sumikaのアルバム「Chime」の良いところと悪いところ

前置き

[ad]

sumikaの2枚目となるフルアルバム「Chime」。

このアルバムは聴いた感じ、良いところと悪いところがあるように感じた。

どこがどう良くて、どう悪いと感じたのか?

そのことについて書いていきたい。

本編

メロが良い

sumikaの歌はメロが良い。

いや、本当にメロが良すぎる。

ポップって、こういうものを言うんだよって気持ちにさせるくらい、一回聴いただけでメロディーが頭に残るし、どの歌もすぐに口ずさめる。

普通、フルアルバムだったらシングルとシングルの狭間の曲って、渋くて良い味を出しているけれど、メロディー的には存在感が薄めのことあるでしょ?

でも、このアルバムは全曲、すぐに口ずさめるくらいにメロディーが強くて印象に残るのだ。

じゃあ全曲が高カロリーなのかと言えばそんなことはなくて「Monday」は良い感じで肩の力が抜けた歌だし、「Strawberry Fields」はそもそも曲のテイストが他の曲と違っていて、アルバムとしての変化する面白さも十分に堪能できる。

どの曲もきちんと表情が違うわけだ。

けれど、メロディーはどの歌も強い。

一曲目の「10時の方角」から、印象の強さはマックスである。

極論を言えば、別にどの歌がシングルになってもおかしくないような強さと魅力があるのだ。

そういう奇跡が、このアルバムに起こっているのだ。

いわゆる、捨て曲がない。

だから、このアルバムは聴いていて、すごく気持ち良いのだ。

[ad]

メロの良さだけでなく演奏でも魅せる

sumikaは自身でも、楽器を立たせるバンドではないと語っている。

その言葉が物語るように、「ゴーストライター」は、ピアノとチェロとボーカルしか入っていない楽曲となっている。

楽曲によっては、演奏を「お休み」するメンバーもいるわけだ。

普通、バンドって演奏隊全員に役割を持たそうとするし、それぞれの見せ場も作りがちである。

でも、sumikaはそれをしない。

あえて、バンドとしての音の隙間を空けた歌も作る。

けれど、そういう空白のある歌でも、きっちりsumikaになっているというか、こういう空白があるからこそ、sumikaの良いところが際立つというか、そういう面白さが生まれている。

「あの手、この手」だって、2番は完全に吉澤嘉代子がマイクを握る構成になっていて、sumikaというバンドとして考えたら「隙間」ができているわけだ。

でも、これも結果的にsumikaの良さが見事に出まくった歌になっている。

色んな変化ができるし、どんな変化でもsumikaの音楽になってしまう。

だから、sumikaはすごいのだ。

で、面白いのは、こういうふうに楽器隊を前面に出さないアレンジをするバンドって、普通、全曲、ボーカルを押しがちなると思う。

が、sumikaは違う。

あえて楽器をゴリゴリに前に出す歌も収録しちゃっているのだ。

「Strawberry Fields」では、楽器のソロパートをゴリゴリに入れている。

いや、普通、そんなアレンジの歌、出てくるなんて思わないじゃないですか?

しかも、このソロパート、めちゃくちゃにカッコいいし、スリリングなのだ。

実はsumikaって、やろうと思えば、演奏で魅力する楽曲もガンガンに作れるのだ。

けれど、彼らはそういうことにはこだわらず、自由にアレンジをしている。

だからこそ、アルバムの充実度がすごく高くなるんだよなーと思う。

演奏でも勝負できるし、メロとボーカルを生かした歌も歌えるし、バンドとして隙間のある歌も自分のものにしてしまう。

こういうことができるのは、ライブバンドとしての力があるからこそだよなーと思うし、ぽっと出のバンドではなく、ライブハウスで力を磨いてきたバンドだからこそだよなーと強く思う。

あ。

言わずもがな、片岡のボーカルもめちゃ良いです。

どんなサウンドになっても、この声があるからsumikaになるんだよなーというところはある。

良い意味で、この声、主張強いもんなあ。

アルバムの悪いところ

というわけで、一通りアルバムの中身を評させてもらった。

え?話を聞いていると、このアルバムに悪いところなんてないのではないかって?

いや、それがひとつあるんだよ。

え?どこだよって?

実はこのアルバム、先ほども見てきたように、どこをどう切っても良いアルバムで、捨て曲がないのだ。

つまり、一度このアルバムを再生をしてしまうと、止めどころを失ってしまうのである。

こっちだってサラリーマンである。

それなりに忙しいわけだ。

隙間時間のなかでやりくりしながら音楽を聴いているわけである。他のバンドだって聴きたいわけである。

なのに、このアルバムを再生すると、他のバンドに移行することを許してくれない。

耳をぐっと掴んで、離してくれないのだ。

一曲聴いたらもう止めにするぞ!って意気込んでいても、気がついたら3曲くらい普通に聴いてしまうのだ。

これが、このアルバムの悪いところだ。

聴き手の予定を狂わせる、恐ろしいアルバムなのである。

まとめ

そんな「Chime」というアルバム。

今のsumikaの魅力が存分に詰まっていることは間違いないので、まだ聴けてない人はぜひ聴いてみてほしい。

本当にオススメだから。

バンド音楽が苦手な人でも絶対にハマれるアルバムだと思う。

音楽なんて普段聞かないって人にこそ、ぜひ勧めたいアルバムである。

関連記事:Mステ出演前に考えるsumikaというバンドの凄さ

関連記事:バンド名が変わったことでブレイクしたバンドたち

[ad]

LINEで送る
Pocket