w-inds.が描く20XXの景色にゾクゾクしている話

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正直、次から次へと新しいボーイズグループの誕生に追いつけていない自分がいる。

どのグループも鋭敏な感性と類まれなセンスと技術を感じており、端的に言えば、みんなかっこいい。

なので、結果としてどこから聴いていいのかわからなくなる・・・ということもあるわけだ。

個性がないわけではないんだけど、丁寧に個性を見出すまでに時間がかかってしまい、新譜の咀嚼がゆっくりになってしまう・・・とでも言えばいいだろうか。

ただ、こうやって色んなグループの音源を聴くからこそ、「お、この作品とても良いぞ!」と一瞬にして頭に入ってくる作品もあって。

w-inds.の「20XX “We are”」は、そんな作品のひとつだと思う。

というよりも、w-inds.の楽曲は、ボーイズグループのダンスチューンの色合いが変わっていく中で常に最先端にいるような心地を覚えるというか。

とにかく、まずはアルバムの感想について書いてみたい。

w-inds.の「20XX “We are”」について

w-inds.が二人体制になってはじめてリリースするオリジナルアルバム。

それが、「20XX “We are”」となる。

自分は必ずしも丁寧にw-inds.を追っているわけではないので、二人体制になってからの変化というものを、丁寧に把握しているわけではない。(もちろん、実際のパフォーマンスであれば、大きく変わってしまうことは想像に固くないが)

ただ、自分が「20XX “We are”」を聴いて感じたのは、w-inds.の良さは変わっていないということ。

変化がない、というよりも脱退とかに影響されることなく、然るべき進化を遂げている、と言えばいいだろうか。

やはり、w-inds.の大きな強みは橘慶太の圧倒的な音楽センスにあると思う。

w-inds.のダンスチューンが常に他のグループの一歩先を行くような質感なのは、橘慶太の生み出す音楽センスや引き出し、表現力が圧倒的に成熟しているからだ。

ダンスチューンを考えると、どうしてもK-POPを目配せしたようなテイストを見出すこともある。

・・・んだけど、w-inds.の音楽はすでにその領域を通り過ぎている。

単なるJ-POPというわけではないんだけど、かといってJ-POPがK-POP化したみたいなテイストもまったく感じさせないのだ。

「Beautiful Now」は、そんな今のw-inds.の魅力が詰まった一曲のように思う。

サウンドの装いとしてはシンプル。

ダンスチューンでありながら、ビートメイクはどこまでもシックな印象を受ける。

だけど、チルっぽいテイストが強いというわけでもない。

さらには、メロディーの存在感もきっちりあって、絶妙な地点に落としていくのである。

エフェクトで加工した橘の歌声が特に秀逸で、楽曲の世界に美しく溶け込んでいる。

いわゆるダンスチューンのイメージを丁寧にずらしつつも、紛いもないダンスチューンとしての凄みがある、とでも言えばいいだろうか。

とにかくこの温度感で楽曲を成立させているのは、w-inds.だからこそ。

「Strip」もリズムと歌とサウンドのバランスが絶妙なナンバーだ。

ゴリっとした低音が存在感を示す。

でも、いわゆるロックテイストが強い歌になっているかといえば、そんなこともなくて。

きちんと<スタイリッシュ>な印象を強めたダンスナンバーとして着地させているのである。

あるいは、「EXIT」では、橘の美しいハイトーンボイスが存在感を示す。

w-inds.の歌って、時よりボーカルがある意味楽器のように響くことがあり、音の世界にボーカルが溶け入るからこその世界があるように思うが、「EXIT」はそんなw-inds.ならではの歌であり、橘のボーカルメイクの真骨頂を体感することができる。

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まとめに替えて

思えば、最近、こういうミニマムなテイストのダンスチューンって増えた印象を受ける。

が、こういうタイプのダンス・チューンが日本にしっかり根付くうえで、w-inds.の功績ってとても大きいように思うわけだ。

それこそ、日本のポップスはダンス・チューンであっても、歌謡曲の延長線上で展開されることが多い印象だった。

しかし、w-inds.は早い段階からそういう境地を脱した歌を生み出してきた。

他のダンスグループとは違う活動、特に海外にも軸足を置いた活動をしていったり、タイアップありきではない楽曲を手掛けてきたからこそ、誰よりも早く<次世代のダンスチューン>を手掛けていった。

そんな風に思うわけだ。

磨くべきところや配慮すべき観点が他のグループとまったく違っていたからこその進化。

純粋にダンスグループとして、パフォーマンスの鋭さを身に着けてきたからこそn境地。

そんな風に思うわけだ。

確かにメディア露出が限定された空間でw-inds.は活動しないといけない部分もあったのかもしれない。

でも、それが結果としてw-inds.のダンスグループとしての不動さに磨きをかけたことは間違いない。

で。

「20XX “We are”」は、そんなw-inds.だからこその魅力が溢れていた。

新たなテイストのダンス・チューンが日本のポップスにどんどん登場してきてもなお、新しい色合いや刺激を与える音楽として君臨している。

だからこそ、20XXになってもw-inds.は唯一無二の景色を描くことになるのだろう。

そんなことを思わずにはいられない作品だったのである。

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