前説
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自分はw-inds.にお熱になったことが2回ほどあって、最初はメジャーデビュー初期。
メジャーデビューシングル曲となった「Forever Memories」がテレビで流れているのをみて、おおおお、すごく良いやんと子どもながらに思い、すぐにCDをレンタルしてカセットテープに入れたことを覚えている。
2001年は自分が能動的に音楽を聴くようになった初年度ということもあって、w-inds.のデビューはけっこう自分の中で思い入れがあるのだ。
当時は、大人の事情でHEY!HEY!HEY!とかNHKのような一部の音楽番組でしかパフォーマンスを見ることができなかったけれど、w-inds.は確かにかっこいグループだと感じた。
この年、個人的に特に気に入っていたのがこの曲。
声変わりする前の橘の澄み切った声と、10代半ばとは思えないキレキレのダンスパフォーマンス。
メロディーはゆったりとしているのに、サビになると展開が変わり、まくしたてるようにメロディーを歌うギャップ。
何度もリピートして聴いたことを今でも覚えている。
本編
w-inds.は現在進行系である
そして、自分と同世代の友達もこの辺りのw-inds.のことは知っているのだ。
でも、今ってw-inds.って何やっているの?と思っている人も多い。
事務所の先輩であるDA PUMPは昨年、奇跡的な大ヒットを飛ばし、再びお茶の間でも存在感を示すようになったわけだけど、w-inds.の名前がわかりやすい形でメディアに飛び交うことは珍しい。
ライジングで言っても、三浦大知やDA PUMPは積極的にテレビに出ているが、w-inds.はあまり積極的でない。(メディア側がオファーをしないのか、本人たちが希望していないのかは定かではないが)
ただ、メディア露出を制限したことが、w-inds.の国際化を促進させた部分はあると思う。
国内だけでなく、アジアを中心とした海外でも精力的にパフォーマンスをし、しかも単なる遠征ではなく、そこでも大きな人気を勝ち取っているのがw-inds.の凄さのひとつだ。
なにより、様々な場所でライブをしてパーフォマンスを磨いてきたからこそ、ダンスグループとしての完成度は劇的なものとなっている。
しかも、その進化はさらに目が話せないものとなっている。
2017年からのw-inds.は特にすごい
自分は2017年にこんな記事を書いているのだが、w-inds.の名前も入れさせてもらっていた。
関連記事:2017年上半期ベストソングTOP20!「ヤンキー音楽」と「オタク音楽」の話!
今みると、なんでこんなことを書いたんだろう?と思うところもあるけれど、w-inds.の部分に関しては、意見は殆ど変わっていない。
あの記事でも書いているとおり、橘プロデュース以降のw-inds.が想像以上にやばいよ、というわけである。
モダンなダンスサウンドって、こういうことを言うんだという質感。
DA PUMPの2018年の「U.S.A.」のひとつのテーマがリバイバルなのだとしたら、w-inds.は明らかに未来への更新を感じさせるような音楽だ。
「We Don’t Need To Talk Anymore」は、とにかくヤバイ。
少しずつ、ポップミュージックに使われ始めたEDMとかトロピカル・ハウスの文脈を抑えた、メロウで革新的なダンスミュージック。
この作品を2017年の時点で(発表で言えば2016年末)、こういうサウンドを日本のポップスとして落とし込んだ橘のセンスが、そこはかとなく恐ろしい。
特に素晴らしいのがサビで。
ボーカルを大きく加工音にすることで、「歌もの」であることを止めている。
実質、半分楽器のようにして、自分の声を使っている。
サビ史上主義というか、サビのメロディーを何よりも大事にする日本のポップスにおいて、こういうアレンジを大胆に取り入れるところにw-inds.の凄さがあるし、サビになるとボーカルが「歌うこと」を抜け出すことで、よりダンスに集約するパフォーマンスも含めて、末恐ろしさを感じる。
「We Don’t Need To Talk Anymore」の場合、単に声を加工して楽器っぽくしているのではなく、そこからさらに声のピッチをあげることで、ほとんどシンセサイザーのような役割を果たしているところもポイントである。
要は、ダンスミュージックってこういうものでしょ?という価値観をぶっ壊しているところが凄いのだ。
サビってみんなが歌える感じがいいんでしょ?メロディーがよかったらいいんでしょ?みたいな価値観をぶっ壊して、新たな新境地を開拓したところに凄さがある、という話である。
「Time Has Gone」でも、それは同じだ。
音楽的な細かな話はさておき、普通のポップスとは違うサビのあり方を聴いてもらうだけでも、w-inds.の音楽の凄さがわかるのではないかと思う。
サビでは「歌もの」であることを止めるようなアプローチができるのは、w-inds.のダンスの完成度が高いからだ。
MVを見てもわかるが、サビのボーカルが加工音にチェンジするタイミングで、メンバー全員のダンスのモードが切り替わり、ダイナミックなダンス・アンサンブルが大きな見せ場となっている。
ダンスで魅了させるという、w-inds.ならでは魅力があるからこそ、より映えるナンバーなのである。
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素晴らしい新曲の数々
ちなみに、w-inds.は常に進化し続ける。
2019年の新作はメロウなダンスナンバーからは一転して、アゲアゲでかっこいいナンバーを発表している。
同じことはしないで、常に進化をし続けるのがw-inds.の大きな魅力であることがわかる。
自分たちで作詞・作曲・編曲も手掛けているのに、この速度感で進化できるところに今のw-inds.の凄さを感じる。
振り付け自体は他のダンサーにお願いしているっぽいけれど、どんなものでも形にしてしまえるのは、w-inds.というパフォーマンス集団の質が段違いに高いからだし、そのうちそういう部分もセルフにしてしまいそうな恐ろしさも感じている。
まとめ
風(wind)が一つになって世界中に届くようにと名付けられたw-inds.というグループ名。
winには、勝つ(win)という意味もあり、「-」や「.」は結成当時インターネットが普及したことを受け、「ネット」でも自分たちを知ってもらいたいという願いも込められている、という話をどこかで聞いた。
確かに王道のダンスグループとは違う形で、躍進を続けているw-inds.。
過小評価されている部分もあるし、もっと取り上げられるべきと思う部分もあるけれど、w-inds.のグループ内にあるとおり、風のように、時にはネットなんかも通じて、きちんとその凄さは遠くの方まで届いているように感じる。
だって、間違いなく、ダンスグループとしての質の高さは群を抜いていると思うから。
同じことをするつもりがないw-inds.というグループだからこそ、今後の活躍も楽しみで仕方がない。
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