ネタバレしながら語り続ける三浦大知のDAICHI MIURA LIVE TOUR 2023 OVERの話

2023.10.05(木)。

自分は、DAICHI MIURA LIVE TOUR 2023 OVERの大阪・フェスティバルホール公演に行った。

感想は端的に言うと、凄かった、になる。

ただ、その凄さを言葉にするのは少し難しいというか、野暮な気がしたので、しばらくは書かずにおいていたんだけど、梅田サイファーと三浦大知が、「キングオブコント2023」オープニング曲を手がけるというニュースを観たとき、ふいに三浦大知のあのときのライブの感動をふつふつと思い出す自分がいた。

自分なりの形で、あの日の感動を言葉にしたい。

そんなことを思う自分がいた。

そこで、この記事では、その感想を書いてみたいと思う。

なお、ネタバレなどは気にせずに書こうと思うし、曲や演出についても随時触れようとは思っている。

なので、もし今後ツアーの別公演に行く予定でネタバレが嫌だ、という方はこの記事に関しては、ライブを観に行ってから目を通してもらえたらと思う。

了解してもらった方は以下の文章を読み進めてもらえたらと思う。

では、どうぞ。

 

 

 

 

 

 

ほんとのほんとに、どんどんネタバレするから気をつけてね

ではどうぞ

 

三浦大知のライブの凄さ

今回のライブのTOPを飾る楽曲は、この歌だった。

そう。

「能動」だ。

いやね、マジでこの楽曲を披露した段階で、色んな意味で格が違っていた。

「能動」って音源を聴く限りで、これ、どうやってライブで披露するんだろう、歌だけでも大変そうなのに、ここに激しい踊りも加わったら、流石の三浦大知も苦しいことになるのではないか。

そんな想像ができてしまうくらいの楽曲だった。

実際、自分もこの楽曲がどういう風にパフォーマンスされるのかは楽しみであった。

音源でくらったからこそ、余計にである。

で。

さんざん待ったあとでばーんと三浦大知が出てきた、という興奮を差し引いても、三浦大知が生で披露する「能動」の興奮は筆舌に尽くし難いものであった。

音源で感じたあの興奮を、完璧な形でステージ上で披露していたから。

いや、この言い方は誤解を招くかもしれない。

音源通りのパフォーマンスを行っていただけなら、冒頭で「格が違った」とまでは表現していなかったかもしれないからだ。

三浦大知が凄かったのは、音源通りのパフォーマンスを行う、の一歩も二歩も上をいくパフォーマンスを行っていたからだ。

どう違っていたのか。

ここを丁寧に言葉で表現するのは少し難しいんだけど、ダンスのキレが素晴らしい中で、どこまでも伸びやかなボーカルを絶妙な緩急をつけながら繰り出していく感じに圧倒された、という他ない。

普通は踊れば歌が乱れるものだが、不用意な乱れ方は一切しない。

そして、とくだん楽曲中に「言葉としての煽り」は行っていないはずなのに、どんどん良い意味で「煽られて興奮していく」心地を覚えるのだ。

パフォーマンスそのもので生まれる高揚感を身体全身で浴びるからこその刺激であった。

そして、そんな温度に毒されている間に、あっという間に「能動」は終わってしまうのだった。

で、その後に繰り出すのが「Backwards」。

ここもかっこよかった。

身体中で感じていた高揚感は、さらにエグいものになるのだった。

しかも、三浦大知の今回のダンスはステージの構造上、「横」だけではなく、「縦」にもどんどん展開される。

というのも、ステージ上に大きな階段があって、そこを巧みな形で使いながらダンスを繰り出すから、ダンスがよりダイナミックになるのだ。

三浦大知以外のダンサーチームのレベルも高いため、曲の中でも様々なフォーメーションを展開していくし、目玉ふたつでは足りないくらいに、色んな「絵」をステージで描くことになる。

