2019年はたくさん記事を書いた

自分で言うのもなんだけど、2019年はたくさん記事を書いたと思うのだ。

しかも、今年は自分のこだわりとして、今までブログで取り上げてこなかったバンドやアーティストを積極的に取り上げられる内容の記事を努めてあげてみた。

理由は色々あるんだけど、このブログを流し読みするだけでも、色んなアーティストやバンドに出会えるものにしたいと思ったのだ。

だって、そっちの方がなんとなくワクワクするやん!みたいなところが、端的な理由だったのである。

とはいえ、普段とりあげないバンドをたくさん取り上げると、例年は頻繁に取り上げていたのに、すっかり名前を出すのがご無沙汰になったバンドもいる。

04 Limited Sazabysの話

そう考えた時、04 Limited Sazabys(以下、フォーリミ)の名前を出す頻度も、グンと下がってしまった気がするのだ。

というわけで、この記事では久しぶりにフォーリミのことを書きたい。

んで、話の中心になるのは、今年リリースした「SEED」の話で。

このシングルが、よかったよねーというところからはじめてみたいのだ。

フォーリミってかっこいいんだけど、オシャレというか、カワイイところもあるんだけど、男臭いところもあるというか、相反するふたつのギャップを持ち合わせ方が絶妙、みたいなところがある。

例えば、今作は“缶”をパッケージにしてCDを発売したわけだ。

CDを発売することひとつとっても、デザイン性を大事にしていて、カワイイとかオシャレの部分を大切にしている。

でも、作品の中身だけで言えば、「サブカル」な匂いなんて特段感じさせない、かっこいいナンバーが展開されている。

ここもギャップが冴え渡っていて、そんなフォーリミにやられてしまうのである。

さて、「SEED」には3曲収録されているが、3曲とも色が違っていて、カラフルな作品となっている。

SEEDの一曲目に収録されている「Puzzle」は、フォーリミらしい疾走感が冴え渡っている一曲である。

決してサビは速いテンポで突き進むわけじゃなくて、イントロとは違うテンポで刻んでいるところがいつものフォーリミとは違うのかもしれないが、GENのハイトーンボイスが気持ちよく響く、フォーリミならではのメロディアスなロックナンバーだと思う。

MVも作られた「Montage」はギターの音を歪ませており、フォーリミらしい攻撃的なサウンドが繰り広げられる。

でも、この歌、Bメロに入ると、雰囲気が大きく変わる流れになっており、今までのフォーリミの攻撃的なナンバーとは少し表情が違う作品になっているのだ

2番のAメロでは語りにも似た早口パートを挟んでおり、目まぐるしい勢いで曲の展開が変わるところも特徴。

ゆったりとしたかと思えば、Cメロ前には激しいドラムソロが入っているし、本当に不思議な楽曲なのだ。

「Cycle」もライブで映えそうなナンバーであり、聴いていてすごく気持ちが良い。

3曲全てを聴いて思うのが、フォーリミに限って言えば、そこまでアリーナとかそれより大きなキャパで音を鳴らすことを想定していないんだなーという感覚なのである。

この先の04 Limited Sazabys

例えば、ボーカルが同い年のバンドということで名前を出させてもらうと、ワンオクなんかは明確に世界に挑む意志を見せているし、新曲もそういうモードの曲をリリースしている。

WANIMAもテイストとしてはわかりやすいロックであるけども、歌詞の言葉選びなんかを見ていると、よりたくさんの人に届けるための音楽を意識して作っているように感じる。

そうでなくても、同世代のバンドは、ホールとかアリーナで披露することを意識したような、壮大な歌を作っていることが多い。

フェスである程度集客しているバンドは、次のフェーズを見据えて、そういう動きをしがちである。

が。

フォーリミは違う。

フォーリミの新曲は、明確にライブハウスで鳴らすことを意識された歌となっている。

一時期はフォーリミもゆったりとしたサウンドを作り始め、たくさんの人に届けることに舵を切っていた時期もあるけれど、今回の作品を聴く限り、変な迷いはなくなっているように感じた。

ライブハウスで天下を取るぜ、みたいな意欲がはっきりと見えるのである。

もちろん、パンクとかメロコアばかりを聴く人以外にも、引っかかりが生まれるような仕掛けは作っていくことだろう。

でも、根本にある音楽とロックなのだろうし、ライブでの勝負場所は、ライブハウスということなのだろう。

そんな意志が作品から見えてくるのである。

もちろん、地元では大きなライブをやっているけれど、それはあくまでもひとつの寄り道でしかないというか。

もちろん、本人たちの思惑はもう少し別のところにあって、自分たち発信のカルチャーを作るというところにあるのだろうけれど、土台としてあるのがロックであり、ライブハウスであるというメッセージを感じさせる作品を作ってくれるところは頼もしいし、そこがはっきり見えるからこそ、新曲がめっちゃ良いんだよなーと感じるのである。

まとめ

“缶”でCDを発売すると知ったときは、もっとサブカルな方向に転がるのかなーと思っていたフォーリミ。

でも、内実はロックバンドとしてのドキドキを大事にさせる音楽を作り出したのだった。

WANIMAがすっかりライブハウスのヒーローではなくなった(コレ自体は良いことだと思っている)からこそ、フォーリミのこういうストレートな部分にカッコよさを覚える。

他のバンドとは違うところに目標を置いているフォーリミというバンド。

彼らの次なる挑戦がどんなものになるのか、今のうちからワクワクする次第である。

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