取り急ぎで、JO1の「Your Key」に感じた魅力を列挙してみた

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今回の記事では、JO1の「Your Key」の感想を書いてみようと思う。

この歌は、TVアニメ『七つの大罪 黙示録の四騎士』の新オープニングテーマとして書き下ろされたナンバーとのことで、歌詞やタイトルが作品世界を踏まえたものとなっている。

夢を叶えるための暗闇を葛藤を乗り越える物語で、自分の力や仲間の声に励まされたことが新しい人生を切り開く鍵になるということで、タイトル通り、「Your Key」が歌の核となるメッセージとなっているようだ。

・・・ということもあっても、「Your Key」はアニメ主題歌らしい王道的な真っ直ぐさが際立つ楽曲である。

テーマ性自体はポップスの世界ではわりと普遍的なものだし、極端な独自性で勝負した楽曲というよりは、王道的メッセージを丁寧に歌い上げている部分が、魅力の歌なのかなーと思っている。

ただ、こういう王道的なメッセージの歌って、表現に落とし込むうえでは難しいように思う。

というのも、独自性が際立っていたり、楽曲としての特徴がわかりやすい形で表出している作品は、他の楽曲と比較したときの個性が明確で、結果的にシンプルでわかりやすい魅力の歌になる。

でも、「Your Key」は、そういう地平で勝負している楽曲ではないように思う。

 

 

なので、逆に魅力を表現するうえで、難しい歌になり得るように思うのだ。

でも、JO1って、そういう楽曲の中でも、確かな個性を忍ばせて、独自性のある魅力を打ち立てているように感じるのだ。

そこで、そういった点について、自分が感じたことをもう少し具体的に言葉にしてみたいと思う。

JO1の「Your Key」の話

先ほども述べた通り、この歌はタイアップ作品だ。

そのため、余計な部分で余計な個性を出すのではなく、基本的に王道的なアプローチで攻めている印象である。

どうしても、そういう楽曲を、個性的な表現に落とし込むことは難しいように思う。

でも、JO1はそういうスタンスの楽曲でも、きちんとJO1としての魅力を落とし込み、楽曲の表現を孤高なものにしている印象なのだ。

聴いていてポイントだなあと思ったのは、歌割り。

JO1はそれぞれがボーカルなりラップなりを披露することができるグループであるため、「Your Key」においても、細かなマイクリレーを行いながら楽曲を突き進んでいる。

そのリレーが、個性的でもあり、でも必要以上に個性を出しすぎていない感じなのも良いなあと思うのだ。

その歌の表現としてあるべきボーカルとして、それぞれが最大の表現をしている印象なので、楽曲の世界観を確固たるものにしながら、鮮やかさを生み出しいる印象なのだ。

実際、この歌はメンバー全員がどこかのタイミングでスポットを当たるように歌割り構成されており、楽曲内で複数回スポットが当たるようになっているように思う。

でありながら、きちんとした統一した楽曲世界を生み出しているのが、素晴らしいなあと思うのだ。

また、歌割りの中で作る展開も絶妙だ。

例えば、1番ではラップパートもきちんと展開させることで、ラップが得意なメンバーにスポットが当たる流れになっており、そこも良い。

低音のラップが武器である鶴房汐恩のパートが、楽曲の中でも特に良いアクセントを出して、響いている印象。

実際、自分は1番のメロの割り方が好きである。

この歌、最初の4つのフレーズは淡々としたメロディーを丁寧に紡ぐ構成になっている。

しかも、統一感を出すためか、フレーズの全てがUの音で終わる動詞になっており、楽曲が持つミディアムで優しい空気感が鮮明になる。

そういう空気が出てきたタイミングで、ラップのパートで一旦楽曲の空気をがらりと変えて魅了する流れが良いなあと思ったのだ。

この一連の流れは、JO1ならではの持ち味のひとつではないかと思った次第。

しかも、ラップパートが終わってから、再びミディアムな歌メロに戻る流れもスムーズかつ心地良い。

楽曲のテンポに合わせて、丁寧にリズムをのりこなすボーカルでマイクを繋ぐからこその聴き心地が絶妙だったし、こういう部分がしっかりしているからこそ、王道的な装いを持ちつつ、確固たる個性を際立たせる楽曲になっている印象だったのだ。

あと、個人的にもうひとつ好きなのが、2番のサビを終わったあとの流れ。

ここで、またひとつ楽曲の空気を変えて、美しくも優しい手触りのハイトーンボイスでメロディーを紡ぐことで、「Your Key」が持つ光がより鮮明になっていく。

自分的には、この楽曲には<まばゆい白い光の絵>が見えてくるんだけど、そういう光がこのパートでより立体的に輝く印象なのである。

また、全体として高いレベルでメロディーが紡がれていると思っているが、そのうえで、河野純喜 – 與那城奨 – 川尻蓮 – 川西拓実のラインが個人的に好きなポイントのひとつになっていた次第。

まとめに代えて

こうやって「Your Key」を丁寧に聴くと、味わい深い作品だなーと思う。

アニメタイアップだからこその王道感を持ちながらも、その楽曲にはJO1だからこその奥深さをいくつも忍ばせる。

その中でも、1番のAメロと、2番のサビ終わりのメロあたりにスポットを当てて、今回は感想を書かせてもらった。

JO1らしい優しさと力強さを感じるこの歌が、よりたくさんの人に届けばいいなーなんてことを思っている、そんな今。

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