これもまた、ライブが生み出す刺激を濃いものにしていたのだった。

しかもバンドがいて、その場で響かせた音と共鳴しながら、ダンスを繰り広げるから、よりスリリングな空間を生み出すことになるのである。

しかし、三浦大知のライブは、こういったダンスの凄さのみで押し切るわけではない。

歌のみで魅せる時間もきちんと用意されているのだ。

特にお客さんの着席させてから、しっとりとした楽曲を歌うパートの流れは圧巻。(また、お客様を座らせるまでの三浦大知のユーモアあるMCも良かった)

個人的に好きな楽曲のひとつである「I’m Here」がアコースティックセットで披露されたのは特にテンションが上がったし、三浦大知のコーラス指導をいただきながら、会場全体で「I’m Here」のコーラスをする流れは、「能動」などとは違う類の感動を与えてくれる瞬間であった。

ライブの中盤も見どころが多かった。

例えば、多くの人によって、きっとその日のハイライトのひとつだった無音ダンス。

ここも凄かったからだ。

これこそ言葉だけでは伝わらないように思ってしまうが、足のステップだけが聴こえる中で、聞こえないはずのビートを確かに感じながら、どんな楽曲の、どんなダンスよりも鋭い切れ味を披露していた。

ダンスのトメと動きの伸びのメリハリがしっかりしているからこそ、無音で繰り広げられるダンスに、どこまでも躍動感が生まれることを実感する。

独特の緊張感と高揚感の中で繰り広げられるし、あれこそ「煽られていないのに、パフォーマンスが凄くて煽られるような高揚感も覚える」の最たるものだったのではないかと思う。

後半では、個人的にもっとも好きな楽曲のひとつである「飛行船」でアッパーかつ幻想的な空気を作り出したり、三浦大知のライブといえば定番のキラーチューンである「EXCITE」で会場全体をアゲアゲにしたりと、ここでも見どころ多数。

行き着く間もないライブとなっていたのだった。

まとめに替えて

一言でまとめると、三浦大知のライブって、ライブの中の展開が多くて、ひとつのライブなのに満足度が数本のライブを観たときのような心地を覚える。

シンプルに歌とダンスで心をつかみ、それを続けるだけでも十分に上質なライブで、最後まできっとスリリングに楽しめるはず。

でも、それだけで終わることはない。

色んなパターンの歌とダンスを披露して観ている人たちを楽しませるし、しっとりバラードで心地よい気分にさせてくれる時間も用意されている。

あと印象的だったのは、MCの時間。

MCでは会場とのコミュニケーションを大事にしており、三浦大知はユーモラスな一面もあって、くすっと笑える瞬間も織り交ぜながら、「全員」がライブに参加できるテンポ感で、ライブを進めてくれるのも印象深かった。

パフォーマンスはバチバチだし他を追随させない容赦のなさがある。

けれど、一方でライブとしては誰も置いてはいかない暖かさがあって、ここも三浦大知のライブの良さのひとつだよなーと思ったわけである。

ボーカルに酔いしれる楽曲を披露したかと思えば、みんなで一緒になって盛り上がる楽曲を披露する瞬間もある。

かつ、ライブではヒットチューンを織り交ぜながらも進めていくんだけど、「過去のあの曲が最高だったね」で終わることはなく、披露された新曲がその上をいくというか、また違う興奮と感動を与えてくれる。

だから、今度リリースされるアルバムの期待値がどんどん上がってしまう・・・という辺りも三浦大知の凄さである。

「EXCITE」のような盛り上げ方もある一方で、「能動」のような盛り上げ方もあるからこそ、の十全と感じた瞬間だった。

結果、ライブとして体感したときの満足度が半端ないし、すべては次のアルバムのリリースが楽しみ!!に繋がっている自分がいたのだった。

ライブが終わってから数週間が経ったので、細かい部分は記憶がポロポロしているんだけど、手元に残った記憶を繋ぎ止めていくと、そういう感想が今は溢れ出て仕方ないという、そういう話。

関連記事:三浦大知の「Pixelated World」の考察。実は極上グルメでもあり変わり種駄菓子でもあった件

関連記事:三浦大知のアルバム「球体」の感想と個人的解釈!

LINEで送る
Pocket