演奏の巧さで勝負するバンドではない、けれど

先日のラッシュボールで久々にBUMP OF CHICKENのライブを観たんだけど、見事にくらった。

青春時代から聴いているバンドだからっていうのもあるんだけれど、やっぱり刺さり具合がヤバイバンドだなーと改めて感じたのだった。

フェス尺だと、マジで聴きたい歌のほとんどが聴けないし(聴きたい歌が多すぎるという意味で)、他のバンドに比べてMCにしっかりと尺を使うバンドだからフェスで披露する曲数はけっこう少ない。

なので、ボリュームという意味では物足りなさだって感じる部分もあるんだけど、それを超越する感動と興奮がBUMP OF CHICKENのライブにはあるんだよなーと思う。

もっと言えば、BUMP OF CHICKENってライブ演奏だけでみたら、他の同世代のバンドと比べて突き抜けている、というタイプではないと思う。

得意な演奏方法やアプローチはバンドごとによって様々であるという前提のうえで、キャリアを重ねていく中でどんどん進化しているけれど、BUMP OF CHICKENって演奏の巧さで勝負するバンドではないよなーとは感じるわけだ。

でも、この4人だからこそ成立している感を強く感じさせるアンサンブルだよなーとはめっちゃ思う。

バンドがバンドであることの意味を強く感じさせてくれるバンド、とでも言えばいいだろうか。

それこそ、それぞれのパートの巧さだけを味わうのであれば、熟達したサポートミュージシャンで構成されたバンドのアンサンブルに触れたらいい話である。

でも、BUMP OF CHICKENって、そういう入れ替わりがまったくイメージできない類のバンドというか、アンサンブルを繰り出すバンドだよなーというのはある。

あえて言えば、「安定感がないときもある」という音の鳴らし方すら含めて、バンドとしての世界観を構成させる魅力になっている面白さがあるというか。

仲の良い仲間たちが、いまでも4人だからこそ通じ合う音の世界の中で物語を構築しているような気配があるというか、そういう不思議な魅力を解き放っているのである。

そのことを、久しぶりにライブを観て、改めて感じたのだった。

毛布のような温かさと柔らかさ

BUMP OF CHICKENの音楽って、ライブを通じても、温かさと柔らかさの部分を強く感じさせるものだなーと感じた。

そう感じさせてくれるうえで、藤原基央のボーカルが果たしている役割はあまりにも大きい。

喉がカラカラのときにスポーツドリンクを飲むと、身体全身にその水分が染み込む心地がするときのように、藤原基央のボーカルって耳に届いた瞬間に、その声がすんごく染み込んでいくのだ。

ライブにおけるボーカルの歌の巧さを表現する言葉って色々あるけれど、「音源とまったく一緒」とか「ピッチが安定している」とか「ハイトーンの伸び方がえぐい」とか、そういう方面ではなく、「染み込み度合いがえげつなく上がる」という表現が優先的に出てくるのは、世界広しといえども、自分の中ではBUMP OF CHICKENくらいじゃないかなーと思うわけだ。

それくらいにBUMP OF CHICKENの歌って染みる。

しかも、音源でも染みるのに、ライブの方がもっと染みるという異次元の世界を作り上げる。

しかものしかもだが、染みる度合いはMCになってもまったく変わらないのが凄い。少し低めの声で、全方位に配慮をするような視点から、BUMPらしい切り口でもって、毛布のような温かさの言葉を投げかける。しかもそれが、藤原の言葉だと異常なまでに染みるのだ。

言ってしまえば、アンコールを聴きたいぞ〜うお〜ってなっていても、藤原が締めの言葉をすっと真っ直ぐに投げかけると、「うん、次にまたライブにいく!それで良し!」という気分になる魔法があるというか。

もしフェスとかだからちょっと鬱憤があっても、そのMCの声だけで霧散させるエネルギーがあるというか。

こういう力があるからこそ、BUMP OF CHICKENのライブってどこまでも尊く響くんだよなーと思う。

熟達しても、イノセントが宿っている

昔は青臭さがあったBUMP OF CHICKENも、今ではバンドとしては完全に熟達している。

演奏の安定感も増してきたし、ライブで披露する楽曲の幅も広くなった。

熟達した故の安定感みたいなものも宿っている。

その一方で、メンバー同士の関係性はどこまでも変わらなくて、「ああ、このバンドは本当にメンバー同士、仲が良いんだろうなあ」と、そう思わせてくれるステージの佇まい。

タイミングタイミングで、メンバー同士が近づいて、コミュニケーションを取るというシーンがフェスでも目撃できて、このキャリアのバンドでありながらこういう微笑ましい場面がみれるのかとぐっときちゃうところがあるというか。

いずれにしても、成熟しているのにイノセントが香っているという意味において、BUMP OF CHICKENはやっぱり凄いバンドだなーと感じるわけだ。

まとめに替えて

こうやって書いていくと、BUMP OF CHICKENって他のバンドと比べることすらできない地点で、魅力が炸裂しているバンドだよなーと思う。

だからこそ、尊いし、いつまでも自分にとっての青春のバンドなんだと思う。