前置き

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ファンに言ったら怒られるかもしれないけれど、LAMP IN TERRENはA-Sketchに所属しているバンドの中でも地味なバンドだと思っていた。

THE ORAL CIGARETTES然り、フレデリック然り、A-Sketchに所属しているバンドは、サウンド的にも存在感的にもクセの強いバンドが多いイメージだったから。

前述した他のバンドと比べると、LAMP IN TERRENは色んな意味で地味に見えた。

でも、それは間違いだった。

というか、地味な部分もあるけれど、地味という言葉でスルーするのは、あまりにも勿体ないバンドだと思ったのだ。

なぜ、そう思ったのか?

この記事では、そのことについて書いてみたい。

本編

LAMP IN TERRENは地味

まずは、曲を聴いてみてほしい。

確かに、LAMP IN TERREN(以下、テレン)には、絵的にも音的にも、わかりやすい個性は見えづらい。

どちらかというと、普通のバンドというイメージを持ってしまう。

サウンドはシンプル且つベタな音使いだし、シンセのような飛び道具を使って個性を際立たせるタイプのバンドではない。

今時、こんなバンド、珍しい。

だって、死ぬほどたくさんのバンドが生まれ、洪水のように情報がなだれ込んでくる現代において「売れる」ためには目立つ必要がある。

岡崎体育やヤバTなんかを参照せずとも、多くのバンドはあの手この手の手段を使って、個性を際立たせるし、他のバンドとの差別化を図る。

そういう多数派のバンドと比べると、テレンはシンプルな音構成をしているし、MVも大人しいよなーと思う。

でも、これって凄いことだと思う。

無駄に個性を追いかけようとすることはなく、自分たちが思う良い音楽を磨き、ここまでの人気を獲得しているのだ。

それって、目立つことよりも難しいことだと思う。

そんな難しいことを成し遂げているテレンって凄いバンドだよなーと思う。

メロディーが綺麗

たぶん、テレンが好きな人の多くが感じている良さ。

それは、メロディーがめっちゃ綺麗だということ。

聴けばわかると思うけれど、どの歌もメロディーラインが美しいのだ。

キャッチーであるとか、口ずさみやすいとか、そういう類の良さではなく、最初に感じるのは「綺麗」という感触なのだ。

で、ポイントになるのは、なんでテレンのメロディーはそんなにも綺麗と感じるのか?というところだと思う。

そこまで突っ込んでこそ、音楽ブログなのだと思う。

が、残念ながら、僕はその部分を理論的にきちんと分析できない。不勉で申し訳ない。

ただ言えるのは、テレンはテンポの速さに逃げることはしないし、リズムパターンもシンプルであることが多いということ。

つまり、メロディーそのもので勝負しているということだ。

出世作の「緑閃光」なんて、イントロのギターのアルペジオが印象的な、シンプルなバラードである。

このご時世に、バラードが出世作になるバンドなんて珍しい。

比較的フェスによく出ていて、出世作がバラードのバンドなんて、それこそ同じ事務所にいるSaucy Dogくらいではないかと思う(まあ、他にももう少しはいると思うけどね)。

しかも、テレンのバラードは同じバラードでも、本当に素朴というかあっさりしている。

雑穀米をウリにした、健康志向のカフェのランチメニューくらいあっさりしている。

メロ部分は大人しいし、サビも特段ドラマチックにはしない。

あえてそのサマを言葉にするならば、ド派手な火力で焦がすように焼くのではなく、弱火でジワジワと火を通していくような心地。

ローストビーフをじっくり火を通すような、そんな感じ。

ランプの曲って、そういうジワジワと染み入るような刺さり方をする。

何かをしながら聴いていると、川の流れのようにスーッと通り過ぎちゃうんだけど、じっと耳を澄まして聴くと、メロディーの美しさにノックアウトしてしまう。

夢中になって、その音楽を聴いてしまうのだ。

今、テレンの歌を聴きながら、真夜中にこの記事を書いているんだけど、びっくりするほどに染みるのだ。

メロディーが美しくて、メロディーそのものが際立っているからこそだと思う。

夜が似合うバンド、ナンバーワンかもしれないなーなんて思う。

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松本大の声が良い

この美しくも切ないメロディーの魅力が倍々になっているのは、松本のボーカルがあるからだと思う。

松本のボーカルも、決して「流行りの声」ではないように思う。

流行りのバンドはハイトーンボイスの人が多いけれど、松本の声はどちらかというと、低さを強調した落ち着いた声である。

でも、声を伸ばすとそこに余韻が残るというか、目には見えない超音波みたいなものが出ている感じがする。

この感触は、米津玄師やあいみょんなんかに似ているかもしれない。

そう言えば、米津玄師もあいみょんも、メロディーの美しさを際立たせるボーカリングを披露しがちだが、テレンの松本も、そういう類の歌い方をしているように感じる。

だから、バンドサウンドがシンプルでも、劇的なアレンジやドラマチックなメロディー構成がなくても、歌が魅力に満ち溢れるのだ。

そんな気がする。

まとめ

どうしてもバンドという文脈で語ると地味なイメージをもたれてしまいがちなテレン。

けれど、その才能は底なしだなーと思う。

だって普通、このテイストで釘付けになるような作品、なかなか量産できないもん。

ただ、ひとつ、猛省したい部分もある。

なぜなら、こんな記事を書いている僕も、ちょっと前までは、テレンのことを舐めているフシもあったから。

でも、聴きなおすと、思ったのだ。

このバンドは魅力に満ち溢れているぞって。

もっと評価されても良いバンドだなーって。

改めて、そう思ったのだ。

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