SixTONESの「PARTY PEOPLE」の話

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夏ソングと一口に言っても色んなタイプの楽曲があるし、思い浮かべる楽曲のテイストも人によって異なるだろう。

ケツメイシの「夏の思い出」のような楽曲を思い出す人もいれば、フジファブリックの「若者のすべて」のような楽曲を思い起こす人もいるはず。

そう、夏ソングといっても色んなテイストがあるわけだ。

湘南乃風の「睡蓮花」のようなアッパーさに<夏>を見出す人もいれば、ZONEの「secret base〜君がくれたもの〜」 のような切ない楽曲にこそ<夏>を見出す人もいるはず。

そう、夏ソングと言っても色んな魅せ方があるわけだ。

でも、どんな歌でも夏を感じられるかといえば、そんなことはない。

<夏ソング>と感じられる楽曲には、楽曲が持つ何かがフルスイングしている必要がある。

要は、選ばれた楽曲じゃないと、<夏ソング>であるように感じられないということだ。

そんなことを考えたとき、SixTONESの「PARTY PEOPLE」もまた、どこまでも夏ソングらしさを感じることができる楽曲だなーと思った。

なぜなら、夏ソング的な高揚感がこの曲には感じられるからだ。

この記事では、まずは、そういうところから話を始めてみたいと思う。

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「PARTY PEOPLE」が持つ高揚感

なぜ、「PARTY PEOPLE」に高揚感を感じるかといえば、ノらせるリズムメイクが見事だからだと思う。

いや、ほんと、SixTONES史上、最高といっても差し支えがないようなアッパーさを解き放っている。

楽曲の冒頭から、軽快な楽器のビートとハンドクラップが炸裂していく。

一緒に手拍子を行って、軽快なステップを踏み出したくなるようなグルーヴを感じられる。

MVの映像も夏っぽいんだけど、そういうことを抜きにして、そもそもギラギラな夏感が解き放たれている。

歌詞がどうとか、MVがどうとか、そういうのを超越した地点で、グルーヴが夏感を生み出しているのだ。

ただ、それ以上にポイントなのは、そういう高揚感のリズムを乗りこなすSixTONESの歌声にあると思う。

「うやむや」でも話題になった、ジャンルを越境してしまう各人のボーカルと、歌のリレー。

SixTONESだからこその魅力が、「PARTY PEOPLE」でも大いに炸裂しているように思うのだ。

冒頭のジェシーの歌いこなしから、それを感じる。

冒頭なんて、「パ」と「ヘイ」と「レッツゴー」しか音として発していないはず。

なのに、この段階で楽曲のドライブが大きく加速していくことを実感するのだ。

あと、今回の楽曲は誰かがメインのメロディーを歌唱している際の合いの手が秀逸である。

「イエーイ」とか「オー」みたいな掛け声のタイミングと温度感が絶妙で、故に楽曲の高揚感が増大していくのだ。

ハーモニーとはまた違うラインでの、各人の歌声の交錯の仕方に、「PARTY PEOPLE」の魅力が詰まっているように思うわけだ。

歌割りの秀逸さも含んだ、ボーカルの上手さが、「PARTY PEOPLE」の持つ高揚感を確固たるものにしていく。

もうひとつポイントだと思うのは、「PARTY PEOPLE」は高揚感があるし、アッパーな印象が強いナンバーである一方、そこまでBPMは速くないということ。(これは、人によって意見があるかもだが)

自分のように高速ロックや高速ボカロに慣れ親しんでいる人間からすると、「PARTY PEOPLE」ってそこまで<速い>印象を受けない。

いや、もちろん、早口でまくしてたてるパートもあるし、そこが効果的に響いてはいるんだけど、打楽器がリズム自体は必ずしもそこまで速くない印象を受けるからだ。

実際、リズムの緩急の付け方はどこまでも丁寧なように思う。

例えば、1番のサビ前のジェシーのパート。

ここはわりとテンポが緩やかになっていって、楽曲の空気を瞬間的に変えている印象を受ける。

結果、それが後続のサビの盛り上がりにつながっている。

そう。

このリズムの中の緩急もまた、「PARTY PEOPLE」の高揚感を生み出す理由になっているし、それが機能しているのはSixTONESのボーカルの表現力にあるように思うわけだ。

盛り上げるところは盛り上げるけれど、クールに魅せるところはクールにキメていく。

様々な楽曲を歌いこなし、歌そのもので魅了してきたSixTONESの真骨頂と言えるのではないだろうか。

・・・ということも踏まえてサビを聴いたときの、全員の声が重なる感じの爆発力も素晴らしいと思う。

まとめ

何が言いたいかというと。

「PARTY PEOPLE」がアッパーな曲であることは確かだが、単にアッパーという言葉でくくれる楽曲ではないということ。

というよりも、アッパーに感じるうえで、様々な表現や技法が楽曲に内在しているからこそ、「PARTY PEOPLE」は中毒性を持つ楽曲になっているのだと思われる。

凡庸なる夏ソングに終わらない背景に、SixTONESが持つ歌の表現力が大きく関わっている、そんなふうに思うのである。

なんにせよ、SixTONESが生み出す夏ソングはヤバい。

「PARTY PEOPLE」を聴いて、改めてそんなことを感じた次第。

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