BE:FIRSTがデビューした

デビューというのは、めでたいニュースである。

BE:FIRSTも、そういうめでたいデビューを果たした。

デビューというのは大きなイベントであり、自ずとここからのギアの入れ方も、よりスピーディーかつ大きなものになってくる。

ただ、エンターテインメントとしての規模が大きくなると、どんどんと独特の空気になることもあるし、いつしか<作品>の外側を中心に語られることも多くなってくる。

そんな印象を受けるのだ。

もちろん、作品の外側で語られることが増えることは良いことでもある。

それだけ、たくさんのトピックが溢れているのは、素敵なことだと思うから。

ただ、自分的には、そこだけでアーティストの話が押し進められるとしたら、少し勿体無いなーと思っている。

なぜなら、BE:FIRSTはとってもアーティストとして魅力が溢れているからだ。

2021年を代表するような、聴きどころのたくさんある楽曲をいくつも歌っていると思うから。

なので、自分は、素直に作品の良さがもっとたくさん伝わればいいなあと思う。

そして、せっかくなら自分も微力ながらそこに加担できるようでありたいなーと、余計なことを思ってしまう。

なぜ、畏まってそんなことを言うのか。

それは、BE:FIRSTのデビュー曲となる「Gifted.」に良い意味で打ちのめされたからだ。

そのことについて、書いてみたいと思う。

本編

BE:FIRSTの「Gifted.」の話

BE:FIRSTはデビューまでにいくつかの楽曲を発表した。

その度に、アーティストとして色んな魅力を提示してきた。

歌が歌えるということ。

ダンスができるということ。

ラップができるということ。

スリリングな楽曲を鮮やかに歌いこなすことができるということ。

個の強さはもちろんのこと、多人数のグループだからこその迫力も兼ね備えているといつこと。

などなど。

たくさんの魅力を提示してきた。

自分がパッと考えてみても、挙げられる魅力は、たくさんある。

ただ、これだけ数が多くなると、どうしても今持っている魅力は全て網羅したんじゃないかと思うことも正直ある。

出し尽くしたとは言わないにしても、一旦は出し切っているのではないか。

そんなことを思ってしまっていた。

だから、今まで発表した楽曲とまったく異なるテイストの「Gifted.」に触れて、素直に驚いた。

まだ、こんな魅力もあるのか、と。

「Gifted.」は、より大胆にBPMを落とした楽曲となっている。

そのため、楽曲そのものをゆっくりと、より深く味わうことができるナンバーになっている。

ボーカルが紡ぐメロディーの音符をなるべく少なくしている印象を受けるし、だからこそ、伸びやかなボーカルが印象的に脳内に残る。

でも、いわゆる<バラード>のような手触りかというと、まったくそんなこともなくて。

むしろ、楽曲が持っているパラメータで言えば、ある意味アップテンポの楽曲と似たような要素を兼ね備えているのではないか。

そんなことも思うのである。

どういうことか?

テンポこそ落としているものの、リズムの切れ味で楽曲にメリハリをつけている。

それ故、楽曲が持つグルーヴに魅了させていくしなやかさがあるのだ。

ダンスの切れ味も素晴らしい。

むしろ、テンポを落としているからこそ、小細工なしのダンスが展開されている印象を受ける。

トメとキメを鮮やかに見せつけ、ダンスとしてのかっこよさをこれでもかと提示している。

そんな印象を受けるわけだ。

楽曲展開においても、淡々としながらもどこか情熱的であり、ミニマムなんだけどドラマチック心地を覚えるのである。

ライブで言えば、聴かせるだけでなく、ある種盛り上げていってみせるはず。

そんな印象を覚えるのである。

おそらく、内向きな音楽シーンで受けるだけのことを想定しているのではなく、グローバルな分野を視野に入れながら、丁寧に音を積み重ねて、楽曲を構築しているからこその手触りなのだと思う。

かといって、洋楽(あるいはK-POP)を輸入して日本用にカスタマイズした、というような印象もなくて。

言い換えるならば、BE:FIRSTならではのポップスみを覚えるのである。

既に、このグループは、自分たちの音楽やジャンルを確立する境地にまできている。

そんなことすら予感させてくれる、デビュー曲なのである。

まとめ

自分はこの感じをトータル的に捉えたとき、ラスボスのような凄まじさを感じた。

いや、デビュー曲なのにラスボスとはこれいかに……??

そういう指摘もあるとは思う。

でも、楽曲が持つ魅了がとても分厚くて、円熟したアーティストが放った渾身の一曲のような大物感を楽曲に感じてしまったので、そういう言い回しをせずにはいられなかったのだ。

これは、BE:FIRSTだからこその境地だと思うし、ここが一つのスタート地点だとするならば、ここからどうなるんだろうなあと思わずにはいられない。

そう。

BE:FIRSTの凄さは、楽曲を聴くことで否応なく実感する。

だから、ついつい思ってしまう。

よりたくさんの人に、この曲が届けばいいなあ、と。

強く、そう思うのである。

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