2026年になる前に、「作品」に触れてみてほしいバンド特集

2026年になる前に、「作品」に触れてみてほしいバンド特集

2025年→2026年になるにあたって、来年注目のバンドは何ですか?という切り口で考えることが増えてくる。ブレイクする/しない、は時の運も絡むと思うし、話題になる=正義、というわけでもないと思うから、そういう視点では責任がもてない部分もある。

でも、自分視点での「おすすめは何ですか?」であれば名前を挙げたいバンドはたくさんいる。ということで、[musicる](https://x.com/musicru_tv/status/1995795079135457619)や[リアルサウンド](https://realsound.jp/2025/04/post-2003329.html)なんかで、定期的にそういう場をもらって色んなバンドを紹介してきた2025年。

一度名前をあげたバンドも含め、2026年が見えてきたこのタイミングで、もう一度プッシュしたいバンドを選んで紹介してみたいと思う。

まあ、本当に好きなバンドの名前を挙げだしたら、数がえらいことになるので、どうしても絞ったうえでの紹介にはなるわけだけど、渾身のラインナップという意味では間違いないので、ぜひこの機会に紹介したバンドのことを知ってもらえると嬉しい限り。

では、どうぞ。

板歯目

東京発の若手ロックバンド。「爬虫類系ロックバンド」というキャッチコピーでシーンを賑わせていたあの頃。そこからバンドとして色んなフェーズを経験しながら、より強固になったロックバンドとしての圧倒的な切れ味。ユーモアもかっこよさも兼ね備えた唯一無二のアンサンブル。知る人ぞ知るライブバンドもより油がのってきた感があって、2026年もう一段階大きくなる予感。初期の板歯目を知っている人ほど、最新進化系の今の板歯目を目撃してほしいと感じるばかり。

chef’s

「おいしいおんがく」をコンセプトにしたバンド。キャッチーでポップな魅力がひとつでありながら、そういう切り口だけではこのバンドの魅力の10分の1も語れないという事実。芳醇な引き出しの中で繰り出される楽曲変幻自在なアプローチは職人的。あと、「おいしいおんがく」というコンセプトから、chef’sというバンド名が決まった背景も踏まえ、どの作品でもコンセプトの研ぎ澄ませ方がエグい。epとか、大きいサイズの作品ほど、その素晴らしさを実感しがち。

Broken my toybox

ジャンルにとらわれない自由なサウンドと、ハイトーンボーカルの魅力が炸裂。ポップスからロックまで幅広く、年々音楽的な美しさ濃度が上がりまくっているこのバンド。テクニカルなサウンドアプローチながらも、核となる歌が耳馴染みが良くて、老若男女におすすめできるような間口の広さを音楽の節々から感じる自分。昔から勝手ながらにこのバンドをウォッチしていたけれど、2025年からようやく本格的に大きくなっていく余波を感じている。

OddRe:

端的に言えば、達者。がっつりな若手バンドでありながら、その佇まいや生み出す音楽は玄人のそれ。若手バンドに見えがちな「荒削り」な部分が良い意味で一切見えてこない。どこまでも洗練されているし、澄み切っているし、スキがない音作りを随所で体感できる。あと、楽曲そのもののスタイリッシュ具合も半端なくて、作品の手触りだけみても話題にならないわけがないと感じる全能感がある。リズムもアプローチも気持ちよくて、踊れるロック好きにもおすすめ。

the paddles

大阪寝屋川発のロックバンド。from寝屋川は個人的に好きなバンドが多く、yonigeやBlue Mashなど名前を挙げたらキリがないが、the paddlesもまたそういうロックバンドとしての気持ちよさが炸裂しているバンドだ。ストレートで貫く豪快さ。恋愛ソングだろうが、熱いパッション系の歌詞だろうが、その根本は変わらず、聴く人の胸にダイレクトに突き刺してくる。恥ずかしくなるくらいの感情も、このバンドが歌えば熱を帯びたものになるという意味で、不動の存在。

チセツナガラ

圧倒的な言葉遊びのセンスとキャッチーなメロディー、さらにはスリリングなリズムアプローチが魅力的なバンド。中毒性のあるリズムアプローチというキーワードと、独自性を宿らせたユーモラスというキーワードが、こんなにも似合うバンド、そうはいない。ダンスとロックの融合・・・みたいなバンドの音楽が大好物なリスナーは絶対的大必見。どの楽曲でも飛び跳ねたくなるようなリズムアプローチを体感できるので、まずは一曲、耳にしてほしい。

