餓鬼Иちょが語るUVER厨二病説

Twitterで圧倒的な存在感を放つ 餓鬼Иちょ。

クスリと笑えて思わずいいねを押したくなるツイートをして、TLに圧倒的な存在感を放つことでお馴染みの方だ。

今回は、そんな餓鬼Иちょにインタビューを試みた。

内容はUVERworldについて。自身がUVERの大ファンであり、ぜひUVERの魅力を語りたいと豪語する彼。今回は1時間以上にわたるロングインタビューを敢行した。

この記事は、その一部始終をまとめたものである。

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そもそもなぜUVERのインタビューを受けようと思ったのか?

実は以前、Twitterにある投稿をしたんですよ。

それぞれのバンドを漢字で表現するってやつなんですけどね。BRAHMANなら鬼、マンウィズなら狼って感じで。で、そのツイートにUVERのことも書いたんですよ。で、その時に少し荒れてしまって。

――なんて書いたんでしたっけ?

「厨二病」って書いたんですよ。

──なるほど

すると、反応が2極化しまして。「ですよね〜」っていう共感的な反応と、「死ね〜」っていう反論のコメントで。見ていくと、その「死ね〜」側の人にもそれぞれ意見があるんですよね。「こいつ、わかっていないな」とか「私なら勇者って書くかな」とか。なんやねん勇者って!!って思ったんですけど、それは別にいいんですよ。それはそれとして一つの意見だから。ただ、一つだけ心外だったのは「こいつわかってない」って言われたことで・・・

──どういうことですか?

これをみてくださいよ。

UVER関連のCDです。まず、全部あるんですね。デビュー時は僕が高2か高3くらいです。それなのに見てほしいんですよ、この保存状態。めっちゃ綺麗でしょ。

──確かに綺麗ですね。

で、ここの2枚なんですけど。

これはボーカルが公務執行妨害の現行犯で逮捕・拘留された時に、ファンに対して「ごめんね」って配ったCDなんですよ。今ならメルカリで3万くらいで売ってるんですけどね。

あと、これはUVERのCDではなくて、(UVERの)SEのCDなんですよね。もう今は流してないんですけどね。UVERのライブって、ちょっと前まで、2回SEを流してて、2回聞かないとダメだったんですよ。

(この後、しばらく餓鬼ИちょによるUVERのCD紹介が続くのだった・・・)

そもそも、UVERとの出会いってなんだったのか?

最初はブリーチのOPで聞いたんですよ。(デビューシングルの「D-tecnoLife」がアニメBLEACHの主題歌だったのだ)。正直、初めて聞いた時は「新しいビジュアル系かな」と思ったんですよね。それが彼らの第一印象でした。ただ、その時にあるものに心を掴まれたんですよ。

──え?なんですか?

ジャケットです。

いざジャケットを見たときに思いましたね。「あ、可愛いな」って。それが購入の決め手だったんですよ。正直。

──確かに昔ってジャケ買いってありましたよね。

そうなんですよ。でね、UVERの2枚目のシングルも、同じキャラクターのジャケットだったんですよ。

で、思いましたね。これ、アジカンとかと同じスタイルなのか、って。で、もちろん2枚目のジャケットも「あ、可愛いな」ってなったんで、そのまま購入ですよ。そんなジャケ買いだった2枚目のシングルなんですけど、聴いたら喰らいましたね。「CHANCE!」って曲で、あんまり売れなかったんですけどね。でも、自分はめっちゃハマりました。UVERというバンドにハマったのはこの時の体験が大きいと思います。

──ふむふむ。

で、3枚目も似たタイプのジャケットだったんで購入したんですけど、これもええ感じやってなって。で、期待に胸を膨らませるわけですよ。アルバム、どんなジャケットになるんだろうって。そんな期待を背に、アルバムが出たんですけど、びっくりしましたね。これです。

あ、流れ止めたなって。いや、まあ、一応ジャケットにあのキャラクターいますけどね。でも、僕はがっかりしました。最初のジャケットと同じままで行ったらよかったのにって。まあ、それはさて置き、このアルバムはけっこうミクスチャーロックなんですよ。一枚目のフルアルバムは。DragonAshとかRIZEとかに近い。

