ロック大陸漫遊記に影響されてBUMP OF CHICKENを選曲してみた

某スピッツの草野さんが自身のラジオ番組でBUMP OF CHICKENを取り上げていたんだけど、自分にとってスピッツとBUMPはルーツという言葉に留まらず、今でも不動の二バンドという感じなのである。

で、そんなスピッツの番組でBUMPを取り上げていたのである。

んなもん、鼻血程度ですまんぞと思ってその後の様子を眺めていたら、草野さんが選曲するBUMPの曲がんもう、それはんもう素晴らしくて素晴らしくて。

元々、草野さんのセンスってリスペクトしかないなと思っていたけれど、今回のBUMPの選曲みて改めて感じました。

やっぱりこの人のセンスは信頼できるわ、と。

というわけで、そんなロック大陸漫遊記に感化されてしまったワタクシも、BUMPのオススメ曲を紹介したいなーと思い、記事を書いた次第です。

とはいえ、言いだし始めると全曲オススメだよ、という話になってしまうので、各アルバムから一曲ずつ「今の気分で推すならこれ!」ってノリで紹介したいと思う。

本編

FLAME VEIN

ノーヒットノーラン

この頃の荒削りなコード進行と、下手くそながらも味わい深い演奏と、攻め込みまくりの歌詞を早口で展開されれるメロディーラインと、荒々しくもエモーショナルに叫ぶ藤原のボーカルだけで、余裕でごはん3杯は食べちゃえる一曲。

ノーヒットという不思議なコーラスと、情景が浮かんでくる物語の歌詞と、妙にダサいも含めて、全てが刺さってくる

原点からすでに頂点だったんだよなと改めて思わせてくれる一作である。

THE LIVING DEAD

グングニル

この歌は草野さんも選んでいた一曲だけど、BUMPって疾走感のある曲がすごく良いのだ。

なんというか、こういう速いビートほど、藤原の独特のメロディーラインが浮き立ってくるし、こういう歌の方が、歌詞がちょっとS気があって好きなのである(バラードだと包み込むような優しい歌が多いため)。

でも、こういう歌でもアレンジのあり方はわりとシンプルで、サビの入りとかもわりと淡々と展開される。

媚びを売ることなく、船が海原を突き進むがごとく、休むことなく疾走し続けるバンドサウンドに、グッと来る一曲である。

jupiter

Title of mine

藤原基央が唯一嫌いになった歌と過去に公言したことのある歌で、たしかに今のBUMPでは想像ができないようなドロドロしさを曝け出した歌になっている。

レコーディングも難航したらしく、藤原は収録中に倒れることもあったというほどに、藤原にとって良くも悪くも思い入れのある歌だそうで、その切迫した空気感もパッケージされた歌になっている。

初期のBUMP特有の独特の内向さが全開になった歌で、おそらくもう二度と聴くことができない類のBUMP曲であるが、だからこそ胸に迫るのだ。

当時の藤原のセンスが爆発した一曲である。

ユグドラシル

ギルド

クリーンなギターの音色と、シンプルな楽曲進行なんだけど、不思議と中毒になってしまう一曲。

この歌も決して明るい歌ではなくて、歌詞を読めばけっこう殺伐としたことを歌っている。

でも、ストリーテラー的な側面もある藤原の言葉だからこそ、ただ単に暗い歌で終わることなく、不思議と暗い気持ちにはならない一曲である。

「ユグドラシル」がBUMPの歴史においても一番の名盤という人が多いのは、暗くて内向的な部分だけで終わるんじゃなくて、「その先」が見えてくる歌が多くなったからなのかなーと思ったりもする。

とにかく良い曲。

orbital period

才悩人応援歌

このアルバムだったら間違いなくこの曲。

余計なものを削ぎ落とされたアレンジと、中二病だった自分の心を撃ち抜く問答無用な歌詞。

そもそも、疾走感のあるBUMPの歌は間違いがないという俺調べもあるんだけど、それを踏まえてもこの歌は神曲だと思う。

この頃は、シングルではミドルテンポな歌が増えてきたからこそ、アルバムで疾走感のあるこの曲を聴いたときはすごく嬉しかったのを、今でも昨日のことのように覚えている。

COSMONAUT

セントエルモの火

イントロのギターのアルペジオの段階で「ああ、これは良い曲だ」と思ってしまえる。

夏の夜に聴くと、すごくグッと来る一曲。

この曲はBUMP曲にしてトリッキーな演奏で、ビートを刻むのが難しい。

BUMPがこの頃、ギターロックを保ちながら、どう過去を更新するのかに腐心していたのかが、わかるような気がするのである。

で、このアルバムがあまりセールス的によろしい数字を出さなかったため、以降のBUMPは大きく方向転換をすることになり、そこで大きな成果を出すわけだけど、今にして思うと、もう少しだけこの路線の楽曲も聴きたかったなーと思ったりもする。

RAY

ray

どれだけ病んでいても聴くことができる数少ない一曲で、この歌はただただ歌詞が素晴らしい。

<大丈夫だ あの痛みは 忘れたって消えやしない>は本当にキラーフレーズで、悲しみや痛みさえも肯定してしまう今のBUMPのイズムを凝縮した、心のお薬のような一曲である。

あと、BUMP曲にしては珍しくベースラインが目立った一曲で、そこも推しポイントである。

Butterflies

Hello,world!

実を言うと、このアルバムが自分の中でオリジナルアルバムとしては一番存在感が薄い。

語弊を恐れずに言えば、このアルバムだけは「焼き直し」のように感じてしまうのである。

でも、「Hello,world!」は良い意味で、初期の雰囲気を残しながら、当時のBUMPのモードが反映されたお気に入りの曲だったりする。

やはり疾走感のある曲は間違いがない。

aurora arc

流れ星の正体

こうやって過去作を振り返れば振り返るほど、この歌の大サビのフレーズであ<お互いにあの頃と違っていても 必ず探し出せる 僕らには関係ない事 飛んでいけ 君の空まで 生まれた全てのちからで輝け>がぐっと来る。

BUMPのようにずっと変わりながらも第一線でやってきて、結果「今」が一番人気のバンドだからこそ、言えることのできる重みも温かみのある言葉だと思うのだ。

それこそ「ユグドラシル」くらいの頃のBUMPに熱狂していた多くのBUMPリスナーは、今のBUMPは変わってしまったとうそぶき、今の曲はほとんど知らないという人も多いと思うのだ。

でも、BUMPは今のリスナーだけじゃなくて、きっとあの頃のリスナーにも向けて曲を届けようとしているからこそ、こんな歌詞がかけたのだろうし、そういう広い視野で曲を作ってきたからこそ、BUMPは人気が衰えることなく、ここまでやってきたんだろうなーと思うのだ。

本当に素晴らしい一曲である。

まとめ

BUMPの曲って、たぶんBUMP以外の人が歌ったらチープになってしまうと思うのだ。

曲自体がすごくキャッチーでもないし、売れ線のメロディーというわけではない。

でも、藤原が歌い、メンバーがアレンジを手がけるからこそ、曲たちは信じられない輝きを見せるのだ。

不思議なバンドであるんだけど、不思議なバンドだからこそ僕はずっと魅了されているのだと思う。

素敵なバンドである。

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