前説

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僕はバンドマンにインタビューしようとある日、思い立ったんだけど、自分はひどく対人コミュニケーション能力が不足している。

思ったのだ。

いきなり生身のバンドマンにインタビューしてしまったら、緊張のあまり「どどどどどうも、ははははは、はじ、はじめて、まままままして」と、コミュ症を発揮してしまい、インタビューどころではなくなってしまう、と。

やはり、ワンクッション置くのが得策である。

そう思ったとき、バンドマンでありながら「人間」ではない知り合いを思いついたのだ。

彼である。

びわ湖くん。

知っている人なら、知っているかもしれない。

ゆるキャラのフリをしたバンドマンだ。

いや、バンドマンのフリをしたゆるキャラなのかもしれない。

どちらでもいいが、格好のインタビュー相手だと思った。

というわけで、この記事ではびわ湖くん(の中の人)にインタビューを試みたので、その一部始終をご覧頂きたい。

本編

びわ湖くんへのインタビュー

–なぜびわ湖くんをはじめたのですか?

びわ湖:金儲けできるかなと思って。

–金儲けをする具体的な企みはあったんですか?

びわ湖:とくにないです。

–じゃあ、びわ湖くんって何者なんですか?

びわ湖:わかんないです。ゆるキャラのジャンル入るんかな?よくわからん邦ロックが好きなゆるキャラかな?

–ゆるキャラって言っても色々あるのに、なんで「びわ湖」のゆるキャラなんですか?

びわ湖:中の人が滋賀に住んでて、びわ湖をモチーフにしたやつがいなかったからです。

–バンドをやっている理由はなんですか?

びわ湖:金がほしくて。

–金儲けをするなら、バンド以外のことでも良いはずなのに、それでもバンドにこだわる理由はなんですか?

びわ湖:(やっぱり)音楽が好きだからですね。

–着ぐるみ着ていて、熱くないですか?

びわ湖:暑いにきまってるやん笑 毎回死にそうになります。

–着ぐるみの暑さ対策を教えてください。

びわ湖:我慢。

–楽曲に対するこだわりお聞かせください。

びわ湖:俺が納得したものしか作らない、納得しなかったら作らない。

–ああいうラウドみのあるサウンドが好きってことですか?

びわ湖:いや、HYが好きやで。

–むむむ。では、バンドでの目標はなんですか?

びわ湖:金になるようにしたいです。

–じゃあ、びわ湖くんとしての目標はなんですか?

びわ湖:お金がザクザク溢れるくらいに欲しいです。

–じゃあ金になるならバンド以外の活動でもありってことですか?

びわ湖:なんでもありですね!金になればなんでもします!!

まとめ

時間になったので、インタビューを終了しました……。

これでも色んな方にインタビューさせてもらったことがあるけど、未だ嘗てないほどに、恐ろしいほどまでに手応えのないインタビューになってしまった……。

これ、掲載していいのか?

マジで??

いや、でもね。

文面にすると、確かになんだか中身のないコメントに見えるんだけど、びわ湖くんってテレの人だと思うんです。

言ってることはふざけているけど、やっていることは本気というか。

それこそ、行動の部分に注目すると、びわ湖くんの熱意って、はっきり見えてくると思う。

クソ暑くても絶対に着ぐるみ(?)を着て、ライブをやる信念とか、赤字になることがわかっても何十万というお金を投資して、音源とかMVを作る本気度とか。

ちょっと前にMVを作るためにクラウドファンディングでお金を集めたこともあったけれど、あれも結局はリターンの部分にお金を使いすぎて、結局、プロジェクトとしては赤字になったっぽかった。

でも、びわ湖くんはどれだけ赤字になってもバンド活動をしたり、音楽に本気で取り組んだりしている。

その根底にあるのは、バンドマンとしての情熱だと思うのだ。

音楽が好きだから、バンドが好きだから、形はどうあれ、自分のこだわりたいところは貫いて、音楽を続けているのだと思う。

ここだけの話だが、びわ湖くんと自分は年も近いし、びわ湖くんがびわ湖くん以外のバンドをやっていたことも知っている。

下積みの下積みを重ねてきた人だと思うのだ。

だから、こういうことをやる「しんどさ」も絶対あるはずだし、表に出さないだけで色々と思うところもあるんだと思う。

でも、それでも傍目にはふざけながらも、こだわり続けて音楽をやっているのは、きっとびわ湖くんがそれほどまでに音楽が好きだからなのだと思う。

言葉ではなく、行動にこそ、その人の本質が宿る。

音楽は世界を変えないけれど、音楽でケツを蹴り上げられて行動した奴だけが、世界を変えることができる。

びわ湖くんを見ていると、そんなことを感じるのだ。

同世代の一人でありながら、なかなかバンドマンとして成果が出せなかった。

でも、音楽好きでどうしようもないからこそ、形を変えて活動を続けるびわ湖くん。

そんな音楽バカの一人として、びわ湖くんをこれからも応援したいなーなんて思ったのである。

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