バウンダリー

大阪が誇るライブバンドの圧倒的な一角。ストレートでエッジの効いたサウンドを武器にした楽曲が多く、等身大の言葉を
溌剌と歌い上げる気持ちよさがある。2025年にリリースした楽曲は、そこからさらにバンドとしての引き出しを拡張していくようなものが多く、こんなアプローチもできるのか?この魅せ方、とてつもなくかっこいいぞを多々目撃したこともあって、かっこよさの皮が1枚も2枚もめくれた感がある。リアルな沼、ここにあり。

セブンス・ベガ

ありそうでなかったような世界観を紡ぐタイプのバンド。懐かしさを感じる部分もあるし、でもより開けたアーバン性を音楽に感じさせてくれるというか。シティーポップ寄りなアプローチだったり、歌謡曲に近いアプローチだったりが多いので、今のバンドのトレンドからみても、新しさを感じさせる要素が多いバンドと言えるのかもしれない。「東京ラブストーリー」のインパクトが特に強かったので、まずはここからおすすめしたい、そんなバンド。

Quw

ミステリアスで穏やかな空気感を持つQuw。公式サイトをみると、男女2人組ユニットという紹介になっているので、バンドを紹介する本記事とはちょっとテイストが変わるんだけど、最近Quwを個人的によく聴いていて紹介したくなったので、ここに組み込んでみる。楽曲を聴くとわかるけど、どれも優しくて丁寧でしっとりしていて胸を打つ。サウンドのトーンとボーカルの表情が絶妙で、鮮やかな音世界を堪能したい人にぜひおすすめしたいアーティスト。

Trooper Salute

シンフォニックなインディロック好きにおすすめしたいそんなバンド。キュートなのに、なんだかマニアック。様々なジャンルを横断するサウンドで、ニューウェイヴな香りもちょっとあるような装い。とにかく、「こういうサウンド」が好物な自分にとって、Trooper Saluteはあまりにもまっすぐに突き刺さった。ハマる人はどこまでもハマるような奥深さと奥行きがあるので、「野菜生活」か「天使ちゃんだよ」をまずおすすめして、この世界に誘いたい。

夕方と猫

大阪を拠点に活動するロックバンド。とにかく音やビートの作り込みが秀逸で、楽曲を聴くたびにぐいぐい引き込まれていく面白い仕掛けをたくさん感じられる。ライブの佇まいや魅せ方も達者だし、2025年はバンドとして色んなフェーズを経た果てに大きな進化もみせつけているので、そういう意味でも2026年が楽しみ。楽曲を聴くと、他のバンドでは聴かないようなエッジの利いたフレーズやワードを組み込んでいるのも、このバンドの特徴。

カラノア

様々なジャンルを織り交ぜながら、達者な世界観を作り上げるバンド。「番」を聴いてもらうとわかるけれど、サビのインパクト、Bメロの存在感、変化を繰り返す隙のないサウンド。とにかくあまたの魅力が炸裂していることがよくわかるバンドである。バンドとしてのベースのサウンドと、それ以外のサウンドの組み合わせ方が秀逸で、故に爆発力のあるビートメイクを展開している印象。歌の中での緩急のつけかたも素晴らしい作品が多い。

でかくてまるい。

北海道発のロックバンド。がむしゃらでシンプルという言葉が似合うタイプのバンド。拳を突き上げてライブを楽しむことができるタイプのビートメイクというか。ロックバンドのサウンドには余計なものはいらねえ、ビートメイクはなるべくシンプルなものが嬉しいぜえという派閥の人にはぜひおすすめしたいタイプのバンド。ボーカルの声が強くてどんなタイプの楽曲でもすこーんと耳に入ってくるのが好き。

ミーマイナー

技巧的だし、言葉選びも秀逸なミーマイナー。作品に対するこだわり、しかもそのこだわり方の方向性という意味では唯一無二のバンドではないかなと思う。ミーマイナーだからこそのアプローチで、ときにキャッチーに、ときに深淵にもぐるような奥深さでもって、歌の中の物語を躍動させていく。作品を聴くとなんだか「可愛い」雰囲気もあるが、ライブで聴くと実はパワフルさがあるというのもこのバンドの強烈な魅力。

まとめに代えて

ということで、ジャンルも界隈も関係なしに、好きなバンドをどどんと紹介してみた次第。

どのバンドも間違いないバンドばかりなので、知らないバンドがもしいたなら、このタイミングで知ってもらえたら嬉しい限り。

では、今回はこの辺で。

ではではでは。