不思議なもので、バンドファンの中にはマウントを取ってくるタイプのバンドファンがいる。

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なんというか、そのバンドの音楽が好きな一人でしかないはずなのに、自分の方がファンとして格上感を出してきたり、そもそもそれが自分のアイデンティティであるかのように語るファンがいるのだ。

もちろん、心の中でどう思うのかは自由だし、昔から応援している人ほど「思うこと」が多いのも確かだとは思う。

しかし、どこまでいってもファンはファンでしかないし、ファンである自分が過剰でありすぎると、いつしかそれはクレーマーになり得てしまうよなーとは思うのだ。

もちろん、古参がいたからそのバンドは活動できたし、大きくなれた。

それは間違いない。

もちろん、バンドが大きくなっていく中で、そのバンドの方針が変わってしまい、応援する熱量が下がってしまったのなら、それはそれで別に悪いことではないと思う。

その時は、そっとそのバンドから離れたらいいと思うのだ。

ただ、ファンであることを忘れて、保護者ぶってしまったり、何かご意見番のように振舞ってしまったり、間違った方向にイキリ出してしまうとしたら、それは少し問題だよなーと思うのだ。

おそらく、多くのバンドマンの本音としてあるのは、自分のことを応援してくれるファンは全員を幸せな気持ちにさせたいという思いだと思う。

どれだけドSな態度をとるバンドマンだって、ファンに対する思いは切実だと思うのだ(なぜなら、どのバンドだってファンが付いてくれるまでの大変さと尊さは知っているはずだから)

少なくとも、このご時世、ファンのことを数字としか見ていないバンドマンなんて、ほとんどいないと思う。

だけども。

まったく変わらないままでいたら、ただ古参だけを喜ばせるバンドのままでいたら、いつかそのバンドは活動できなくなってしまうことはわかっているし、変わることを拒んで解散の道を辿ったバンドなんて星の数ほど見てきたはずなのだ。

だから、変わってしまうことに対して、あまりにも、ぐちゃぐちゃ言ってしまうのは、微妙な心境になるよなーっていうのはあって。

確かに、新しいファンの空気が嫌だとか、昔の空気が壊れてしまって嫌だとかいう話はあるのかもしれない。

今年のフジロックでも、マナーや空気が変わってしまったことを嘆く参加者の話はいくつも聞いてきたし、この辺は難しいよなーとも思う。

とはいえ、古参であるからといって、単に過剰にマウントを取り出してしまうのは、それ以上にモニョる部分もあるわけま。

だって、別にバンドは、あなたのアイデンティティを担保するための道具ではないのだから。

音楽はあなたの人生を豊かにするけれど、バンドのファンでいることそのものをアイデンティティにしてしまうのは、少し違うと思うから。

そんなことを思ったりする。

インディーズ好きということだって、油断をすると、インディーズバンドを応援している自分が好きであるとか、マイナーバンドをいち早く見つける自分の感性が好きだからみたいな、音楽からは離れた部分に快楽を持ってしまうこともある。

また、インディーズバンド好きによくあるのが、メジャーバンドだけを応援している人をバカにしてしまう態度である。

話題になっているバンドばかりが好きな人に対して、ミーハーなんて烙印を押して、マウントを取ってしまうパターンもあるわけだ。

別に他の人に対してどう思うが、自由ではあると思うが、音楽好きであることやバンドのファンであることは、別にマウントを取るための道具ではない。

それだけは確かなはずで、誰かが何かを好きなことをバカにしたり卑下したりする筋合いなんてないよなーとも思うわけだ。

一ファンが過剰にマウントを取ることは、下手をすれば、ただのクレーマーに成り下がってしまう。

というところは、肝に命じておくべきなのではないか?と思ったりする。

もちろん。

それは、こういうブログを書いている自分も自戒を込めて、ではあるんだけど。

なんなら、この記事だって、そういう「誰かを卑下している記事だしなー、圧倒的ブーメランだしなー」と思ったりは、するんだけどね。

ゲボゲボケボ。

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