は難しいのが実情だと思う。
もちろん、日本ロックシーンで存在感を示すバンドの多くが、自分たちならではの武器をもってして、個性を出しているが、どうしても「ポスト○○」という呪縛がそこにはあるように思う。
確かにジャンルとしてのロックはすでに飽和状態なのかもしれないと思う。
でも、それでも、今までとは違った感触の音を響かせ、少なくともそのジャンルでは今までなかったような広がりを生み出すバンドというのもいるのだ。
その筆頭が04 Limited Sazabysだと思う。
ジャンルという意味では、フォーリミのルーツはパンクロックにあるのだと思う。
でも、今までのパンクロックとはまったく違った部分もたくさんあった。
例えば、パンクロックってシンプルで短い音楽が一般的なイメージである。
でも、フォーリミってパンクロックの中ではテクニカルというか、ビートの刻み方が細かく、サビへの展開も独特であることが多い(キーの変え方とか)。
パンクロックだけではない
また、アルバムごとにカラーが変わるのも特徴で、かなりポップな路線に舵をきったこともあった。
「eureka」というアルバムは、特にフォーリミが持つポップな部分にスポットを当てたアルバムになっている。
で、ここが重要なんだけど、ポップに舵を切ったからといって、決してフォーリミの枠からははみ出ていないのである。
そりゃあ好みで言えば、あれが好きこれが好きはあるだろうけれど、今までとはまったく違う音楽アプローチをしても、誰かの音楽を真似した感が出てこないのである。
ソリッドなサウンドがウリだったバンドがポップに切ると「やらされました」感が出るバンドも少なくないんだけど、フォーリミの場合、ポップがエッセンスになって違う魅力を引き出してくるのである。
おそらくこれはGENの作る歌がもっともポップ的な魅力をはらんでいるからだと思うし、本人のルーツ的にもポップソングをたぶんに吸収してきたから、その部分の個性が光っているだけで、まったく無理がないのである。
こここそが、フォーリミの凄さであり、大きな持ち味だと思うのだ。
パンクロックが軸にはあるんだけど、ポップスを乗りこなすセンスもあるし、なんならいわゆるサブカルにも造形があるので、そういう広げ方ができるセンスも持ち合わせている。
特に、「SOIL」というアルバムでは、パンク的なノリとサブカル的な感性が気持ちよく混合しており、フォーリミにしかできないジャンルにロックを落とし込んでいたように思うのだ。
「Galapagos」は、そういう代表曲だと思う。
まとめ
これって、フォーリミにしかできない芸当だと思う。
こうやって音として鳴らされているそれを一言で示すと、ロックを新たな境地に押し上げたのではないかと思う。
様々なジャンルを自分たちの引き出しにして、それを上手にミックスさせながら、他のバンドにはできない形にロックを再解釈する。
それってまさしく、新しいロックジャンルを生み出したということにほかならないから。
それって、フォーリミだからこそ成し遂げることができた偉業だと思うのだ。
もちろん。
フォーリミの歴史はまだまだこれからだと思う。
自分たちにしかできない新しいカルチャーを生み出すことが自分たちの夢だと語るフォーリミは、きっと他のバンドではできないワクワクを音楽であれ、アートワークであれ、映像媒体であれ、イベントであれ、仕掛けてくるのだと思う。
そして、それが交錯していくような形で、どんどん今までにはなかった「体験」を生み出すことに繋がっていく。
04 Limited Sazabysというバンドが、新たな伝説をきっと作り上げていく。
そんなワクワクを宿してくれるから、僕はフォーリミというバンドが好きなのである。
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