タイトルから感情が滲み出てそうなバンドの楽曲たち

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タイトルって、普通に<名詞>が多いと思う。

でも、楽曲によっては感情が滲み出ているタイトルをつけていることもある。

というわけで、この記事ではそういうテンションのバンドの楽曲を紹介したい。

本編

Saucy Dog 「あぁ、もう。」

タイトルをみると、「ああ、もう。」となっている。

そう。

タイトルの文字面だけで感情が途方もなくこぼれているわけだ。

もちろん、この言葉はどういう感情的にはかれた言葉なのかは歌を聴いて確認する必要がある。

でも、なんだかこの歌の主人公には、やるせない感情が渦巻いている気配がする。

Saucy Dogってサウンドはシンプルな装いなのに、どこまでもドラマチックである。

なぜそんな響きになるかといえば、タイトル含めた細かな表現が冴え渡っているからである。

そんなことを思うのである。

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クリープハイプ 「しょうもな」

<しょうもない>というワードを特定名詞を彩るための形容詞にするんじゃなくて、<しょうもな>というひとつのセンテンスにするところが絶妙だよなーと思う。

こういう言葉遣いをすることで。単語ひとつの解像度が大きく変わるし、歌詞全体の意味合いすらも変えてしまうわけだ。

言葉の無力さを自覚しながらも、常に言葉の可能性を追い求める尾崎世界観だからこそのレトリックだと思う。

実際、「しょうもな」の楽曲に溢れる感情は潤沢かつ切れ味鋭いよなーと思うのである。

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マカロニえんぴつ 「なんでもないよ、」

このタイトルも秀逸だよなーと思う。

「なんでもないよ」という口語的なワードを使うことで、文字だけで感情を伝えようとする表現方法が見事なのである。

ただ、それ以上に秀逸なのは、最後に「、」をつけているというところ。

これにより、言葉以上の意味がこのタイトルに付与するわけだ。

聞き手の人生経験に従って、その受け止め方は大きく変わる。

こういう想像力を喚起させる言葉選びがはっとりは秀逸なんだよなーと思ってしまうのである。

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This is LAST 「病んでるくらいがちょうどいいね」

この歌は、語尾の「いいね」が良いのである。

「いいね」を末尾に持ってくることで、歌の主人公の感情が鮮明に感じるがする。

<病んでる>というワードがパンチ力を効かせる中、それを優しい言葉で肯定する言葉で主人公の感情がどことなく見えてくるのである。

まあ、This is LASTがこういうテーマを歌うから良いというのが絶対的にあるんだけどね。

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あいみょん 「生きていたんだよな」

この歌もタイトルから感情が滲み出ている歌だと思う。

ただ、ポイントなのは「だよな」という言葉で終わらせているところ。

当事者ではない視点からの言葉であるように見える。

でも、不思議と当事者の感情すら浮かび上がらせるような意味合いをそこに帯びさせる。

絶妙な距離感と温度感で紡がれたタイトルだよなーと思ってしまうのである。

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My Hair is Bad 「恋人ができたんだ」

〜んだ、という語尾によって、感情を宿るタイトルになっている。

ただ、タイトルの段階だとこのセリフをどういうテンションで言っているのかわかりかねる。

楽曲を聴くと、タイトルと同じ歌詞が楽曲の中で何度も登場していき、その言葉が繰り返されていくことで意味合いが変わっていく。

もちろん、最終的にどういう感情を読み取るのかは聞き手に委ねられるわけだけど、一縄筋ではいかない感情のゆらぎを見届けることになる。

この辺りは、椎木知仁の言葉選びが秀逸だよなーと思うし、繊細な部分に対して真っ向から言葉にしていく凄みも感じることになる。

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まとめに替えて

というわけで、タイトルから感情が滲み出てそうなバンドの楽曲たち、なのでした。

まあ要はタイトルに惹かれた楽曲をいくつか紹介してみたというそういう記事。

歌を聴く上で、歌詞やメロディーやサウンドに注目する人は多いけれど、タイトルに工夫をしていることも多いので、違った切り口で好きな曲を受け止めるのも面白いかもしれない。

それでは、今回はこの辺で。

ではではでは。

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