──なるほど。

ただ、このアルバムの後から一気に流れが変わって。ミクスチャーロックの時代は終わって、J-POP時代が始まるんですよ。売れ線になるんですね。

──そうなんですね。

ジャケットも一気に変わるんですよ。初期はずっとジャケットにいたあのキャラクラーがいなくなるんですよ。あいつが好きでUVER聴くようになったのに。まあ、マスコットの契約がなくなったからだそうなんですけどね。で、ジャケットが変わってからはずっとJ-POPな路線ですね。

──J-POP・・・。

さっきの話にも通じるんですけど、「厨ニ病」で怒るようなやつは、J―POPって言っても怒るんですよ。UVERはロックやしとか、どこがJ=POPやねんとか。(僕からしたら)うるさいわって話です。好きだからあえて言いますけど、彼らはJ-POPですよ。そもそも、これだけ世間から認知されてたら、僕はJ=POPやと思うんですよ。

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昔のUVERについて思うこと

J-POP路線になってからアルバムを出すことになるんですね。で、僕はこのJ-POP時代のことを別名“ネオビジュアル系時代”と呼んでいるんです。

──ほう。

アルバムでいうと、2、3、4枚目はネオビジュアル系時代やと思うんですよ。ビジュアル系じゃないけれど、ビジュアルっぽいというか。アイドルじゃないけど、アイドルっぽいというか。そういう扱いをされているような時代です。彼らはデビュー当時ROCK IN JAPAN FESTIVALの出演断られてるんですよ。ロックと認められなかったんでしょうね。まぁ実際、アイドル感ありましたし。

──今思うと悪手でしかない話ですね。

ただ、当時は他のフェスにも出ないし、対バンもしないし、曲はポップやし、女の子のファンしかいないし。そういう見られ方も仕方ないのかなーって。そうそう。当時は9割、女の子だったんですよ、ライブに行っても。さっき言ったキャラクターのパーカーを着ている女の子がすごくいたりして。手作りで作った手作りのぬいぐるみとか。あとね、UVERって、アニメのタイアップが多いじゃないですか?ドラマのタイアップなんて、この頃なかったと思うんですよ。ドラマのタイアップはないし、曲はポップやし、フェスには出ないし、だから、モッシュダイブなんてあるわけないし、チャラチャラしているしっていう、そういう感じです。だから、少なくとも当時は、邦ロック好き!!って言ってるような奴らからしたら、UVERなんてダセエダセエみたいな空気がありましたし。

──言われてみたら、そんなイメージはあったかもです。

そんなUVERなんですけど、2010年に「LAST」って5枚目のフルアルバムを出したんですよ。なんで「LAST」なのかというと、これぞ俺らの最高傑作だぞ、と。いまの俺らが出せる最高のアルバムだぞ、と。そんなノリで出したんですよ。で、このアルバムが本当に最高で。ほとんど捨て曲がないんですよ。

──ふむふむ。

で、ちょっとUVER変わったなーと。アルバムの最後に入っている「GO-ON」って曲があるんですけど、これが、とにかくびっくりで。僕はどしたん!?って思ったんですよ。ずっとポップ路線が続いてたのに、急にこの「GO-ON」で変わるんですよ。音楽最高っていうそんなノリの歌になるんですよ。J-POPの人ってあんまり歌わないじゃないですか?そういうの。どちらかっていうと、恋愛ソングとか、頑張ろうぜソングとかが多いじゃないですか?それが急に音楽最高ですよ?それが当時は新鮮で。そういう新鮮な歌がこの「LAST」のアルバムに入ってるんですよ。で、こっから革命が起きだしたんですよ。

革命が起きたUVER

この後、東京ドームしますって言ってライブをするんですよ。「LAST」のアルバムツアーの、ツアーファイナルとして。いや、どんだけ終わるねんっていう話ですけど。で、これ8年前の話なんですけど、8年前の東京ドームなんて正直、無謀っていう状態だったんですよ。それこそ、ロットンが武道館やるみたいな感じで。ファンの方が大丈夫か?みたいなノリになるというか。で、結局、埋まらなかったんですね。ただ、その頃のUVERはどんどん変わってきててかっこよかったんですよ。

──ほう。

そん時くらいに、一曲目を飾る曲を出しますって言って、「NO.1」って曲を出したんですよ。これ、CDランキングでは4位くらいだったんですけど、踏み込んだなって思って。<俺達がNO.1だ>って歌詞があるんですけど、これはいまの俺たちの状態がNO.1だって曲なんですよ。で、曲の最後の方では語るんですよ。初めて見た夢は、学者だったとか、次はプロスポーツ選手だったけど途中で諦めたとか。自分を語るんですよ。これに衝撃を感じました。ヒップホップとかレゲエとか、そっち系やったらわかりますけど、J―POPで自分を語るなんて、なかなか珍しいなって。まあ、全然売れなかったんですけどね。

