ハルカミライという名前がややこしい
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初めてその名を聴いたのがいつのときだったかはもう忘れちゃったんだけど、初めてその名を見たときにパッと頭に浮かんだのが「ハルカトミユキ」だった。
ハルカトミユキとはキーボードが音の主体となるユニットであり、メンバー自身は銀杏BOYZとかニルヴァーナとかを愛好しているらしいが、全体のサウンドとしてはゴリゴリのパンクロックというわけではない。
フォークが主体の歌もあり、ポップなテイストの歌もあり、幅は広いが、少なくともパンクロックのユニットではない。
何が言いたいかというと、ハルカミライという名前を聴いたときに頭に浮かんだのがハルカトミユキだったため、勝手にハルカミライもハルトミユキみたいな音楽をするのかなーと想像してしまったのである。
だから初めて、ハルカミライを初めて聴いたとき「思ってたのと全然違う」という衝撃があった。
そもそもハルカトミユキを抜きにしたとしても、名前の感じ的に、絶対にオシャレなポップユニットだと思っていたのだ。
なんか名前がかわいいし。
でも、蓋を開けてみたらまったくの逆。
自身のメッセージをストレートに伝える、シンプルな日本語ロックのバンドという感じだった。
で、正直、初めて聴いたときは他のバンドとは違うわかりやすい飛び道具がなかった(ように見えた)ため、そこまで印象に残らなかった。
悪い言い方をしたら、爽やかめの青春パンクロックでしょ、と勝手にカテゴライズをしてしまったのである。
THE NINTH APOLLO に所属しているバンドだということはわかっていた。
で、ナインスに所属するバンドって、シンプルなギターロックのバンドが多い。
ただ、ナインスのバンドの多くは、そのシンプルさを刃物のように研ぎ澄ませている。
そして、激しさとかエモーショナルなところに昇華させて、他を寄せ付けない圧倒的なパフォーマンスをするイメージがあった。
んだけど、ハルカミライの楽曲だけを聴くぶんには、そんなイメージが全くできなかったのだ。
楽曲を聴いた限りのイメージでは、ハルカミライはえらくクリーンに見えてしまって、あまり引っかかりを感じなかったのである。
それこそTwitterなんかでハルカミライはやばいですよ、みたいなことを言ってくる人を見かけても、「いやいやいやどうせ大したことないでしょ」って勝手に思っていた。
偏見は本当に良くないと思う。
そして、ライブすら観ないままに、2019年が来てしまった。
それでも、ハルカミライの評判はえらく高かった。
特にライブを観た人は、間違いなく口を揃えて、こう言っていた。
ハルカミライのライブはやばいぞ、と。
それに追い打ちをかけるように、某バンドマンは「こいつらと同期じゃなくて本当によかった。こんなすごいライブをやるやつが同期にいたら絶対に凹んでしまう」みたいなことを言っているのを見かけて、少しずつ、気になってきたのだ。
そうか、本当にやばいのか。
じゃあ一体どうやばいのだろう?
気になってくる。
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ハルカミライはややこしい
どこかで一度はハルカミライのライブ観ないとなーと思っていたら、たまたま自分が足を運ぶ日の京都大作戦に、ハルカミライが出演することを知った。
これは観なくては。
そう思った僕は、ハルカミライのステージに初めて足を運んだ。
結論から言おう。
ハルカミライをやばいと言う人の言葉通り、ハルカミライのライブはやばかった。
なんというか、会場全体を自分たちのモノにしてしまう制圧感がとんでもなかったのだ。
ボーカルの橋本が、常にステージに降りていて、常に人の上に立ちながら、何かにとりつかれたように歌っているサマもすごかったが、単に客席に降臨しているからすごいとか、そういうレベルの凄さではなかった。
客席に降臨したままボーカルが行方不明になってしまい、それでも客席で歌い続けるサマはもちろん圧巻だったが、それだけじゃ説明のつかない制圧感がハルカミライのライブにはあった。
楽曲だと「爽やかな青春パンクロック」程度の印象しか残っていなかった楽曲の数々が、とんでもない迫力で披露されていく。
思った。音源だけで、こんなにやばいなんて思わないわけないやん、と。
こんなの楽曲詐欺だよって思うくらいに、攻撃的で衝動的でエネルギッシュなライブをしていた。
もちろん、きちんと楽曲を再現するという意味でも十分にしっかりとしていたし、目を閉じていたとしても、ハルカミライのライブは十分にやばいと感じられるレベルのものだった。
音だけでも、きちんと会場を制圧していた。
正真正銘のライブバンドとしての凄さがあった。
曲ではちっとも良いと思わなかったバンドに、京都大作戦のステージというたった30分しかないステージで、魅力されっぱなしだった。
そのライブを観てから、彼らに対する評価は180度変わった。
バンドはライブを観ないとわからないとはよく言うけれど、ここまではっきりと評価を転覆させられたのは久しぶりだった。
こんなパフォーマンスをライブハウスで魅せつけられたら、しかもフルセットで叩きつけられたのだとしたら、そりゃあ虜になってしまうよなーと思う、そんなライブだった。
まとめ
正直、まだ彼らをライブハウスでは見ていない僕が、偉そうに語れることは何もない。
けれど、きっとライブハウスで彼らを見れば、もっと「やばい」気持ちにさせられるんだろうなーということだけは、わかる。
曲を聴いただけでは、こんなにもライブがかっこいいバンドなんて思わなかった。
本当にややこしいバンドだなーと思う。
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