前説

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久しぶりにsumikaで一本の記事を書こうと思う。

今のsumikaに対する想いを綴った記事である。

本編

キーボードが印象的なポップバンド

sumikaの魅力をすごく端的に言えば、ポップでキャッチーなメロディーにあると思う。

そして、sumikaが持つポップさを際立たせているのは、キーボード主体のサウンドにあると思う。

ロックにカテゴライズされるバンドって雑に分けると2つのタイプがいる。

ギターの音が強いか、弱いか、だ。

ギターの印象が強いバンドだと「ポップ」というよりも「ロック」な印象を強く持つ人が多いはず。

このカテゴリーで考えると、sumikaの音楽はギターよりもキーボードが印象的な歌が多いと思う。

キーボードが主体的に聞こえるからこそ、バンド全体が感じる印象もポップに寄せられるのかなーと思うのだ。

「センス・オブ・ワンダー」はそういうsumikaの持つポップネスが炸裂した一曲だと思う。

軽快にビートを刻んでいくキーボードの音が印象的な楽曲だし、楽曲全体も明るく爽やかなポップスを感じるわけだ。

ただし、単なるポップバンドではない

ただし、キーボードが印象的なポップバンドなのだ、と言い切ることができないところがsumikaの魅力でもある。

2020年3月にリリースされた「Harmonize e.p」を聴けば、そのことを痛感できると思う。

先ほど、sumikaは基本的にキーボードのサウンドが主体的であるといったけれど、「センス・オブ・ワンダー」も収録されている「Harmonize e.p」にて、早速その方程式を崩しにかかるのだ。

epの2曲目に収録されている「ライラ」は、キーボードよりもエレキギターの音が印象的な疾走感のあるナンバーである。

特にサビのギター音はなかなかにキレキレで、sumikaならではのアッパーさが全開になっている。

ロックフェスで存在感を放っていることもわかるとおり、こういうスピーディーな歌もsumikaの得意分野だったりする。

歌メロ一本で勝負するバンドと違って、ロックフェス受けしそうな攻撃的なナンバーもかっこよく演奏できるのが、sumikaの強さなのである。

epの話でいえば、「No.5」なんかは、さらなる新境地を魅せる。

エフェクトをかけたギターのカッティングが印象的な、クールでアーバンな一曲である。

洒脱なブラック・ミュージックが好きそうな人に刺さりそうな一曲で、sumikaは横揺れっぽいサウンドも自分のものにできていることを痛感させられる。

芸の幅が広いのだ。

ひとつの側面では音楽性を語ることができない、そういうバンドなのである。

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sumikaの新境地

先ほどsumikaは幅が広いバンドだと述べた。

それはそのとおりなんだけど、3月にリリースされたepにて色んな側面が顔を出したところがある。

こうなってくると、しばらくは過去の焼き直しのような作品を出さざるを得ないのではないかと、勝手にsumikaのことを危惧していた。

パブリックなイメージは「Loves」にあるような、キラキラさだと思うから、その期待に応えるような爽やかなナンバーでも歌うのではないかと勝手に思っていたのだ。

そんな中、夏の新曲として発表されたのが、この歌だった。

まだまだsumikaは音楽を開拓していくぞ。

そういう意志を魅せるような、新境地感のあるナンバー。

「絶叫セレナーデ」というタイトルらしい。

キーボードもギターも味方につけたsumikaの新曲は、管楽器が印象的な真夏のカニーバル感の強い一曲になっていた。

間奏では、痛快なギターソロを入れているし、今までのsumikaとは違う魅せ方を随所に入れ込んでいる。

もともと、sumikaって片岡の声が強いバンドだから、ボーカルをたてるようなアレンジをするだけで十分成立するはずなのに、それだけには収まらない貪欲さを楽曲全体に感じるのだ。

少なくとも、過去の焼き直しを行うつもりはない。

sumikaというバンドができるチャレンジをし続けて、どんどん新しい一面をみせていくぜ。

そういう意志を感じさせるのである。

つくづく、とんでもないバンドであることを痛感させられる。

まとめ

作品ごとの振り幅は大きいんだけど、初期のファンが離れちゃうような、趣味性の作風になっているかといえば、そんなわけでもない。

もちろん、好き嫌いはあるだろうけど、どの歌もキャッチーでポップという大前提は崩れておらず、平たく言って良曲揃いなのである。

ポップスが好きな人にも、バンド音楽が好きな人にも愛されててきたsumikaは、それまでのsumikaの音楽が好きだった人にも満足してもらえる音楽を提供しつつ、殻をや釣り続けるチャレンジをするのだ。

端的に言って、すごい。

この先、どうなってしまうのか全く想像がつかない。

すでに今の段階で、次のアルバムが楽しみで仕方がない。

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