MAZZEL「So Strawberry」は、甘い恋の歌に見せかけて、かなり危うい。惹かれるほど不安になり、近づくほど相手の思惑がわからなくなる。苺の甘さと赤さを、恋の中毒性へ変えたサマーチューンである。
ここでは歌詞を直接引用せず、タイトル、公式情報、ラテンのニュアンスを持つビート、恋愛の駆け引きから「So Strawberry」の意味を考えてみたい。
この記事の結論
まず、結論をまとめると次の通りである。
- 「So Strawberry」は、甘さだけでなく、赤さ・熟れた魅力・誘惑まで含むタイトルである。
- 歌詞が描くのは、相手に夢中になるほど疑いと嫉妬が膨らむスリリングな恋である。
- 相手を天使か悪魔か決められない揺れが、曲の中毒性につながっている。
- ラテンのニュアンスを持つビートが、夏の開放感と恋の危険な熱を同時に作る。
- MAZZELのボーカルとラップが、8人それぞれの「惹かれ方」を見せる曲でもある。
MAZZEL「So Strawberry」はどんな曲?
「So Strawberry」は、2026年6月22日に配信リリースされたMAZZELのDigital Singleである。公式では、ラテンのニュアンスをまとったビートにスリリングな恋を描いた、中毒性のあるサマーチューンと紹介されている。
爽やかな海辺だけを想像させる夏曲ではない。リズムは軽やかだが、歌の中にある感情は落ち着かない。相手の視線や距離感に振り回され、独り占めしたい気持ちと、傷つくかもしれない予感が同時に膨らんでいく。
Billboard JAPAN Hot 100では初登場7位を記録した。耳に残るフックだけでなく、MAZZELが大人びた色気とユーモアを両立させたことも、広がりの理由だと思う。
「So Strawberry」の意味
なぜ、ただの「Strawberry」ではなく「So Strawberry」なのだろうか?
strawberryは、甘さやかわいらしさを連想させる。一方で、鮮やかな赤、熟した果実、口にした瞬間に広がる酸味まで含む。つまり「So Strawberry」は、単に甘い相手を指すのではなく、見た目も香りも味も強く、抗えないほど苺的な存在だと捉えられる。
ここで面白いのは、苺の甘さが安心に結びつかないことだ。甘いからもっと欲しくなる。しかし、もっと近づけば、自分だけのものではないかもしれない不安も増える。欲望と警戒が同じ果実の中に入っている。
歌詞が描く「危険だとわかっていても惹かれる恋」
好きになるほど疑いが増える
この曲の主人公は、相手の魅力をよく理解している。だからこそ、自分以外の誰かも同じように惹かれるのではないかと想像してしまう。
恋が深まれば信頼も深まるはずなのに、なぜ不安の方が大きくなるのだろう? 相手を失いたくない気持ちが強いほど、まだ起きていない出来事まで頭の中で作ってしまうからだ。「So Strawberry」は、そのネガティブな想像さえ恋の熱として鳴らしている。
相手は天使か、悪魔か
相手の優しさに救われる瞬間と、思わせぶりな態度に振り回される瞬間が同居する。そのため主人公は、相手を無垢な存在として信じることも、危険な誘惑として切り捨てることもできない。
しかし、本当に相手だけが駆け引きをしているのだろうか? 独占したい主人公自身もまた、恋のゲームへ深く入り込んでいる。天使か悪魔かという二択は、相手の正体より、揺れ続ける自分の心を映す問いなのだと思う。
「甘い」と「痛い」が近い
苺には甘さだけでなく、少しの酸味がある。曲の恋愛も同じで、幸福感のすぐ隣に嫉妬や自己嫌悪が置かれている。
傷つく可能性を知りながら、それでも味わいたい。つまり、この曲の中毒性は完璧な恋を描くことから生まれるのではない。危うさも含めて相手を求めてしまう、矛盾した欲望から生まれている。
ラテンのビートと8人の声が作る色気
公式が示す通り、トラックにはラテンのニュアンスがある。細かく身体を揺らすリズムが、恋の駆け引きを会話ではなくダンスのように見せる。
MAZZELは8人の声質が異なるため、ひとつの恋心にも複数の表情が生まれる。余裕を見せる声、焦りがにじむ声、強気なラップ、甘く伸びるメロディー。それぞれが交代することで、主人公の感情が一枚岩ではないことが伝わる。
夏曲なのに、ただ明るく開放的ではない。この少し湿った熱こそ、「So Strawberry」がMAZZELらしいサマーチューンになっている理由ではないだろうか。
よくある疑問
「So Strawberry」はどんな恋を歌っている?
魅力的な相手に強く惹かれ、独占したい気持ちと不安や嫉妬の間で揺れる恋である。危険だと感じても離れられない中毒性が中心にある。
タイトルの「Strawberry」は何を表す?
甘さ、赤さ、熟れた魅力、少しの酸味を持つ相手の象徴だと考えられる。かわいさだけでなく、誘惑や危うさまで含む。
なぜサマーチューンなの?
ラテンのニュアンスを持つビートと、熱を帯びた恋の駆け引きが夏の開放感に合うからである。ただし爽快さだけでなく、湿度のある色気も強い。
まとめ
「So Strawberry」は、甘い恋をそのまま肯定する曲ではない。甘さに惹かれた結果、不安や嫉妬まで味わうことになった人の歌である。
それでも離れられないのはなぜか? 相手の魅力が強いからだけではない。振り回されている時間まで含めて、恋が自分を生き生きさせているからだ。MAZZELはその危うさを、ラテンのビートと8人の声で、踊れる中毒へ変えている。
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