前説

秋山黄色が新しい楽曲を発表した。

タイトルは「サーチライト」。

ドラマ「先生を消す方程式。」の主題歌である。

というわけで、この記事では、その「サーチライト」の感想を書いていきたい。

本編

サーチライトの話

初めて聴いたとき、「サーチライト」は、実に秋山黄色らしい歌だなーと思った。

他の人はどうだかわからないが、自分はそのように思ったのだ。

なぜか。

それを今から説明しようと思う。

まあ、そもそも秋山黄色らしさを一言で言葉にするのは難しい。

色んな魅力があるボーカルだと思うから。

色んなタイプの楽曲を歌い、生み出す人だから。

でも。

自分の中での秋山黄色の魅力の大きな要素として挙げるとすれば、ロックバンドよりも「ロック」をやっているところになる。

「サーチライト」もまた、ロック色の強い楽曲だと思うのだ。

攻撃的なギターサウンド。

強いサウンドにも一切負けない力強いボーカル。

躍動するバンドサウンドと、強いボーカルのアンサンブル。

こういう所に、秋山黄色らしさを感じるのだ。

「サーチライト」は、そんな秋山黄色らしいロック色が全開になった一曲だと思う。

アグレッシブなギターサウンドが痛快で、間奏ひとつとってもゴリゴリのロックサウンドが展開される。

アウトロなんか、もう完全にロックバンドの終わり方である。

絶対、ライブたととんでもなくステージで、秋山がギターをかき鳴らすんだろうなーと思ってしまう。

躍動する映像が、当然のように頭に浮かんでくる。

でも、である。

秋山黄色はバンドではないのだ。

ここがポイントである。

自分のやりたい音楽をやった結果、表現したいアウトプットを行った結果、自分の楽曲がロック色に染まった、そういうタイプのアーティストである。

自分は、秋山黄色のことをそのように捉えている。

だからこそ。

ロックの突き抜け方が、ただただ気持ち良いのだ。

なんというか、ロックであることに計算を感じないというか。

楽曲から、ビジネスロック臭みたいなものをまったく感じないというか。

結果、ロックになってしまっただけの歌だからこそ、そのロックにどこまでも嘘がない。

そんな感じがするのだ。

そういうトータルをみて、「サーチライト」にはものすごく秋山黄色らしさを覚える。

そういう話である。

キャッチーと荒々しさのはざまで

ただ。

単なるロックチューンではないよなーという所感も、「サーチライト」を聴いて感じたところ。

どういうことか。

この歌って、サウンドはロック色が強いけれど、メロディー展開は美しくて、ある種の王道感も覚えるのだ。

タイアップソングだからこその求心力を、メロディーラインから感じるわけだ。

やっぱりドラマ主題歌なわけで、「大衆」にも目配せしているものを感じられて、それがメロディーの美しさに反映されている。

ロック色の強いバンドサウンドがまずは大きな印象を与えるが、この楽曲には、絶妙なポップネスも内包していることに気づくわけだ。

思えば、これも秋山黄色の魅力だよなーと思っていて。

当たり前だが、秋山黄色って別にバンドの人ではない。

アウトプットの特徴や、パフォーマンスのテンションをみると「ロック」という言葉で特徴を説明しやすいんだけど、それは秋山黄色の特徴のひとつであって、全てではない。

ポップのツボを押さえた楽曲展開もまた、秋山黄色の魅力の一つなのだ。

人によっては、米津玄師的な文脈で秋山黄色を捉えている人もいる。

その捉え方の良し悪しは置いといて、そういう言説が出てくる理由を考えたら、秋山黄色のポップさ見えてくる気がする。

きっとポップな色合いもあるメロディアスなラインに(と前髪の長い見た目)に、ある種の米津玄師との繋がりを見出すのかなーと思うからである。

話は脱線したが、一度聴くと耳馴染み、口ずさみたくなるキャッチーなメロディーも「サーチライト」の魅力だよなーと思うのだ。

こういう綺麗なメロディーを、メロディー売りなアレンジにせず、ゴリゴリなロックサウンドにのせるところが、良いんだよなーと改めて思うのである。

まとめ

秋山黄色の魅力が詰まった「サーチライト」。

秋山黄色をよく聴く人にも、あまり聴いてこなかった人にも、ぜひ「届いて欲しい」一曲だなーと思う。

なぜなら、自分はこの楽曲がすごくすきだから。

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