前説

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今年さらに大きく飛躍するんだなーと感じるバンドっていくつかいる。

この「飛躍」って色んな意味合いがあると思うけれど、自分なんかは、届いている界隈のもうひとつ外側に届くような状態を飛躍と考えている。

さて。

そう考えた時、SHE’Sもまた、今年ひとつふたつ、そのレイヤーを飛び越えて、自分たちの音楽を多くの人に届ける存在になると思っている。

なぜか?

端的に言えば、しかるべきタイアップのタイミングで、しかるべき楽曲を届けているからだ。

やっぱり、タイアップというのがもっともわかりやすく音楽を新たなリスナーに届けることができるタイミングだと思う。

つまり、タイアップのときにどういう音楽を届けるのか重要で、タイアップのタイミングでここぞの楽曲をぶつけることがアーティストは強いと思っていて。

そうかんがえたとき、SHE’Sはそこが間違いないのである。

特に近年のSHE’Sは、そこが特に素晴らしいと思っていて。

そのことをきっかけにしながら、話を進めていきたい。

本編

「追い風」の魅力

新曲の「追い風」はドラマ『青のSP(スクールポリス)―学校内警察・嶋田隆平―』の主題歌である。

僕はこのドラマを観ていないので、ドラマの中でこの楽曲がどう機能しているのかは知らない。

んだけど、SHE’Sらしい世界観が全開に鮮やかなポップチューンがたまらないよなーと思う。

SHE’Sの持ち味はメンバーに鍵盤がいることだ。

しかも、その鍵盤がボーカルであり、楽曲の作詞作曲を担当しているということがポイントで。

ピアノロックバンド、という言葉をバンドのキャッチコピーのひとつにしているわけだけど、鍵盤がサウンドの中で主体的に音を構築していくのはSHE’Sの持ち味であり、魅力だと思っている。

バンドのサウンドに+で鍵盤が入りましたという感じではなく、土台として鍵盤がいることが大きな強みになっているように思うわけだ。

「追い風」もまた、そういうSHE’Sらしい魅力を持っている。

鍵盤主体で音を構築していくからこその眩しいポップチューン。

良い意味で、バンドらしさにこだわっていなくて、バンドの外側の音を無理なく取り入れているところが良いよなーと思っている。

でも、単純なる脱バンドサウンドなのかといえばそんなこともなくて、間奏部分ではアグレッシブなギター・ソロを展開していく。

この辺りのバランスも良いよなーと思う。

で。

ドラマ主題歌というとても重要なタイアップにおいて、間口が広がりそうな、綺羅びやかで求心力のある楽曲をぶつけてくるSHE’Sが凄まじいなあと思うのである。

おそらくタイアップとして先方が望んでいるものをしっかり汲み取りつつ、SHE’Sの魅力もきっちり楽曲の中に落とし込んでいく。

だからこその輝きを「追い風」は放っているように思う。

その感じがたまらないし、この辺りの感性全振りな感じが素晴らしいのである。

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タイアップごとに変わりゆく色

ただ、SHE’Sってポップで綺羅びやかな歌を歌うだけのバンドというわけでもない。

ここが重要なポイントだと思うんだけど、SHE’Sってタイアップごとに絶妙にその色を変えていくのだ。

「Higher」は第92回センバツのテーマソングに起用された歌だったけど、センバツのテーマソングが納得の疾走感とみなぎる闘志を感じさせるアッパーな一曲になっている。

任天堂「あつまれ どうぶつの森×Nintendo Switch Lite」のCMの起用で、多くの人が耳にした「Letter」は、また他のタイアップ曲とはまた違うSHE’Sの魅力を投じた一曲である。

こういうしっとりかつ素朴な歌でも、ぐっとくるからこそSHE’Sは目が離せない。

箱根駅伝のCMに起用された「Your Song」もまた、前述の楽曲たちとは違うカラー曲である。

タイアップのために描き下ろした歌もあれば、楽曲が出来上がったあとにタイアップに決まった歌もあるとは思うけれど、各タイアップごとにきっちりとハマる色を提供できるところがSHE’Sの凄まじさであることは確かだと思う。

色んなタイアップにハマるということが凄いと思うわけだ。

で、これってSHE’Sの音楽が、色んな人の生活にハマることを意味していると感じていて。

特定の人に刺さるって感じじゃなくて、色んな人の生活にSHE’Sの音楽って寄り添う力があるのかなーと思っていて。

売ろう、売れようとしていくのではなく、SNS一発でバズるとかでもなくて、気がついたらその音楽が広がっていき、たくさんの人の日常の中に溶け込んでいくようなイメージ。

SHE’Sの音楽って、そういう雰囲気を持ち合わせている気がするのだ。

気がついたらSHE’Sの音楽が日常の中に溶け込む人が増えていく気がするわけだ。

だからこそ、自分はSHE’Sが今年大きくハネていくと思うのである。

一本釣りで手に入れた地位ではなくて、じわりじわりとその存在感を強め、楽曲を研ぎ澄ませていたバンドだと思うから。

つまり、今年。

誰よりも追い風が吹いているのはSHE’Sなんじゃないかなーと思うわけである。

まとめ

ずっと追いかけている人からすれば、もう十分に売れたと思っているとは思うけれど、さらにSHE’Sの音楽は広がっていく。

そんなイメージがずっとしているのである。

それだけ素晴らしい音楽を立て続けに生み出してきたと思うからだ。

これからの進化がさらに楽しみである。

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