前説

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ヤバイTシャツ屋さんことヤバTが新曲を発表した。

この記事では、「うなぎのぼり」というepに収録される「泡 Our Music」の感想を書いてみたい。

本編

で、最初に聴いたときの率直な感想はこうだった。

こんなん、snowの自撮りやん、と。

は?

どういうこと?

そう思われる方もいるだろうから、順を追って説明してみたい。

snowの自撮りである理由

「泡 Our Music」というタイトルにあるように、タイトルに単なるダジャレが入っている。

泡とOurでかけているわけだ。

つまり、タイトルだけみると、この歌はふざけている。

ヤバTは過去曲でみても、ふざけている歌が多くて、この楽曲はふざけている路線だと思っていた。

言うなれば、コミックソングっぽい仕上がりになっているのかと思ったのだ。

でも、聴けばわかるが、その見立ては安易と呼ばざるを得ない。

冒頭はギターの速弾きで始まるこの歌。

こんなん、絶対サウンドがかっこいいバンドのそれやん、と思うのである。

以降も、けっこう重めのサウンドが展開されていて、わりとサウンドそのもので魅せてくるような展開になっている。

タイトルだけみて、コミックソングと思っていた自分にとって、それは衝撃だった。

全然コミックちゃうやん。

笑いよりもかっこよさが突き抜けてるやん、と思ってしまったのだ。

見た目(タイトル)と実物(サウンド)に大きなギャップがあったのだ、この曲は。

つまり、snowの自撮りのような楽曲だったのだ。

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サビはキャッチー

これはヤバTのどんな歌にも通ずることかもしれないが、わりとメロパートはサウンドがゴリゴリでトリッキーな魅せ方をするけども、サビはきっちりとポップなラインに着地させる。

この歌も、そういうメロディーメイカーな要素も魅せてくる。

今回はサウンドはずっしりしていて「バブバブ赤ちゃん」というフレーズすら、そんなに気にならないというか、言葉の意味がそこまで入ってこないような、サウンドメインの楽曲のように個人的には思うんだけど、サビのメロディーだけは紛いもなくきっちりと頭に残ってしまうのである。

これはドラムのリズムの打ち方にもポイントがあると思っていて、サビのシンバルはいつも「ツボ」を抑えるリズムのとり方をしている。

だから、どれだけギターが重めのサウンドに舵を切っても、最終的に鬼キャッチーなノリが残る仕上がりになっているのかなーと思うのである。

関西弁と英語の融合

ヤバTの凄さはメロディーに対しての言葉の載せ方にあると思っていて。

ほんと、ここが抜群に上手いし、センスがあるのだ。

いわゆるコミックっぽい歌詞を書くバンドってたくさんいるけれど、ヤバTの場合、ウケも狙っているんだけど、きっちとロックのサウンドに合った言葉選びをしているよなーと思うのである。

このメロディーラインだったらこういう音の響きが良いよな―みたいなものを的確に汲み取っているのである。

今作は特にそういうものが炸裂しているように感じていて。

例えば、英語と関西弁を巧みに混ぜ込んでいるのがそのひとつで。

サウンドとメロディーが持つ気持ちよさみたいなものを一切押し殺すことがない、圧倒的な言葉選びが随所に垣間見れるわけである。

ただ、あまりにも言葉選びが上手いので「赤ちゃんバブバブ」みたいなキラーフレーズも、メロディーの中に綺麗にハマってしまい、するっと駆け抜けてしまっているのが少しもったいないよなーと思ったりもする。

ロックバンドであることに最適化しすぎた結果、ウケを狙っても言葉にもあまり違和感がなくなってしまったというか。

バブルとバブがかかっていて、同じノリで「バブ」の発音が繰り出されていて、それがロックビートに綺麗にハマっているから、バブバブに一切違和感がないのである。

つくづくこやまは、ふざけた歌詞をロックサウンドに載せる天才だよなーと思う。

まとめ

コミックソングのフリして、全然コミックソングじゃない。

バンドとしてのかっこよさが随所に詰まっている。

ヤバTの「泡 Our Music」を聴いて感じた感想が、それなのである。

で、それを簡潔に述べたら、「こんなんsnowの自撮りやん」という言葉に行き着いてしまったというわけである。

まだ聴いていない人はぜひ聴いてみてほしい。

ヤバTのセンスが炸裂しまくっているから。

そのことに、きっとすぐに気づくだろうから。

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