前説

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このブログでは以前、餓鬼Иちょ氏にUVERworldを語ってもらったことがあるのだが、自分自身の口ではほとんどUVERworldについて語ったことがない。

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理由はいくつかあるんだけど、根底にあるのは「自分ごときが語ってもいいのか」という気持ちだった。

UVERはそれなりにキャリアの長いバンドで、たくさんのファンがいる。

そうなると、ファンごとにそのバンドの想いがあるはずで、必ずしも自分のイメージとそのファンの想いがリンクしないこともあるだろう。

間違いなくファンの方がそのバンドのことを色々と知っているだろうから、自分ごときが安易に書いてもいいものだろうか?という考えがあったわけだ。

だったら、そのバンドのことをきちんと追いかけている人に言葉にしてもらった方がいいのではないか?というところで、UVERに関しては餓鬼Иちょ氏に語ってもらった経緯のひとつでもあるし、この記事以降、UVERを言及してこなかった理由のひとつでもある。

んだけど、まあでも、熱狂的に追いかけてきたわけではない人だからこその視座があるかもしれないので、UVERworldについて自分がどう思うのか?ということを端的に書いてみたいと思う。

UVERworldの出会い

そもそも、僕がUVERworldのことを知ったのはデビューのタイミングくらいだったように思う。

デビューシングル「D-tecnoLife」がアニメBLEACHの主題歌だったんだけど、僕はアニメBLEACHの放送を視聴していたので、そこでUVERworldの名前を知ったのだった。

全方位に失礼を承知で言えば、この頃の僕は、UVERworldのことをFLOWとかHIGH and MIGHTY COLORとかと同じラインだと思っていた。

なんというか、バンドとしてはミクスチャーなテイストもあるんだけど、基本はアニソン仕様にカスタマイズされたバンドの音になっていて、結局はポップに寄せた大衆バンドなんだろうなと思っていたのだ。

しかも、2005年頃の自分って、今とは相当価値観が違っていて、音楽的趣味を完全にこじらせていた痛いオタクだった。

なんとなく、バンドのくせに「大人に媚びているなあ」と思えてしまう作品には、勝手に「ケッ」って思ってしまう、そういう反抗期のような時期だったのだ。

で、UVERworldとかいうバンドもそういう類のバンドなんだろう?と、謎の上から目線で見ていたのである。

故に、自分からは積極的に聞かなかった。

ただ、普段はバンドなんて聞かない僕の地元の友達が、一丁前にウーファーをつけて低音を聞かせまくっていた車内で、よくUVERworldをかけていたので、不思議と曲自体には馴染みがあったりもした。

僕の見立てにはバイアスがかかっているとしても、当時のUVERworldが独特の立ち位置だったことは確かだと思うのだ。

ボーカルの顔が整っているということもあってライブは女性ファンばかりだったし、当時の曲は、演奏はゴリゴリしているのに、バンドの演奏よりもボーカルが中心にあるポップな曲が多かったし、「硬派なバンド」とはひと味違っていたように思う。

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気がついたら変わっていたUVERworld

このブログを始めたのが2015年で今から4年前なんだけど、その頃には気がついたらUVERworldは変わっていた。

少なくとも、2005年のときに「けっ」って思っていたようなUVERworldではなくなっていたように思うし、月並みな言葉でいえば、ロックバンド然していた。

UVERworldの作品的にいえば「Ø CHOIR」の頃だろうか。

「IMPACT」なんかもそうだけど、音がきっちり重たくて、TAKUYA∞の透き通るような声も魅力ではあるんだけど、バンドサウンドのかっこよさもきっちり見せつけている感じがした。

洋ロック的というわけでもなく、かといって単なるポップスでもなければ、コアなオルタナバンドのそれでもなくて、絶妙なバランスでかっこいい音を鳴らしているバンドになっていた。

ファン的には「Ø CHOIR」がどういう評価なのかはわからないけれど、少なくともUVERworldをポップバンドなんて思っている自分の価値観は、とっくに古いものであると認識するには十分な作品だった。

以降、UVERの躍進は言うまでもないことだ。

今年は、昔に出演拒否をされたあのロッキンのトリを務めたし、東京ドームで男祭りを開催することができるくらいに同性からの人気を獲得することにもなった。

そんなUVERworldが、2019年にリリースされた「Touch off」は、デビュー曲と同じようにアニメ主題歌である。

でも、同じアニメ主題歌でも、あの頃と手触りが全然違う。

当然ながら、アニメ主題歌な分、キャッチーな要素も取り入れている。

が、それだけの楽曲ではないことは明白だ。

サウンドはキレキレだし、ボーカルの表現力は冴え渡っているし、なにより楽曲終盤にある語りに近いパート。

ここがぐっとくる。

熱い言葉を熱いパッションで語るこのパートは、初期のUVERworldではきっと取り入れなかった(あるいはカットされていた)ものだったように思うのだ。

元々、男気のあるバンドだったとは思うけれど、こういう「熱い語り」がよりサマになったことは間違いないと思うのだ。

おそらくは当時から、こういうかっこよさにこだわっていたバンドだったのだろう。

ただ、単に理想を絵空事に終わらせるのではなく、行動することで形にしてみせたバンドだからこそ為せる技であり、「語り」が説得力と迫力を持って展開されるのは、UVERがそういうバンドに進化してきたからに他ならないと思う。

改めて、かっこいいと思った。

まとめ

年度を追うごとにどんどんと変化しているので、もしかしたらUVERworldのやりたいこととファンの想いがリンクしないこともあるのかもしれない。

そして、それにムズムズとしているファンも一定数いるのかなーなんて思ったりもする。

この辺についての良い悪いを述べられるほど、僕はUVERworldを追いかけていないので何とも言えないけれど、少なくとも、近年のUVERを見てきた僕のイメージとしては「UVER、本当にかっこよくなったな」というものだった。

曲を聞くたびに、シンプルにそのことを実感するのである。

もはやロックと名のつくフェスに出ても違和感がなくなったUVERworldは、間違いなく日本を代表するロックバンドのひとつになったと思う。

そして、他のバンドにはないキャリアを持ったバントとして、この先も日本のバンドシーンのパイオニア的な存在になるのだろうなあ、と思うのだ。

どこまでもクサい歌詞を、本気で歌うロックバンドは、身を持ってそのクサイセリフを体現してみる。

そんな気がするのだ。

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