前説

音楽にまつわる色んなものが変わっていっている昨今。

変化が多ければ大きいほど、どうしても音楽の関心は変わっていくものである。

音楽に興味がなくなるかどうか、というよりも関心の持つ音楽の種類や好きと思うバンドのタイプが変わっていく、という感じの方が強い。

でも、時代が変わっても良いなあと思うバンドもいくつかいて。

UNISON SQUARE GARDENなんかは、そういうバンドのひとつだと思う。

本編

変わらないスタンス

コロナ禍になってからライブに足を運んだバンドって何組かいるんだけど、UNISON SQUARE GARDENもそんなバンドのひとつである。

自分が足を運んだUNISON SQUARE GARDENのライブは、全員が着席をしているというスタンスのライブであり、客席的には<通常運行のライブ>とは違う盛り上がり方をする必要があるライブだった。

自分はコロナ禍になっていくつかのライブに足を運んでいるが、どうしてもその違いが足かせとなり、高揚感に水をさす結果となることも多かった。

どうしても、今までのライブに対して不自由を感じることが多くなってしまうから。

もちろん、制約だけの話ではない。

社会的な空気も相まって、全力で盛り上がりにくい空気が生まれ、それがライブの高揚感に水をさす結果となることも多かったように思う。

会場全体はどことなくドギマギした空気を感じてしまい、<盛り上がる>という点においては少し抑えがちになってしまうことも多いように感じていたわけだ。

しかし。

そういう状態であっても、UNISON SQUARE GARDENのライブはどこまでもいつもどおりだった印象が強かったのだ。

というよりも、声が出せないとか、席から動くことができないとか、そういう要素はロックバンドがライブをするうえでのかっこよさに一切影響は与えない。

そのことがよくわかるライブだったと言えるのかもしれない。

そして、ロックバンドがかっこいいライブをすることそのものが、ライブにおける最大の高揚感になるんだということをUNISON SQUARE GARDENのライブで体感したのである。

そう。

演奏そのものでかっこよさを提示する。

煽りなんていらないし、余計な飛び道具も一切いらない。

いつもどおりの、研ぎ澄まされた演奏をいつもどおりにする。

そのいつもどおりが途方もなくかっこよくて、圧倒的な高揚感を与えるのだ。

UNISON SQUARE GARDENのライブをみて、そのことを強く実感したわけである。

これって、常日頃からこういうスタンスでライブをしてきたUNISON SQUARE GARDENだからこそ成立する見方だと思うし、こういう状況下においても、一切<不自由>を感じさせないライブを行うUNISON SQUARE GARDENの凄みを感じたわけでもある。

良い意味で、コロナ禍以前と今とで一切UNISON SQUARE GARDENのライブにおける高揚感に変化はなかったわけだ。

コロナ禍のせいでも、なければ、コロナ禍だからこそ、もライブになかった。(もちろん、ライブの本数が減ってしまったことにより、反動みたいなものはあったかもしれないが)

UNISON SQUARE GARDENはいつもどおりのライブをいつもどおりの形で披露していて、それだけで圧倒的なかっこよさを魅せつけていた、という話である。

そして、このバンドは環境だったり制約すらも調節して、かっこいいをそのまま形にできるバンドなんだということを改めて感じたのだった。

三人が紡ぐシャープな演奏

UNISON SQUARE GARDENの演奏はどこまでもシャープに研ぎ澄まされていると思う。

それぞれが緻密かつダイナミックな演奏を行い、個々が積み上げた音の集積が鮮やかなアンサンブルを生み出していく。

言葉なんて必要がなく、ただただ(歌も含めた)演奏そのものだけで惹き込む凄みがあるのだ。

ロックバンドの演奏がかっこいい、と思ううえで必要なものだけを磨き、余計なものは削ぎ落としてきたシャープさが、UNISON SQUARE GARDENの演奏の中にはあると思っている。

だからこそ、リズムとかメロディーとか、そういうのとはちょっと違った次元で、ただただバンドが紡ぐアンサンブルに高揚感が生まれる、みたいなところがあるのだ。

楽曲を聴いて、ライブを観て、改めて思う。

このロックバンドは、どこまでも(歌も含めた)演奏そのものがかっこいいバンドなんだよなあ、と。

だからこそ、このバンドのライブを観て生まれる高揚感は、このバンドでしか体感できないものなんだよなーと改めて思うのである。

まとめ

ライブ終了時にはあえてブログに感想を書かなかったUNISON SQUARE GARDENのライブ。

コロナ禍によるライブ周りの制約が発生して一年ほど経った今、あえてコロナで経験したライブを振り返ってみた。

そのとき、UNISON SQUARE GARDENのライブの輝きが凄かったことを実感したわけだ。

その記憶を言葉にするうえでも、あえて今このタイミングで、こういう記事を書いた次第。

やっぱり、ロックバンドってかっこいい。

UNISON SQUARE GARDENのライブを観ると、シンプルにそのことを強く実感するわけである。

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