前説
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この記事ではフレンズというバンドを取り上げたい。
んだけど、フレンズって変わったバンドだよなーと思う。
メンバー全員が元々別のバンドで活動していたキャリアがある。
けれど、中堅バンドのメンバーが集まった別プロジェクトという装いではない。
むしろ、新人バンドとして活動をはじめ、少しずつその存在感を大きくしてきた。
そんな雰囲気のあるバンドである。
しかも、フレンズのメンバーって、元々所属していたバンドではできなかった「本当にやりたかったことを試すための場所」という感じで、音楽をやっていない。
素直に自分たちの好きな音楽をたくさんの人を届けたいんだ、みたいな開けたメンタルでバンドをやっている感じがあるのだ。
そんなフレンズの音楽について、この記事では語ってみたい。
本編
フレンズの音楽
最初の頃のイメージとしては、妙に「夜」の歌が多いバンドだなーという印象だった。
なんせ、ここ一番の曲のタイトルには全て「夜」が入っているのだから。
でも、面白いのは、夜というワードを積極的に使うんだけど、全然歌のテイストが暗くはないのだ。
ふつう、「夜」ってワードを頻出する人って、暗い歌を歌いがちである。
「明けない夜はないんだ」みたいなフレーズを取り入れて、太陽と対比させながら、不安の象徴として<夜>を使うことが多い。
けれど、フレンズは違う。
夜をネガティブなものとして描いていないのだ。
むしろ、夜にしかないワクワクを描いているフシがある。
サウンドの装いもワクワク感を重視しているし、バンドというよりも90年代のポップミュージックの雰囲気が強いし。
最新形のサウンドというよりは、どこか懐かしい雰囲気を感じる。
そういう何とも言えない手触りこそが、フレンズの大きな魅力なのである。
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フレンズの新しさ
まあ、ぶっちゃけフレンズって、決して新しいことをチャレンジする、っていうバンドではないのかもしれない。
けれど、懐かしさの中に宿ったアーバンな音楽には、どこか新しさも感じさせる。
例えば、フレンズの歌は女性ボーカルと男性ボーカルの組み合わせで展開することが多い。
この形態自体は別に斬新なものではない。
んだけど、歌割りやラップの挟み込み方に、センスを感じるのだ。
必ずしも二人がきちんと歌わないといけない!みたいな感じではなく、曲に合わせてカジュアルに装いを変えることができる、柔軟さ。
ここがフレンズの大きな良さだと思っている。
また、キャリアのあるメンバーが集まっていて、メンバーの半数がベース経験者というところもサウンドの考えるうえでは重要だ。
なんせ、そういうメンバーが演奏しているからか、リズムの安定感が半端ないのだ。
ベースにあるのは90年代のR&Bって感じである。
で、これって、リズムからどうグルーヴをつくるのかが曲の良し悪しにモロに影響するわけだ。
だって、ロックバンドのようにスピード感で乗り切ったり、手拍子をしたり拳を突き上げたくなるようなフックのあるリズムパターンも取り込みづらいわけで、グルーヴそのもので勝負しないといけない。
で、フレンズは実際、グルーヴだけで魅了しているフシがあるし、びっくりするほど気持ち良いサウンドを生み出している。
曲はポップで、ボーカルは人懐っこくて、グルーヴは心地よい。
夜の歌を華やかに歌うフレンズの良さは、こういう部分に凝縮されているように思う。
最近のフレンズ
ただ、個人的にひとつ感じるのが、最近のフレンズは独特のアーバン感が薄まったのではないか?ということだ。
こんな感じである。
ちなみに、これは良いとか悪いとかの話ではない。
んだけど、昔のフレンズの歌って、もっとこう、夜の都会感があったわけだ。
かつ、その都会感って、大都会のそれなんかじゃなくて、少し街外れ感があったわけだ。
イケてるっちゃイケてるんだけど、ど真ん中のイケてるじゃなくて、ダサイケてるみたいな感じだったというか。
でも、最近のフレンズは元々、持っていたポップの部分を強調する歌が多くなって、独特のアーバン感が薄まった気がする。
ラップの要素が薄まったり、おかもとが一人で歌う歌が増えたからかもしれない。
都会感も夜の街感もダサイケてる感じもなくて、洗練されたポップになってきたというか。
もちろん、これはこれで良いのだ。
フレンズの良さって、絶妙なポップさにもあるわけだから。
ただ、個人的な好みを言うならば、昔みたいな、もうちょい都会外れのアーバンな匂いが欲しくなる。
ターンテーブルの音は入っていない、ディスコサウンド的なやつというか。
懐かしのR&Bをリメイクした感がほしいというか。
ポップも良いけれど、ダサさとオシャレさが同居した街外れアーバンサウンドが欲しいのである。
まあ、これはあくまでも俺の好みの話である。
まとめ
なんにせよ、フレンズの良さと、独自性がこの記事を通して伝わったら嬉しいなーと思うのである。
売れているっちゃ売れているけれど、知っている人は知っているくらいの認知度な気がするから。
もしあんまり聴いたことないやーという人は、この記事で紹介している「夜ソング」からで大丈夫なので、ぜひ聴いてみてほしいなーと思う。
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