前説
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BURNOUT SYNDROMESもあまり自分のブログでは名前を出してこなかったバンドなんだけど、ふと書きたくなった。
書きたくなったきっかけのひとつとして、同じくまったくブログで名前を出さなかったSPYAIRの記事を書いたところがある。
というのも、BURNOUT SYNDROMESのメジャデビュー曲は「ハイキュー!!セカンドシーズン」の第2クールのOPだったんだけど、そのアニメの第1クールの主題歌を歌っていたのが、SPYAIRだったのだ。
BURNOUT SYNDROMESを語るうえでSPYAIRは外せない(と俺は勝手に思っているし)、SPYAIRを書いたんだったらBURNOUT SYNDROMESも記事を書きべき、というか書きたいと思ったわけである。
本編
BURNOUT SYNDROMESについて
というわけで、BURNOUT SYNDROMESの魅力について書いていきたい。
わけだけど、<前述>でも書いたように、彼らのデビューシングルはタイアップの縁もあって、SPYAIRの曲を意識した仕上がりとなっているのではないかと思っている。(もちろん、音楽性や楽曲の見せ場は全然違うけども、タイアップとしてどう印象を残すのか?ということを考えるうえで、SPYAIRの曲は意識したはずだ)。
「FLY HIGH!!」はタイアップソングだったということもあり、今では700万再生を超える歌となっている。
バンドのメジャーデビューソングで、ここまではっきりと数字で成果を残したバンドはそういないと思う。
なぜ、このような成果を出したのか?
アニメが人気だから、というのは前提としてあるけども、でも曲が良いからこそ再生数は伸びるわけで。
で、その良さってなんだろうと考えると、大きく分けて3点だと思う。
・ロックなテイストのあるギターサウンド
・キャッチーなメロディー
・アニメタイアップに相応しい表現力のある歌詞
この3要素が、バランス良く構成されているのが、末永く愛されているポイントのように感じるのだ。
このロックさとキャッチーのバランスの取り方は、それこそSPYAIRの楽曲を意識した故でのポイントなのではないかと思っている(何度も言うのに、音楽性とか楽曲の見どころは全然違う。あくまでも意識の話である)
ただし、だ。
シングル曲は常にアニメタイアップとなっているBURNOUT SYNDROMESにおいて、シングル曲の魅力は上記3点に集約されやすい。
でも、彼らの魅力はこれらだけではない。
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アニメタイアップ前のBURNOUT SYNDROMES
タイアップソングって言うなれば、よそ行きの曲であり、バンドの本質ってそこではないことが多い。
実際、BURNOUT SYNDROMESの大きな魅力のひとつは、タイアップソングではナリを潜めがちな、独特な表現力のある歌詞だと思う。
例えば、「文學少女」。
この歌は川端康成の「雪国」の一節からはじまり、<恥の多い生涯を送ってきました>のフレーズの引用元である太宰治の「人間失格」など、様々な文学作品のエッセンスを歌詞に落とし込んでいる快作だ。
自分は村上春樹も村上龍も好きで、モチーフとなった作品の8割は読んでいるので、この歌詞がただただツボだったのだ。
総じて感じる印象としては、曲調は明るくてキャッチーなのに、歌詞は不思議と孤独に寄り添う感じというか、マイノリティー側の人間の感情にコミットしてくれる感がある。
こういう歌詞のあり方を“文学的な歌詞”と表現することもあるけれど、故にBURNOUT SYNDROMESを文学的と表現することも多いけれど、個人的には文学的というよりも、感情の表現方法が独特で、そのアプローチのひとつとして“文学的な表現”もあるだけで、BURNOUT SYNDROMESの歌詞って、ひとつの方法論で語られるものではないんじゃないかと思っている。
故に文学的という言葉だけでは語れないというか。
もっと言葉の表現方法が巧みなのだ。
特に、いしわたり淳治がプロデュースを務めることで、より言葉に対する表現方法は鋭さを持つようになった。
アニソンタイアップが多いからこそ、キャッチーで、明るくて、わかりやすい歌を歌うギターロックバンドでしょ?ってイメージが強いのかもしれない。
実際、そういう側面もあるし、それがBURNOUT SYNDROMESの良さのひとつであることは間違いない。
でも、それだけがBURNOUT SYNDROMESの良さではない。
歌詞だけでみても、それがわかるというわけだ。
他のバンドでは使わない言葉遣いや、フレーズを惜しげもなく使う。
歌詞の表現方法でワクワクさせられる、数少ないバンドのひとつなのである。
この記事で、まず言いたいのは、そこなのである。
BURNOUT SYNDROMESの独自性
実は、BURNOUT SYNDROMESはサウンドのアイデアも面白い。
今年リリースされたアルバム「明星」だけに限定しても、そのことが言える。
例えば、「ダーウィンに捧ぐ」は終始ロータムが主軸に聞こえてくる不思議なビート感の曲だし、「国士無双役満少女」はハンドクラップあり、不思議なシンセの使い方ありだし、途中でボーカルは入れ替わる部分もあるし、キャッチーなBURNOUT SYNDROMESのイメージを覆すには十分な楽曲だと思う。
あと、このアルバムではラストを「星の王子さま」で終わらせていて、通底する文学愛も冴え渡っていて、そういうところもすごく推せる。
ギターがすごく際立っているとか、ドラムの存在感がえげつないとか、そういうタイプのバンドではないため、アレンジの実験性は想像している以上に多い。
アニメタイアップでおなじみのバンドなため、シングル曲ではなかなかに実験できないからこそ、アルバムで様々な音を試すわけである。
そうなのだ。
裏のBURNOUT SYNDROMESを覗いたら、そのイメージが一気に覆るのだ。
シングルとアルバム曲のギャップがものすごいというところも、BURNOUT SYNDROMESならではの魅力なのかもしれない。
まとめ
本当ならアルバムひとつを特集して、楽曲を掘り下げていけば、よりBURNOUT SYNDROMESの面白さが見えるんだろうけど、この記事ではそこまでは踏み込まないようにしておく。
ただ、間違いなく言えるのは、アニソン楽曲だけのバンドではないということだ。
もし、BURNOUT SYNDROMESが文学的なバンドだというならば、その奥深さは歌詞以外にも宿っているということだけは言いたい。
そして、当然ながら言うまでもなく歌詞も素晴らしい、というわけだ。
シングル曲以外をほっていけば、バーン沼までまっしぐらな気がする。
とりあえず、聴いてみてほしい。そんなバンドだ。
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