UNISON SQUARE GARDENの「Catch up, latency」について書こうと思う。

[ad]

あんまりダラダラと書いても蛇足になってしまいそうなので、この記事においては、サクッと推しポイントを二つにまとめて書いてしまおうと思う。

2番のサビ終わりの間奏がかっこいい

ぶっちゃけここだと思うんですよ、今回のシングルの最大のポイントは。

ここに尽きる。

と言うか、メロディーラインとか楽曲の雰囲気とか、そういう所だけで今年の他の楽曲と比べちゃうなら、個人的には「君の瞳に恋してない」や「春が来てぼくら」の方が好きだったりするのだ。

でも、間奏のかっこよさ、これは今年音源として世に放ったどの楽曲よりも輝いているんじゃないかなーと思う。

結構、今回のシングルって全体的にポップというか、疾走感があってキャッチーというか、良い意味で捉えやすくてわかりやすさがあって。

それって捻くれて言ってしまうと、良い歌なんだけど「すんげえ度肝を抜かれる瞬間」があんまりないように感じちゃうわけだ。

そんな風に捻くれて聴いていると、あるタイミングで大きく流れが変わる。

それが、2番のサビが終わってからの間奏だったのだ。

ボーカルレスになると、すぐにギターがぎゅいんんんんって長めに音を鳴らす。

んで、最初は穏やかにリズムを刻んでいたドラムが、何かに反応するかのように、やたらとバチバチにドラムを叩きまくり出すのだ。

そうこうすると、お前がボーカルかよって言うくらいにドラムが前に出てきだして、色んなタイプの音をドカドカと叩き始めて、その主張をさらに強めていく。

しかもそのバチバチには、かなり色んなパターンがあって、秒単位でドラムの展開が変わっていくのだ。

この一連の流れに引き込まれてしまったのだ。

普通、わりとポップス的な要素をウリにしているバンドって、間奏は短くしがちだし、あったとしても毛の生えたギターソロしか入れないことが多いし、万が一ドラムが荒ぶったとしても、数秒程度の尺しかないことが多い。

が、ユニゾンは違う。

間奏だけで30秒くらいの尺を使う。

というより、30秒しかない間奏の中で、かなり色んなパターンの展開がされると言ってもいいのかもしれない。

ドラムが前に出ることもあれば、ギターソロが展開されることもある。

色んなパターンが目まぐるしく流れていって、「風が吹いてないのに何かが頬を通過した」ような気持ちにさせられる30秒が怒涛のごとく展開されるのである。

その気持ち良さが半端ないのだ。

いや、ほんとユニゾンの楽曲って独特の格好良さがあって、それってメンバー全員の演奏力の高さが大きな要因ではあるんだけど、その中でも鈴木貴雄が果たしている役割は特に大きいように感じる。

色んなパターンのリズムを丁寧に叩き切るからこそ、ユニゾン独特のビート感、疾走感が生み出されているように感じるし、こんだけ叩いてて疲れないのかよって心配になるほど、かなり細かく細かく、ドコドコドコドコと叩き切ってみせる。

ユニゾンのこういうタイプの音楽を聴いて<身体を動かしたくなるくらいにノリたくなる>のは、鈴木貴雄のドラムが果たしている役割が大きいのだ。間違いなく。そして、今作でもそれが光っている。

仮にユニゾンのドラムがもし鈴木貴雄じゃなければ、シュガーソング具合が強すぎるというか、ポップ臭が強すぎて、苦さよりも甘さが先行するというか、そんな事態になっていた気がする。

けれど、鈴木貴雄がいつでも容赦なくドラムを叩いてみせるから、どんな歌でもユニゾン風味になっていくように感じるわけだ。

カップリングの「たらればわたがし」だって、かなり穏やかな曲のはずなのに、最後の方は容赦なくドラムをドカドカと叩いているし。

さて。

この間奏はギターソロもまあまあの尺を使って披露されるのだが、そのソロ明けで、再び斎藤宏介が歌い出すところもわりとポイントであって。

出たしのボーカルが、斎藤宏介のやたら低めな、無駄にイケボな声で始まるのだ。

散々間奏では荒ぶっていたのに、そのあとのメロディー入りとの、ギャップ。

動と静の対比というか、そういうギャップがすごく効果的に決まっているのだ。

ちなみに、Youtubeに上がっている音源だったら、この間奏部分は聴けないはずなので、今すぐにそこを聴こうと思えば、配信で250円払う必要がある。

個人的には、この間奏を聴くためだけでも250円を落としてもいいのではないかと思う。

マジでこの間奏から次のメロディーに入るまでの流れが良すぎるので、まだフルで聴いてないという人は、ここだけでも聴いてほしいなーと思ったりする。

[ad]

歌詞がなんとなくエモい

田淵の歌詞って独特で、他のバンドではあんまり出てこないような単語を次々と登場させる。

そこが魅力の一つなんだけど、それゆえに言葉を意味として捉えるとき、ある種の取っつきづらさがある。

そういう取っつきづらさも魅力の一つではあるんだけど、そうなると「エモ」とは距離を置くことになりがちで。

けれど、今回の歌はフレーズ単位で聴きとって見ても、ぐっとくることが多い。エモいのだ。

音に合わせて言葉をはめ込んでいたとしても、今回はそもそも歌詞にメッセージ性が宿っていて、そこに宿っているメッセージ性も含めて、とてもエモい気分になるのだ。

まあ、一つ一つのフレーズをピックアップして、このフレーズはこんな意味でしょ?と解説する。のは野暮なので、今回の歌ではそういうアプローチはしないけれど、一つ一つのフレーズが魔法のように機能するというか、さらっとしているのにドキっとさせられるというか、そういう魅力をはらんでいるフレーズが本当に多い。

タイアップソングとしても歌詞がハマっているし、ユニゾンのナンバーとしても歌詞がハマっている。

誰の物語にはめ込んでもどこかのフレーズが誰かの人生に機能するというか、そういう魔法みたいな魅力に満ち溢れているなーと感じるわけだ。

要は、歌詞が良いという、そういう話である。

まとめ

そんなわけで、「Catch up, latency」には、魅力がたっぷりあるので、まだ聴いてない人は聴いてみてねっていうのが、この記事のオチになる。

ただ、個人的には表題曲よりもカップリングの「たらればわたがし」の方が推し曲だったりする。

なので、まだシングルは聴いていないけれど、この記事を読むことで奇跡的にこのシングルに興味を持ったというお方は、ぜひ勢いそのままに、カップリングも購入して欲しい。

「Catch up, latency」と「たらればわたがし」は毛色が違いすぎていて、そのギャップがすごく魅力になっているので。ぜひぜひぜひ。

[ad]

LINEで送る
Pocket