──そうなんですね。

で、ここから自己啓発ソングが増えてきたんですよ。ホリエモンかよっていうくらい、意識高い曲が増えてきたんですよ。俺はやってやんぜ、夢叶えるぜ的な。当時の空気的には、どしたん?ってなったんですよ。そこで離れた人もけっこういると思うんですよ。けど、僕は良い路線やなって思ったんですよ。で、そこから男性ファンが増えてきたんですよ。ちょっとずつ。昔、男祭りっていう男性ファン限定のライブをしたんですよ。けど、一回目、スカスカやったんですよ、ちっちゃなライブハウスなのに。キスマイが男限定のライブをしても多分スカスカやと思うんですよ。それと同じような感じでした。だって、当時、友達にUVERが好きっていうと、あ、そっち系ね、ビジュアル系ねって言われたりしてたんで。けど、路線が変わって、この意識高い系になることで、だんだん男性ファンが増えてきたんですよ。

──なるほどですね。

そういえば、昔、まだ女の子ばっかりのファン層だった時に、ボーカルがダイブしたんですよ。そしたら、お客さんを病院送りにしてしまったんですね。言うなれば、キスマイのライブで、藤ヶ谷くんがダイブするみたいな話で。そりゃあパニックになると思うんですよ。それと一緒ですよね。今でこそWANIMA先輩がお茶の間にモッシュ・ダイブの文化を届けてくれましたけど、でも、当時は知らないじゃないですか?モッシュなんて海外のバンドの話やと思うんですよ。J―POPしか聞かない人たちからしたら。で、ダイブして病院送りにしてしまったんで、UVERはダイブ禁止っていうことになって。

──なかなか複雑な話ですね。

でもね、TAKUYA、今ではライブで立てるんですよ。

これって、珍しいことやと思うんですよね。逆はあると思うんですよ。WANIMAだってそうですし。売れることでウェーイのノリが減っていくというか。モッシュとかダイブがライブからなくなって、大衆的になっていくというか。でも、UVERは完全に逆なんですよ。どんどんライブが男臭くなっていく。これが珍しいし、凄いと思うんですね。あと、iTunesも最初はUVERのこと<ポップ>ってジャンルでカテゴライズしていたのに、最近は<ロック>というカテゴリーに入れてるんですよ。アップルもUVERのことをロックとして認めたんですよね。アニソンビジュアルポップバンドから、長い年月をかけて、ようやくロックバンドになったみたいな。まあ、売れてるんで、僕からしたらJ―POPやと思っているんですけどね笑

まとめ

総じて言えるのは、こういう歴史があるからこそ餓鬼Иちょは愛を持ってUVERのことを「厨二病」と表現したということであり、UVERのことを勇者とかロックバンドとかJ―POPじゃないし、というのは別にいいけれど、それはUVERの歴史の一部分の話であり、それはUVERの本質を突いた言葉ではない、と餓鬼Иちょは考えているということだった。

確かにどんなバンドでも歴史ってあるわけで、世間的には黒歴史と呼ばれているような時代にこそ、そのバンドのアイデンティティが詰まっているわけだ。

そして、これだけは間違いなく言える。

UVERは変わり続けているバンドであるということ。

しかもその変わり方は、他のバンドにはないようなものであるということ。

なぜ、UVERはそんな進化をすることができるのか?

それは、単純に自分たちはどうありたいか、そこにコミットして信念を貫いてバンドをやってきたらからこそだと思うのだ。

単純に「売れたいから」とか「人の評価を単に気にする」とか、そういうレベルの発想だったら、こんな変化にはならなかったし、できなかったと思うのだ。

新曲に至っては、謎にEDMだし。

MVだって全然知名度のないバンドと共演しちゃうし、対バンだって知名度のないバンドとばかりやるし。

一番大事にしているのは「自分がどうありたいか」。

そこが見えるからこそ、UVERってカッコイイと思えるし、この先のUVERからも目が離せなくなるのだ。

餓鬼Иちょに長時間語ってもらったことで、改めてUVERの魅力について考えさせられるのでした。

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